公開日: 2026-02-10
日経平均株価は、海外株高や国内の政策期待を背景に上昇基調を強め、ついに5万6000円台に到達しました。市場では「日本株の新たなステージに入った」との楽観的な見方が広がる一方で、上昇ペースの速さから高値警戒感も意識され始めています。今後、この水準を安定して維持できるのか、それとも一時的な過熱に終わるのかが、投資家の最大の関心事となっています。
本記事では、日経平均株価がどこまで上がるか、それともせめて5万6000円台を維持できるのかについて詳しく解説します。
現状整理 — 直近の株価動向
足元の東京株式市場では、日経平均株価が急伸し史上最高値を更新しています。2月9日の東京市場では、日経平均は前日比約2110円高の56.363円台で引け、過去最高値を大きく塗り替えました。取引時間中には5万7000円台を超える場面もあり、強い上昇トレンドが鮮明となっています。
この上昇の背景には、衆議院選挙で与党が圧勝し政権基盤が強化されたことがあり、投資家心理を大きく押し上げています。自民党が下院で大勝した結果、高市早苗首相の政権は今後の財政・経済政策の推進力が強まるとの期待感を市場が好感。また、積極財政や成長戦略への期待から防衛関連やハイテクなどの主力株に買いが集まりました。
海外市場も追い風となっています。アジア株全般が政治イベント後のリスク選好を背景に堅調に推移し、日経平均の上昇を下支えしています。米国市場でも主要株価指数が高値圏を維持しており、世界的な株高の流れが日本市場にも波及しています。
こうした勢いを受け、短期的には「5万6000円台が定着しつつある」との見方も出ていますが、上昇ペースが速いことから押し目や調整の可能性にも注意が必要、と市場関係者は指摘しています。

上昇材料 — 株価を支える要因
日経平均株価が急伸している背景には、いくつかの強力な上昇材料が重なっていることが見て取れます。
まず、市場最大のテーマとなっているのが2026年2月8日の衆議院選で与党が圧勝したことです。自民党を中心とした与党が大勝したことで、政策運営の安定性が高まり、積極的な経済・財政政策への期待が急速に高まっています。これを受けて、政府による財政出動や成長戦略の推進が加速するとの見方が広がり、国内投資家だけでなく海外投資家の買いも誘発しました。とりわけインフラ投資や経済成長分野に対する支出拡大が期待されています。
海外市場の動きも日本株を後押ししています。アジア株全体が堅調に推移し、グローバルなリスク選好の高まりが日本株への投資意欲を刺激しています。米国株や欧州市場も強い流れを維持しており、世界的な株高トレンドとの連動が日経平均の上昇につながっています。
また、政策期待に紐づく特定セクターへの物色も進んでいます。政府が重点分野として打ち出しているハイテク・半導体、自動車関連、AIやデジタル投資、防衛関連などの成長セクターが買われ、日経平均の指数寄与度の高い主力株が上昇を牽引しています。主要銘柄の多くが株価上昇に寄与し、指数全体を押し上げているのです。
さらに、市場参加者のセンチメントを見ると、個人投資家の間でも「上昇トレンド継続」への期待が下落見込みを上回っており、株価上昇予想が根強いことも相場の支えになっています。特にプロの見立てでは、今後も政策効果や企業業績の回復を織り込んだ上昇余地を示す意見が少なくありません。
リスク要因(株価の重しとなる可能性)
日経平均株価が急伸している一方で、今後の相場の重荷となり得るリスク要因もいくつか浮かび上がっています。
一つ目は、上昇ペースの速さに伴う過熱感です。日経平均が短期間で大幅高となるなか、投資家のセンチメントには慎重な声も根強く、値動きの激しさやボラティリティーの高さが調整材料として意識されています。例えば、日経平均のボラティリティ・インデックス(VI)は大きく低下しておらず、市場参加者が依然として高い変動リスクを見込んでいることがわかります。このような水準では、急な調整や上値の重さが出やすいとの見方もあります。
二つ目は、長期金利の上昇リスクです。株高が続く中で財政拡張期待が強まる一方、長期金利の上昇が警戒材料として取り沙汰されています。長期金利が上昇すると、株式市場ではグロース株の割高感が強まりやすく、資金のシフトが起こる可能性があります。足元でも、株価上昇と並行して金利上昇圧力が相場の重しになっているとの指摘が出ています。
三つ目として、利益確定売りの圧力が挙げられます。前日の大幅高を受け、短期的な戻り売りやポジション整理が進む局面もあり、上昇ペースが速ければ速いほど、こうした売り圧力は強まりやすいという市場心理が働きます。過去の急騰後の調整局面では、利益確定が株価を押し下げる要因となったこともあります。
また、需給実体と株価上昇の乖離も注意すべきポイントです。株価が大きく上がっている間、企業業績や個人消費など実体経済の改善ペースがそれに追いついていないという指摘もあります。こうした「株高不況」と呼ばれる状態では、株価が経済の実態からかい離するリスクが高まり、ある時点で調整圧力が強まる可能性もあります。
最後に、地政学的な不確実性や米国市場を含む海外の経済動向も常にリスクとして存在します。米国の金利動向やインフレ指標などグローバル要因が相場心理に影響を与えるため、国内材料だけでは株価の行方が決まらない状況が続いています。
日経平均株価がどこまで上がる?市場の予想レンジと主要シナリオ

最新の市場予想やアナリスト見解を踏まえると、日経平均株価の今後の値動きについては複数のシナリオが想定されています。強気・中立・弱気の観点から、代表的な見方を整理すると以下の通りです。
1. 強気シナリオ(株価上昇継続)
一部のアナリストは、日経平均が6万円台に到達する可能性を示唆しています。高市政権の経済・財政政策への期待や、企業業績の改善、海外マネー流入などを背景に、上値余地が拡大するとみる声が根強いです。実際に証券会社トップの発言として、今年の株価が62.000円まで上昇する可能性を指摘する例もあります。
また、大手証券などの一部予想では、日経平均・TOPIXともに堅調な展開が続き、年末に向けて上昇基調が継続するとの見方もあります。
このように、6万円台前後、あるいはそれ以上への上昇余地を織り込む強気シナリオは、政策期待と資金流入を重視した見方に基づいています。
2. 中立シナリオ(レンジ内での推移)
個人投資家の間では、2026 年の株価は比較的穏やかなレンジ推移(横ばい)を予想する声が最も多く、「55.000 円」付近を上昇の中心値と考える人が目立ちます。上昇派が下落派の約2 倍となっているものの、「大きな飛躍は期待しにくい」との意見も根強いです。
この中立観は、株価がすでに高水準にあることや、為替・金利・海外経済などを注視する必要があるため、過度なポジション調整が入りにくいとの見方に基づいています。
3. 弱気シナリオ(下押し・調整リスク)
弱気シナリオでは、利益確定売りや外部ショックによる調整が意識され、相場の反落リスクを指摘する声もあります。これまでの急伸に対しては「一時的に調整が入る可能性がある」との見方があり、5万円台前半〜下方レンジへの押しやすさも想定されています。
市場全体が高値圏にあるなかで、需給の変化やテクニカルな節目の重さが出ると、上値追いの勢いが鈍るとの懸念も一定程度あります。
結論:日経平均株価がどこまで上がる?5万6000円台は維持できるか?
1. 短期的には維持の可能性が高い
直近の日経平均は、衆議院選で与党が大勝したことで株式市場が大きく買われ、日経平均が史上最高値の5万6000円台を更新しました。選挙結果によって政策の不確実性が後退し、積極的な経済政策や財政支出への期待が強まったことが、短期的な株高を支えています。株価は取引中に一時5万7000円台に乗せる場面もあり、投資家のセンチメントは堅調です。
こうした環境では、しばらくは5万6000円台を維持する可能性が高いと見る向きが多く、短期的な押し目買いの材料としても作用しています。
2. 中長期では不確実性がある
一方、中長期では複数の不確実性が残ります。例えば財政拡張策による長期金利上昇が株価の重しになる可能性や、今後の企業業績の伸びや為替動向などが相場を左右する要因です。重視されるのは、政策期待が実体経済や企業収益の改善につながるかどうかであり、単なる「政治イベント後の短期リスク選好」が続く限り、5万6000円台の維持は楽観できません。
また、市場では個人投資家の年初の予想として「横ばい〜やや上昇」が多い一方で、専門家の中にはより高い水準を予想する意見もあるため、中長期的なレンジはまだ広い状況です。
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