公開日: 2026-01-12
銀行株の決算シーズンが、高い期待の中で幕を開けようとしている。主要行の中には過去最高値や数年ぶりの高値に迫る銘柄もあり、状況は一変している。株価が既に「好材料」を織り込み済みの状況では、単に堅調な四半期業績を発表するだけでは不十分だ。市場が求めるのは、常に予想を上回る業績と、次の四半期に対する確信に満ちた経営陣の「ストーリー」だ。
今四半期の銀行株の決算で焦点となるのは、単なる融資の伸びではない。市場は、2025年の利下げ後も純金利収益(NII)の安定性が保たれるか、そして投資銀行部門やトレーディング部門の収益力が、伝統的な融資業務の減速を相殺できるほど強いかどうかに注目している。
当社は、2025年第4四半期に、取引活動の回復に伴う投資銀行収益の回復と堅調な取引実績を背景に、米国の大手銀行全体で利益が増加すると予想している。

| 銀行 | 結果発表 | 決算説明会 | 日 |
|---|---|---|---|
| JPモルガン(JPM) | 午前7時(東部標準時) | 午前8時30分(東部標準時) | 2026年1月13日(火) |
| バンク・オブ・アメリカ(BAC) | 午前6時45分(東部標準時) | 午前8時30分(東部標準時) | 2026年1月14日(水) |
| シティグループ(C) | 午前8時(東部標準時) | 午前11時(東部標準時) | 2026年1月14日(水) |
| ウェルズ・ファーゴ(WFC) | 午前7時(東部標準時) | 午前10時(東部標準時) | 2026年1月14日(水) |
| ゴールドマン・サックス(GS) | 午前7時30分(東部標準時) | 午前9時30分(東部標準時) | 2026年1月15日(木) |
実践的な取引メモ: 大手銀行 3 行が同じ朝に決算を発表すると、財務状況の最初の動きは見出し主導で混乱する可能性があり、電話会議が始まり経営陣がガイダンスの詳細を述べた後に、より明確な傾向が現れることが多いだ。
2025年はM&A市場が活性化し、関連手数料の増加が期待されている。世界的なM&A取引額の回復と健全なIPOパイプラインが、第4四半期の収益を押し上げる見込みだ。
フィナンシャル・タイムズはさらに一歩踏み込み、2025年はパンデミック以降、米国投資銀行にとって最高の年となり、収益は380億ドル近くになると述べ、2026年にはさらなる手数料上昇が見込まれると指摘した。
利上げによる一方的な追い風は過去のものとなったが、預金コストの低下が融資利回りの軟調を部分的に相殺し、NIIは緩やかな安定に向かうと見られている。預金コストの管理効率が良い銀行が評価されるだろう。
消費者ローンや商業用不動産など、特定セグメントにおける貸し倒れの緩やかな増加に投資家は警戒している。債務不履行率の動向は、景気の「ソフトランディング」シナリオの検証材料となる。
それはサポートにはなるが、ストレスが溜まるリスクがなくなるわけではない。
| ティッカー | 予想EPS | 予想収益 | 前年比の推定変化率(EPS / 売上高) |
|---|---|---|---|
| JPM | 4.97ドル | 456.5億ドル | +3.33% / +6.75% |
| 血中アルコール濃度 | 0.96ドル | 273.4億ドル | +17.07% / +7.87% |
| C | 1.78ドル | 209億9000万ドル | +32.84% / +7.18% |
| WFC | 1.65ドル | 214億9000万ドル | +16.20% / +5.45% |
| GS | 11.69ドル | 145億3000万ドル | -2.2% / +4.7% |

JPMは通常、信用、消費者の健全性、そして全体的な手数料環境に関する期待値を設定する。また、「強力な取引と強力な手数料」が広範囲に及ぶものなのか、それとも特定の分野に限ったものなのかを判断する傾向もある。
注目すべきキーライン
純利息収入の方向性: 過去がどうだったかだけではなく、次の四半期が横ばいになるか改善するかも注目される。
信用コスト: 引当金に関する予想外の事態は「景気サイクル後期」の見方を助長するため、すぐに市場心理に悪影響を及ぼす可能性がある。
市場とアドバイス: 幅広い回復は、資本市場の勢いが四半期の一時的な回復ではなく本物であるという考えを裏付けている。
物語を変えるもの
2026年の保守的な見通しは、期待がすでに高まっているため、たとえ第4四半期が予想を上回ったとしても、株価上昇を鈍らせる可能性がある。
BAC の収益は利回りや預金価格の変化に非常に敏感であるため、このグループでは「金利と預金」の読み方が最も明確であることが多いだ。
注目すべきキーライン
預金ベータ: 預金コストがどのくらいの速さで調整されているかについての経営陣の解説が重要だ。
市場収益: 経営陣は市場収益の増加が見込まれると示しており、トレーダーはその観点に照らして実際のレポートを評価することになる。
消費者信用: カードや自動車ローンの悪化は、状況を「ソフトランディング」から「正常化がストレスに変わっている」へと急速に変化させる可能性がある。
物語を変えるもの
預金コストが予想通りに下がらなければ、市場は2026年に実現可能なNIIの改善範囲に疑問を抱くかもしれない。
シティのストーリーは、実行力と一貫性に大きく左右される。市場は、シティが新たなサプライズなく、着実な進歩を見せた場合に、評価する傾向がある。
注目すべきキーライン
投資銀行手数料の軌道: 経営陣は以前、手数料の大幅な引き上げを示唆していたため、トレーダーは数字がそれを裏付けるかどうか確認するだろう。
費用の規律: リストラ計画の成否はコストラインによって決まる。
資本収益率の傾向: 信頼が高まると、市場はすぐにそれに報いる傾向がある。
物語を変えるもの
最近の明るい兆しは資本市場の回復と結びついているため、2026年に近づくにつれて市場収益が減少するという兆候があれば、感情に影響を及ぼす可能性がある。
ウェルズ・ファーゴは、規制当局が2025年に同社の1兆9500億ドルの資産制限を撤廃し、再びバランスシートの拡大を認めるという特異な状況に置かれている。
注目すべきキーライン
融資の伸びと純利息収入: 市場は成長が持続可能な収益力につながっているという証拠を求めている。
手数料の増加: 投資銀行業務やその他の手数料の増加が加速すれば、市場は株式を再評価する可能性がある。
支出管理: 支出が収入よりも急速に増加すると、成長の物語はすぐに反響を招く。
物語を変えるもの
経営陣がキャップ後の柔軟性を活用することに躊躇しているようであれば、投資家は成長機会を「現実的」ではなく「理論上」とみなす可能性がある。
ゴールドマンは純金利収入よりも資本市場活動を重視している。また、前年比での比較が厳しくなっているため、一部の予想ではEPSが小幅減少するとされている。
注目すべきキーライン
アドバイザリーおよび引受手数料: 市場は、パイプラインが予約済み収益に変換されているという確認を求めている。
取引: 好調な四半期は手数料ラインの弱さを隠すことができますが、それは一時的なものにすぎない。
見通しの言語: トレーダーは、終了した四半期だけでなく、次の四半期の活動に対する信頼に注目する。
物語を変えるもの
経営陣が取引の急増がピークに達していると示唆した場合、市場がすでに次の段階を織り込んでいるため、第 4 四半期の数字が良好に見えても株価は反応する可能性がある。
1. 結果は良好だが、株価は低調
既に株価が高値圏にあるため、予想を上回る決算発表でも利益確定売りが発生する可能性がある。
2. 見出しに表示されないクレジットポケット
全体的な数字は安定していても、特定の顧客層や業種における与信コストの悪化が、市場心理を冷やす。
例えば、消費者の債務不履行は横ばいになる可能性があるが、一部の指標は依然として高い水準にとどまっており、投資家は警戒を怠らない。
3. 取引の突然の行き詰まり
取引の復活は、強気な議論の土台となっている。銀行幹部がパイプライン転換に自信を失えば、市場は2026年の手数料予想を急速に再評価する可能性がある。
4. 純利息収入の失望
投資家は金利が引き下げられ、預金競争が変化する年に銀行がどのような業績を上げるかを判断しようとしているため、NIIガイダンスのわずかな不足でも問題になる可能性がある。
1) 今週大手銀行はいつ収益を報告するのか?
1月13日(火)にJPモルガン、14日(水)にバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、15日(木)にゴールドマン・サックスの順です(日本時間では翌日にまたぐ場合あり)。
2) 今四半期の銀行収益にとって最も重要な項目は何だか?
伝統的な銀行では純金利収益(NII)の見通しが、投資銀行では手数料収入の動向が最大の焦点だ。過去の実績以上に、今後のガイダンスが重視される。
3) 銀行株は EPS 予想を上回った後でもなぜ下落するのか?
なぜなら、 株価が事前に高い期待を織り込んでいるためだ。経営陣の業績見通しが慎重だったり、信用引当金が増加したりすると、市場は「業績がピークアウトした」と判断し、売りに転じることがある。
結論
結論として、銀行株の決算が集中する今週は、「銀行セクター復活」のストーリーが試される週となる。強気論の核心は、投資銀行とトレーディング業務の同時回復、そしてNIIの安定性が、2026年も収益増を支えるという見方にある。
しかし、多くの銘柄が高値圏で迎える今回の銀行株の決算では、市場の反応はシビアだ。単に「良い数字」を出すだけでは不十分で、経営陣が将来に対する確信に満ちた「ストーリー」、特に来期以降の持続的な成長軌道を明確に示せるかどうかが、株価をさらに上昇させるための必要条件となるだろう。
市場は、高まった期待値を「実行」で確実に超える証拠を求めている。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。