個人投資家向けの人気銘柄を解説
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個人投資家向けの人気銘柄を解説

著者: 高橋健司

公開日: 2025-12-14

「個人投資家向けの人気銘柄」とは、個人投資家から多くの買いが集まり、売買回数や注目度が高い株式のことを指します。これは証券会社のランキング、SNSでの話題性、出来高の増加、検索数の増加などによって判断されることが多く、個人投資家の動向をつかむ重要な指標にもなります。


人気銘柄は、必ずしも大型株や有名企業だけを指すわけではありません。新興企業やグロース株、テーマ株なども含まれ、個人投資家が「今後の成長に期待できる」「買いやすい」「話題性がある」と感じた銘柄が多く選ばれる傾向にあります。


個人投資家向けの人気銘柄の主な特徴

個人投資家向けの人気銘柄の主な特徴

① 成長性が高い企業

売上や利益が継続して伸びている企業は、将来の株価上昇が期待できるため個人投資家から人気を集めます。特にAI、半導体、再生エネルギーなど将来性の高いセクターの企業は注目されやすい存在です。


② 低価格で買いやすい株

1株あたりの価格が安い銘柄は、投資を始めたばかりの個人投資家でも購入しやすく、少ない資金で複数株を買えるため人気になることが多いです。心理的なハードルが低い点も魅力です。


③ 話題性やテーマ性がある銘柄

SNSやニュースで話題になって、トレンドテーマ(AI、脱炭素、宇宙、ゲーム、生成AIなど)に関連する企業は、注目度の高さから個人投資家の買いが集まりやすくなります。


④ 配当や業績が安定している銘柄

高配当や安定業績の企業は、長期投資を好む個人投資家に支持される傾向があります。株価の急落リスクが低いため、「安心して持てる銘柄」として人気が集まりやすい点がメリットです。


個人投資家向けの人気銘柄トップ10(2025年12月初旬段階)

順位は主に SBI証券のNISA買付金額ランキングTOP10 をベースにしています。


  1. オリエンタルランド(4661)

    ディズニー運営会社です。テーマパーク人気が根強く、長期的な企業価値への期待から買われています。


  2. NTT(9432)

    通信インフラとしての安定性と配当利回りが評価され、引き続き個人投資家の保有・買付が多い銘柄です。


  3. トヨタ自動車(7203)

    世界最大級の自動車メーカーであり、電動化・ソフトウェア化など将来成長テーマとしての期待が高いです。


  4. ソフトバンク(9434)

    通信・テクノロジー関連の複合事業を展開。生成AI・投資事業への関与も評価されています。


  5. 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

    高配当と銀行株の安定性が人気。NISAで長期保有される銘柄の上位にも顔を出しています。


  6. 東京海上ホールディングス(8766)

    保険セクターを代表する大型株。安定収益と長期的な配当力が個人投資家から支持されています。


  7. 日本たばこ産業(2914)

    高配当株として昔から個人投資家に根強い人気。長期投資商品として買いが入りやすい銘柄です。


  8. イオン(8267)

    小売大手で生活必需株としての強さが評価。2025年に株式分割などもあり買いやすさが向上しています。


  9. ヤマハ発動機(7272)

    モーターサイクル・マリン製品を展開。海外売上拡大期待などが買いの背景にあります。


  10. 三菱重工業(7011)

    防衛・エネルギー・航空宇宙など複数分野で事業を展開する重工大手。景気循環の影響もありますが堅実な事業基盤が評価されます。

投資を検討する個人投資家たち

テーマ別:人気が集まる銘柄カテゴリー

① AI・半導体関連

解説・人気の理由

AIの実運用(データセンター、GPU等)拡大や生成AIブームに伴い、半導体関連のサプライチェーン(素材・製造装置・部品)やAIインフラ関連企業へ個人投資家の注目が強まっています。日本国内でもAI需要を背景に光ファイバーや半導体材料を手掛ける企業が急騰・注目銘柄になっており、IPOや業績上方修正のニュースも後押ししています。


代表的な銘柄例(日本)

  • 東京エレクトロン、ルネサス、村田製作所、TDK、JX Advanced Metals、フジクラなど


投資ポイント/注意点

  • 高い成長期待が織り込まれやすく、ボラティリティが大きい

  • サプライチェーンや米中関係、輸出規制などマクロ要因にも敏感


② インフラ・高配当株

解説・人気の理由

個人投資家の多くが「安定した配当収入」や長期保有の安心感を重視しており、通信・金融・商社、海運、電力などインフラ系・高配当株が根強く選ばれます。新NISAなど長期非課税枠の利用拡大も、高配当・配当継続企業へ資金が流れやすい背景になっています。


代表的な銘柄例(日本)

  • NTT、三菱UFJ(銀行)、日本たばこ産業(JT)、商船三井、東京海上HD、電力・ガス大手など


投資ポイント/注意点

  • 配当利回りだけでなく業績の持続性(キャッシュフロー)を確認

  • 金利や景気で配当方針が変わるリスクに留意


③ 内需・ディフェンシブ銘柄

解説・人気の理由

世界経済の不透明感が強まる局面では、国内需要に依存する内需株(小売、生活必需品、医療、保守的サービスなど)が相対的に選好されます。「下がりにくい」性質が個人投資家の防御的ニーズに合致します。ストラテジストの分析でも不安定相場で内需関連に注目する意見が多く出ています。


代表的な銘柄例(日本)

  • イオン、セコム、食品・日用品メーカー、医薬品大手など


投資ポイント/注意点

  • 景気後退耐性はあるが成長性は限定的。ポートフォリオの安定パーツとして位置づけるのが一般的


④ グロース株・新興企業

解説・人気の理由

高リターンを目指す個人投資家や若年層は、東証グロース等の新興・成長市場銘柄に強い興味を持ちます。実績を伴えば短期間で大きく伸びる一方、業績未成熟・評価のブレで下落も大きいのが特徴です。銘柄スクリーニングやSNSで発掘されやすく、トレンドに敏感です。


代表的な銘柄例(日本)

  • 東証グロース上場のIT・AI関連ベンチャー、ロボティクス、バイオなど(個々の銘柄は流動的)


投資ポイント/注意点

  • リスク管理(損切りルール)が必須。成長シナリオの検証(収益化の道筋)を重視する


⑤ 個人投資家に不動の人気の大型株

解説・人気の理由

トヨタやソニー、任天堂、オリエンタルランド、三菱UFJなど知名度が高く業績基盤が強い大型株は、安心感・流動性の高さから常に個人投資家に人気です。大型株は指数連動の買いも入りやすく、長期の投資先として安定した選択肢になります。


代表的な銘柄例(日本)

  • トヨタ自動車、ソニーグループ、任天堂、オリエンタルランド、NTT、三菱UFJ など


投資ポイント/注意点

  • 指標(PER・PBR)や業績見通し、配当方針を確認。大型株は「過剰評価」局面では上値が重くなることもある


個人投資家が人気銘柄を選ぶメリット・デメリット

メリット

① 市場で情報が多く、調べやすい

人気銘柄はアナリストのレポート、ニュース、SNSでの議論など情報量が圧倒的に豊富です。決算分析や将来見通しの資料も多く、個人投資家が判断しやすい環境が整っています。


② 長期的に安定して上昇しやすい

三菱UFJやトヨタなどの人気大型株は、業績基盤が強固で、急落しても中長期で株価が戻りやすい傾向があります。長期投資向けとして選ばれる理由のひとつです。


③ 流動性が高く、売買しやすい

人気銘柄は取引量が多いため、

  • 希望価格で売買が成立しやすい

  • スプレッド(売買価格差)が小さい

といったメリットがあり、特に初心者にとって取引しやすい環境です。


デメリット

① 過熱時には割高になりやすい

人気が集まると需給で株価が上がり、実力以上に割高(PER、PBRが高水準) になるケースがあります。高値で掴むと、調整局面で大きく下がるリスクがあります。


② 話題だけで上昇する銘柄もある

SNSや短期的なニュースで急に人気化する銘柄は、実態以上に期待だけで上がる「テーマ株」化することがあり、材料が消えると急落する可能性があります。


③ 群集心理に巻き込まれるリスク

人気銘柄は「みんなが買っているから安心」という心理が働きやすく、冷静な判断よりも 群集心理に左右される 危険があります。高値づかみや狼狽売りに繋がるリスクがあります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 人気銘柄は本当に儲かる?

すべてが儲かるわけではありませんが、安定した大型株は長期で堅調な傾向があります。


人気銘柄は業績基盤が強く、流動性も高いため、長期保有で安定したリターンを出しやすい特徴があります。


ただし、短期的には割高になりやすく、テーマ性で急騰した銘柄はその後の反落リスクもあるため、購入タイミングが重要です。


Q2. 初心者でも買っていい?

はい。むしろ初心者は人気銘柄のほうが安心して投資しやすいです。


理由は以下の通りです:

  • 情報が多く学びやすい

  • 株価が急落しにくい

  • 売買が成立しやすい

特に、三菱UFJ・トヨタ・NTTなどの大型株は初心者の長期投資に向いています。


Q3. 人気銘柄はいつ売ればいい?

決算内容が悪化した時や、株価が過剰に上がった時が売却検討ポイントです。


売却を考える場面としては:

  • 3期連続で業績が下方修正

  • PERやPBRが同業比で明らかに割高

  • SNSやニュースで過剰に話題化し、過熱感が強い時

  • 投資理由(成長期待・配当目的)が崩れた時

長期保有を前提にする場合は、決算をチェックしつつ調整局面を待つのが有効です。


Q4. 人気銘柄は割高なのでは?

人気銘柄のすべてが割高ではありませんが、半導体・テーマ株は注意が必要です。


トヨタや銀行株は業績に対して割安であることも多い一方、半導体やAI関連は期待先行でPERが高くなるケースがあります。


割高かどうかを判断するには:

  • PER(株価収益率)

  • PBR(株価純資産倍率)

  • 同業他社との比較

が有効です。


Q5. 個人投資家と機関投資家の違いは?

資金量・投資期間・情報の速さが大きく異なります

種別 特徴
個人投資家 自分の資金で投資、短期〜中期が多い、判断は柔軟
機関投資家(GPIF、銀行、ファンド等) 巨額資金を運用、長期保有が中心、情報や分析力が強い

人気銘柄の多くは機関投資家も大量に保有しており、その安定した資金が株価を支える要因にもなっています。


結論

個人投資家向けの人気銘柄は、成長性があり事業内容が分かりやすい企業が多いため、初心者でも投資判断がしやすいのが特徴です。


ただし、人気銘柄=必ず上がる銘柄ではないため、過熱感や割高水準には注意が必要です。


最後に、株価データ(指標)と企業分析(事業・決算)をバランスよく確認し、根拠を持って投資判断を行うことが重要です。


免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。