公開日: 2025-12-19
オリエンタルランドは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを運営する日本を代表するレジャー企業です。テーマパーク運営を中核事業とし、ホテル事業や商業施設の運営も行っています。
同社の収益モデルは、入園チケット収入、園内での飲食・グッズ販売、ディズニーホテル宿泊収入が柱となっており、来園者数と客単価の上昇が業績を左右します。近年はチケット価格の柔軟な設定や付加価値サービスの強化により、収益性を高めています。
日本株市場では、安定したブランド力と高い成長性を評価される代表的なグロース株として位置づけられており、配当利回りよりも中長期の株価成長を重視する投資家から高い人気を集めています。
オリエンタルランド配当金はいくら?(最新データ)

① 直近の年間配当金
オリエンタルランドは、1株あたり年間 14円 の配当金を支払う計画です(中間配当 7円+期末配当 7円)。この水準は、コロナ禍以前の水準に回復した内容です。
② 中間配当・期末配当の有無
配当は 年2回(中間配当・期末配当) で、それぞれ 7円ずつ支払われています。権利確定日は通常 3月末・9月末、支払いは 6月・12月です。
③ 1株あたり配当金の基本情報
配当支払いは1株ごとに現金で支払われる形式です。
配当利回りは株価に対して約0.4〜0.5%前後と低めの水準ですが、安定的な株主還元を目指しています。
近年の配当推移を見ると、株式分割後の調整もありつつ、配当金は徐々に戻してきています。
オリエンタルランド配当推移(過去〜コロナ〜回復)
◆ 過去数年の配当金推移(株式分割後の調整含む)
オリエンタルランド配当は、株式分割(2023年4月に1株→5株)後に調整された上で、近年は次のような推移になっています(1株ベース):
2023年:配当増額傾向(調整前ベースでは高配当)
2024年:年間合計 13円(中間5円+期末8円)
2025年:年間 14円(中間7円+期末7円)
2026年(予想):年間 14円(予定)
※株式分割前は1株あたりの数字が大きく、分割後で調整されています。
このように、2024〜2025年度で配当金額は回復・増加傾向にあります。
◆ コロナ禍による配当停止・減配の影響
オリエンタルランドは、長らく高い配当を維持していましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)でテーマパークの来園者数が大幅に減少した期間には、収益への影響が深刻で、配当方針にも影響が出ました。
コロナ前は高い配当水準でしたが、
コロナ禍では配当が大きく減少、もしくは配当方針が調整されました。
(具体的な配当額は株式分割前の数字として高かったものの、株価や配当利回りで見ると低水準に推移)
※公式IRではコロナ前の配当水準を「目標として回復させる」と明言しており、回復に向けた方針が示されています。
◆ 業績回復後の配当再開・増配状況
コロナ後の業績回復とともにオリエンタルランドは配当の再開・増配を進めています:
2024年度:配当を前年度から引き上げ、年間13円に回復。
2025年度:さらに年間14円へ増配見込み。
公式IRでは中期計画として、「配当をコロナ前の水準まで戻すこと」を重視した方針が掲げられています。
これにより、配当利回りはコロナ前と比べるとまだ控えめですが、着実に配当が増加傾向にあるのが特長です。
オリエンタルランドは高配当株なのか?
◆ 配当目的の投資に向いているか
オリエンタルランド配当利回りは、年間 約0.4〜0.5%前後 と 低めの水準 です。これは、同じ東証プライム市場の平均利回りから見ても低く、高配当株とは言いにくい数字です。
高配当株投資では、例えば利回り 3〜5%以上 が一つの目安となることが多いですが、オリエンタルランドはこの水準に遠く及びません。
つまり 配当(インカムゲイン)を主目的に保有する銘柄としては魅力が低い といえます。
さらに、配当性向も比較的低く、利益の多くを内部留保や事業投資に回していることが背景です。
◆ 成長株としての特徴
オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートという 独自性の高い強力なブランド を持つ企業です。
これは以下の点で投資家に評価されやすいです:
圧倒的な集客力と高いブランド力
テーマパーク事業の収益性
新規アトラクションやサービス投資による成長期待
その結果、株価の値上がり余地(キャピタルゲイン)が重視され、配当よりも株価の伸びを期待した成長株として評価されることが多いです。
◆ 配当よりキャピタルゲイン重視の理由
オリエンタルランドの株式の特徴として、配当利回りが低い代わりに株価の成長が投資リターンの主軸 になっています。具体的には:
✔ 配当金は毎年支払われていますが、利回りは0.4〜0.5%程度と控えめです。
✔ 多くの投資家は、配当よりも株価の値上がり(キャピタルゲイン)を狙って保有するスタイルを取っています。
(テーマパークの人気や新規戦略への期待が株価を押し上げる可能性があるため)
つまり、配当収入よりも株価上昇による利益獲得を重視したい投資家向けの銘柄です。
配当そのものは安定しているものの、インカムゲインの割合が低いため、「配当目当て」で買う銘柄とは言い難い傾向 があります。
オリエンタルランドの株主還元方針(配当・内部留保・自社株買い)

◆ 配当に対する基本的な考え方
オリエンタルランドは、株主還元を経営の重要な方針の一つと位置付けています。具体的には、配当金について以下のような考えを示しています:
✔ 株主還元策として安定した配当の継続を基本方針としている
✔ 過去の減配からの回復を進めつつ、配当金を着実に支払う姿勢を重視している
✔ 2024中期計画ではコロナ前の配当水準まで戻すことを掲げ、実際に配当を増加させている
✔ 2035長期経営戦略では配当性向を徐々に高めていく目標を設定している(最終的には約30%水準を目指す)
このように、配当は大きく伸ばすというよりも安定性を重視した増配傾向が方針です。
◆ 内部留保と成長投資のバランス
オリエンタルランドは、配当だけでなく 事業の成長投資にも積極的に資源を配分する考え方 を示しています:
✔ 営業キャッシュフローを原資として
テーマパークやホテル、クルーズ事業の 成長投資
既存施設の リニューアル・設備投資
株主還元(配当・自社株買い)
といった形で バランスある資金配分 を行う方針です。
特に2035長期戦略では、成長投資を優先しつつ、配当や株主還元策にも一定のリソースを割く体制を構築することが明記されています。
◆ 自社株買いの有無・実績
オリエンタルランドは自社株買いも株主還元策の一環として実施しています:
過去の自社株買い実績(実績例)
2020年に約 207億円 の自社株買い実施
2024年に約 618億円 と大規模な買い戻しを実施
このように数百億円規模の自社株買いを断続的に行っていることが確認できます。
ただし、最近の実施は「株主への直接的な買戻し」というより、長期的な株主価値向上や資本効率の改善を目的とした取り組みが中心で、毎年必ず実施するという形ではない点に注意が必要です。
◆ 株主還元全体としての狙い
オリエンタルランドの株主還元方針は、次の3つの柱で構成されています:
安定的な配当の継続
配当を着実に支払いながら、業績や財務状況を見て増配余地を追求
成長への投資との両立
事業拡大・設備投資にも十分な資金を割り当て、企業価値向上を図る
自社株買いの柔軟な活用
必要に応じて自社株買いを行うことで、株主価値向上と資本効率の改善に取り組む
この方針により、短期的な高配当への最適化ではなく、長期的な企業価値向上と安定した株主還元の両立を図る姿勢が読み取れます。
今後の配当はどうなる?将来見通し
1.業績見通しと来園者数の影響
オリエンタルランド配当動向は、東京ディズニーリゾートの来園者数と客単価の推移に大きく左右されます。足元では、国内需要の回復に加え、インバウンド(訪日外国人客)の増加により来園者数は堅調に推移しています。
また、単純な入園者数の増加だけでなく、1人当たりの消費額(チケット、グッズ、飲食)の上昇が業績を押し上げており、営業利益率も高水準を維持しています。
このような安定した業績環境が続く限り、配当は減配リスクが低く、安定的に維持される可能性が高いと考えられます。
2.チケット価格戦略・インバウンド需要
近年のオリエンタルランドは、需要に応じて価格を変動させるチケット価格戦略(変動価格制)を導入しており、混雑期には収益性を高めやすい構造になっています。これにより、来園者数が大きく伸びなくても、利益を確保しやすい体制が整っています。
さらに、円安を背景としたインバウンド需要の回復は、
グッズ購入
高価格帯の飲食
ディズニーホテル利用
といった高付加価値消費を後押ししており、中長期的な収益基盤の強化につながる要因です。収益が安定すれば、配当の維持・緩やかな増配も実行しやすくなります。
3.中長期での増配余地
オリエンタルランドは、株主還元について「安定配当を基本としつつ、業績に応じて還元を行う」姿勢を示しています。現時点では配当利回りは低いものの、
配当性向はまだ高くない
成長投資を優先しながらも財務体質は健全
といった点を踏まえると、中長期的には増配余地が残されていると見ることができます。
ただし、同社は高配当化を急ぐ方針ではなく、
✔ 新規アトラクション
✔ 既存施設の更新
✔ 将来の成長投資
を優先する傾向が強いため、大幅な増配よりも「緩やかな増配」や「安定維持」が中心になる可能性が高いでしょう。
オリエンタルランド株を配当目的で持つメリット・注意点
メリット① 安定したブランド力
オリエンタルランドは、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーという世界的に知名度の高いブランドを中核に事業を展開しています。この強力なブランド力は、景気変動や競合の影響を受けにくく、長期的に安定した集客力と収益基盤を支えています。
そのため、配当利回りは高くないものの、配当が急激に減少・停止するリスクは比較的低いと考えられます。配当を「大きく増やす」よりも、「安定して継続する」点に価値を見出す投資家にとっては安心感のある銘柄です。
メリット② 中長期の成長期待
オリエンタルランドは、成長投資を積極的に行う企業であり、
新アトラクションの導入
既存エリアのリニューアル
価格戦略の高度化
などを通じて、中長期での利益成長が期待されています。この成長が続けば、将来的に配当原資が拡大し、緩やかな増配につながる可能性もあります。
そのため、「今すぐ高配当を得たい」投資家よりも、将来の企業価値向上と安定配当を同時に狙う長期投資家に向いた銘柄といえるでしょう。
注意点① 配当利回りは低め
オリエンタルランド配当利回りは、0%台後半〜0.5%前後と、日本株の中ではかなり低い水準です。
このため、
配当収入を生活費に充てたい
インカムゲインを重視したい
といった純粋な配当目的の投資には不向きです。配当だけを見ると、銀行株や高配当ETFの方が効率的なケースもあります。
注意点② 株価変動が大きい可能性
オリエンタルランド株は人気銘柄である一方、
業績見通し
来園者数の変化
マーケット全体の地合い
などの影響を受けて、株価が大きく変動する局面があります。特に、株価水準が高い時期に購入した場合、短期的には含み損を抱えるリスクもあります。
そのため、配当目的で保有する場合でも、短期売買ではなく長期保有を前提とした投資スタンスが重要です。
よくある質問
Q1. オリエンタルランド配当利回りは高いですか?
オリエンタルランド配当利回りは、一般的な日本株と比べて高い水準ではありません。現在の配当利回りはおおむね 0.4〜0.5%前後で推移しており、高配当株と呼ばれる3%以上の銘柄と比べると低めです。そのため、配当収入を重視する投資家よりも、成長性や安定性を重視する投資家向けの銘柄といえます。
Q2. オリエンタルランド配当は毎年もらえますか?
オリエンタルランドは、安定配当を基本方針としており、原則として毎年配当を実施しています。ただし、過去には新型コロナウイルスの影響で業績が大きく悪化した際に、配当水準が調整されたこともありました。現在は業績回復に伴い配当も安定しており、大きな業績悪化がなければ継続的な配当が期待できる状況です。
Q3. 株主優待と配当はどちらがお得ですか?
オリエンタルランド株の魅力は、配当よりも株主優待の満足度が高い点にあります。株主優待では東京ディズニーリゾートで利用できるパスポートが提供され、金額換算すると配当以上の価値を感じる投資家も少なくありません。そのため、金銭的な配当収入を重視する場合は物足りないものの、優待を楽しみたい投資家にとっては魅力的な銘柄といえます。
Q4. オリエンタルランド株は長期保有に向いていますか?
オリエンタルランド株は、長期保有に向いている銘柄と考えられます。強力なブランド力、安定した集客基盤、継続的な成長投資により、中長期での企業価値向上が期待されています。配当利回りは低いものの、株価成長と安定配当、株主優待を組み合わせた長期投資を前提とすることで、総合的なリターンを狙いやすい銘柄です。
結論|オリエンタルランド配当の投資判断ポイント
オリエンタルランド配当水準は、日本株の中では低めであり、高配当株を求める投資家には向いていません。一方で、業績回復に伴い配当は安定しており、減配リスクが比較的低い点が特徴です。
投資スタイルとしては、配当収入よりも中長期の株価成長を重視する長期投資に向いています。配当は「おまけ」と考え、企業価値の向上をじっくり待つ姿勢が重要です。
配当と成長の両面から見ると、オリエンタルランドは高配当銘柄ではないものの、安定配当+成長期待+株主優待を組み合わせた総合的な投資魅力を持つ銘柄といえるでしょう。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。