公開日: 2026-02-07
株式市場は、金利動向の変化や世界情勢の不安定化により先行きが読みにくい状況が続いています。こうした環境では、成長期待で買われやすい成長株は値動きが大きくなり、リスクも高まりがちです。そのため、景気変動の影響を受けにくく、安定した収益が見込める日本ディフェンシブ株が注目されています。おすすめの日本ディフェンシブ株は、相場が不安定な局面でも資産価値を守る「守りの投資」として、ポートフォリオの安定化に重要な役割を果たします。
ディフェンシブ株とは?(日本株視点)

ディフェンシブ株とは、景気の良し悪しにかかわらず需要が安定している商品・サービスを提供する企業の株式を指します。生活に欠かせない分野を中心としているため、景気後退局面でも売上や利益が大きく落ち込みにくく、株価の変動も比較的穏やかな傾向があります。
日本株市場においては、以下の業種が代表的なディフェンシブセクターとされています。
食品
食品は日常生活に不可欠であり、景気に左右されにくい需要があります。ブランド力や価格転嫁力を持つ企業は、安定した収益を維持しやすい点が特徴です。
電力・ガス
インフラ関連は公共性が高く、個人・企業ともに利用が継続されます。収益の安定性が高い一方で、燃料価格や規制の影響を受けやすい点には注意が必要です。
医薬品
医療需要は景気変動の影響を受けにくく、高齢化が進む日本では中長期的な需要も見込まれます。新薬開発や特許の有無が企業価値を左右します。
通信
スマートフォンやインターネット通信は生活インフラの一部となっており、定額制による安定収益が特徴です。配当を重視する投資家からも人気があります。
日用品
トイレットペーパーや洗剤などの生活必需品を扱う企業は、消費が大きく落ち込みにくく、不況時でも比較的安定した業績を維持します。
一方で、景気敏感株は、景気拡大期には大きな成長が期待できるものの、不況時には業績や株価が大きく下落しやすい特徴があります。ディフェンシブ株はこの逆で、大きな値上がりは期待しにくいものの、相場が不安定な局面で資産を守る役割を果たします。
そのため、日本ディフェンシブ株は、長期投資やリスク分散を重視する投資戦略において重要な存在といえます。
日本ディフェンシブ株の主な特徴
日本ディフェンシブ株は、生活必需品やインフラ関連などを中心としており、景気の良し悪しに左右されにくい点が大きな特徴です。そのため、売上や利益が比較的安定し、継続的なキャッシュフローを確保しやすい傾向があります。
また、安定収益を背景に配当を重視する企業が多く、配当利回りが比較的高い点も投資家から評価されています。株価についても急騰・急落が起こりにくく、値動きが緩やかなため、長期保有やリスク抑制を目的とした投資に向いている銘柄が多いといえます。
おすすめの日本ディフェンシブ株【業種別】
1. 食品セクター
生活必需品として景気変動の影響を受けにくい食品株は、ディフェンシブ投資の代表格です:
キリンホールディングス(2503):飲料・食品系大手で安定した収益を持つ代表的銘柄。
日本たばこ産業(JT、2914):たばこ事業中心の収益が比較的安定。高配当株として個人投資家にも人気。
ニチレイ(2871):冷凍・加工食品の大手で生活必需品としての需要が強い。
食品セクターは、日常消費される商品が中心のため、景気後退期でも売上が比較的底堅い傾向があります。
2. 医薬品セクター
医薬品は病気・健康関連の需要が景気に左右されにくい分野です:
武田薬品工業(4502):日本を代表する製薬大手。高配当利回りと安定したキャッシュフローが魅力。
アステラス製薬(4503):国内外で医薬品開発・販売を展開し、ニッチ領域も強み。
扶桑薬品工業(4538):病院向け医薬品に特化し、景気変動の影響を受けにくい。
医薬品株は研究開発リスクなどもありますが、長期的な需要基盤が強いのが特徴です。
3. 通信セクター
通信インフラは日常生活に不可欠で、安定した収益が期待されます:
日本電信電話(NTT、9432):固定回線・モバイル通信事業を持ち、安定したキャッシュフローと配当が評価される。
KDDI(9433):国内大手通信キャリアとしてインフラ需要が強く、堅調な収益基盤。
ソフトバンク(9434):通信を柱に多角的な事業を展開し、配当面の魅力もある。
通信株は配当が比較的高く、ライフラインとしての需要が下支えになりやすいです。
4. 電力・ガスセクター
電力・ガスといったインフラ事業は景気に左右されにくく、社会基盤として需要が持続します:
関西電力(9503):大手電力会社として比較的安定した収益基盤を持つ。
中部電力(9502):地域インフラを担う電力会社。景気変動の影響が大きく出にくい。
東京ガス(9531)/静岡ガス(9543):都市ガス事業で安定した需要。
Jパワー(9513):発電事業を展開し、インフラ需要に応える。
電力・ガス株は公共性が高く、生活基盤を支える事業であるため、景気の影響を受けにくい点が評価されます。

ディフェンシブ株の選び方(投資判断の軸)
ディフェンシブ株を選ぶ際は、株価の一時的な動きよりも、企業の安定性と持続性に注目することが重要です。まず確認したいのが、売上や利益の安定性です。景気後退局面でも業績が大きく落ち込んでいないか、過去数年の業績推移を確認することで、事業の底堅さを判断できます。
次に重視したいのが、配当利回りと配当性向です。ディフェンシブ株はインカムゲインを目的とする投資家も多いため、安定して配当を出し続けているかが重要なポイントとなります。配当利回りが高くても、配当性向が過度に高い場合は将来の減配リスクがあるため、バランスを見る必要があります。
また、財務健全性も欠かせません。自己資本比率が高く、負債水準が適切な企業は、景気悪化や金利上昇局面でも経営が安定しやすい傾向があります。特にディフェンシブ株では、無理な成長投資よりも堅実な財務運営が評価されます。
さらに、市場シェアや競争優位性も重要な判断材料です。業界内で高いシェアを持つ企業や、ブランド力・インフラ・規制による参入障壁がある企業は、価格競争に巻き込まれにくく、安定収益を維持しやすい特徴があります。
最後に、その銘柄が長期保有に向いているかどうかを考えることが大切です。事業内容が分かりやすく、将来にわたって需要が見込めるか、自身の投資目的(配当重視・資産防衛など)に合っているかを確認することで、ディフェンシブ株をより効果的にポートフォリオへ組み入れることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ディフェンシブ株とは何ですか?
ディフェンシブ株とは、景気の良し悪しに関係なく安定した需要が見込める企業の株式を指します。食品、医薬品、通信、電力・ガスなどの生活インフラ関連が代表的で、不況時でも業績や株価が比較的安定しやすい特徴があります。
Q2. 日本ディフェンシブ株は本当に不況に強いのですか?
完全に下落しないわけではありませんが、景気後退局面でも需要が急減しにくいため、景気敏感株と比べると値下がり幅が小さい傾向があります。相場が不安定な時期のリスク抑制に役立ちます。
Q3. ディフェンシブ株は儲かりにくいですか?
短期間で大きな値上がりを狙う投資には向きませんが、安定配当や長期的な資産保全を目的とする投資には適しています。値上がり益よりも、配当と安定性を重視するのが基本です。
Q4. ディフェンシブ株は初心者にも向いていますか?
はい。事業内容が分かりやすく、値動きが比較的穏やかなため、株式投資初心者にも向いています。長期保有を前提に、少額から分散投資するのがおすすめです。
Q5. 高配当株とディフェンシブ株は同じですか?
必ずしも同じではありません。ディフェンシブ株の中には高配当銘柄が多いですが、高配当でも業績が不安定な企業はディフェンシブとは言えない場合があります。安定収益が伴っているかが重要です。
Q6. ディフェンシブ株にもリスクはありますか?
あります。金利上昇局面では相対的に評価が下がりやすく、電力・通信などは規制変更や政策の影響を受けるリスクもあります。また、成長性が限定的な点もデメリットです。
Q7. どのくらいの割合でポートフォリオに組み入れるべきですか?
投資スタイルによりますが、安定性を重視する場合は全体の30〜50%程度をディフェンシブ株に充てるケースが一般的です。成長株と組み合わせることで、リスクとリターンのバランスが取りやすくなります。
Q8. 日本ディフェンシブ株を買うタイミングはいつが良いですか?
相場が不安定な局面や、景気減速が意識され始めた時期に注目されやすい傾向があります。ただし、長期保有を前提とする場合は、高値掴みを避けつつ分散して購入する方法が有効です。
結論|日本ディフェンシブ株をどう活用するか
おすすめの日本ディフェンシブ株は、成長株と組み合わせて保有することで、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる役割を果たします。相場環境が不安定な局面では比重を高め、相場が回復基調にある場合は成長株とバランスを取るなど、市場環境に応じた柔軟な組み入れが重要です。短期的な値上がりを狙うよりも、長期視点で資産を守りながら安定したリターンを積み上げる投資として活用するのが、日本ディフェンシブ株の基本的な考え方といえます。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。