公開日: 2026-09-01
更新日: 2026-09-01
2026年9月に入り、日銀利上げ予想が一段と強まっています。市場では9月の金融政策決定会合で政策金利が1.00%から1.25%へ引き上げられるとの見方が広がるなか、ベッセント米財務長官も日本政府と日銀による「円高につながる措置」に期待を示しました。ドル円が160円近辺で推移し、日本の長期金利も上昇するなか、日銀の追加利上げが円相場や日本株に与える影響が注目されています。

2026年9月1日時点で、日銀利上げ予想が一段と強まっています。市場では、9月17~18日に開催される金融政策決定会合で、政策金利を現在の1.00%から1.25%へ0.25%引き上げるとの見方が広がっています。日銀の公式サイトでも、次回会合は9月17~18日と確認できます。
利上げ観測を後押ししているのが、円安による物価上昇圧力と日本企業の底堅い投資です。9月1日に発表された2026年4~6月期の法人企業統計では、企業の設備投資が前年同期比1.6%増となり、前期の0.05%増から伸びが加速しました。企業の経常利益も過去最高水準となっており、日本経済が追加利上げに耐えられるとの見方につながっています。
また、円安が続くなかで輸入物価への警戒も強まっています。ドル円は9月1日時点で159円台後半と160円近辺にあり、7月末の日米協調介入後も円安圧力が残っています。市場では9月の利上げ確率が約73%まで織り込まれています。
さらに、日本の10年国債利回りは9月1日に一時3.00%まで上昇し、約30年ぶりの水準となりました。金利上昇そのものが市場の金融引き締め観測を反映しているほか、財政政策やインフレへの警戒も長期金利を押し上げています。
一方、利上げ=すぐに大幅な円高とは限りません。米10年債利回りも4.78%前後まで上昇しており、日米金利差は依然として大きいためです。市場では、9月に1回利上げするだけでは円高を持続させるのは難しく、今後も追加利上げを続ける姿勢を日銀が示す必要があるとの見方も出ています。
| 項目 | 2026年9月1日時点 |
| 日銀政策金利 | 1.00% |
| 9月利上げ予想 | 1.25% |
| 9月利上げ織り込み | 約73% |
| 次回日銀会合 | 9月17~18日 |
| ドル円 | 159円台後半 |
| 日本10年国債利回り | 一時3.00% |
| 米10年国債利回り | 約4.78% |
| 企業設備投資(4~6月期) | 前年比+1.6% |
つまり現在の日銀利上げ予想は、単なる円安対策だけでなく、物価上昇・企業投資・長期金利上昇・米国からの政策圧力が重なって強まっている状況です。今後は9月会合で実際に利上げするかに加え、植田総裁が追加利上げにどの程度前向きな姿勢を示すかが、円高の持続性を判断する重要なポイントになります。
スコット・ベッセント米財務長官は8月31日、G20財務相・中央銀行総裁会議に関連したインタビューで、「日本政府と日銀は円高につながる措置を講じる」と確信していると発言しました。さらに「市場が持っていない情報を持っている」と述べたことで、市場では日銀の追加利上げや円安是正策を示唆した発言として注目されています。
特に注目されるのは、ベッセント氏が利上げについて問われた際に、市場がすでに日銀の利上げを織り込んでいるとの認識を示したことです。これにより、9月の日銀金融政策決定会合で政策金利が現在の1.00%から1.25%へ引き上げられるとの予想がさらに意識されるようになりました。ロイターによると、9月利上げの市場織り込みは約73%に達しています。
また、発言を受けてドル円は一時159.61円付近まで下落し、円買いが強まりました。一方で、ベッセント氏はその後、最近の円の値動きについて「かなり抑制されており、無秩序ではない」との見方も示しており、直ちに追加の為替介入を求めているわけではない点には注意が必要です。
さらに9月1日には、ベッセント氏と片山財務相が会談し、円相場の「秩序ある動き」が世界の金融市場の安定に重要との認識を共有しました。日本側も必要に応じて対応する姿勢を示しており、今後は日銀の利上げだけでなく、日米財務当局による為替協調が円相場を左右する可能性があります。
日銀利上げが円高要因とされる最大の理由は、日米の金利差が縮小するためです。現在、日銀の政策金利は1.00%で、9月会合では1.25%への引き上げが市場で強く意識されています。一方、米10年国債利回りは9月1日に4.78%まで上昇しており、米国の金利も高い状態です。
基本的な流れは次の通りです。
日銀が利上げ
↓
日本の金利が上昇
↓
日米金利差が縮小
↓
円を売ってドルを買う動きが弱まる
↓
円高・ドル円下落につながりやすくなる
日本の金利が上昇すると、これまで低金利の円を調達して高金利のドルなどに投資していた円キャリートレードの魅力が低下します。その結果、円を買い戻す動きが発生し、円高圧力につながる可能性があります。実際、2026年に入って日米金利差が縮小していることは、円相場を考えるうえで重要な材料となっています。
ただし、「日銀が利上げすれば必ず円高になる」とは限りません。 9月1日には日本の10年国債利回りが約30年ぶりに3%へ上昇する一方、米10年債利回りも4.78%まで上昇しています。そのため、日本が0.25%利上げしても米国金利が同時に上昇すれば、日米金利差は十分に縮小しない可能性があります。
また、現在のドル円は160円近辺で推移しており、日銀の利上げ観測が強まっているにもかかわらず、円高の進行は限定的です。市場では9月利上げの確率が73%まで織り込まれていますが、持続的な円高には、日銀が追加利上げを続ける姿勢を示すことや、米国金利が低下することなども重要とみられています。
さらに今回は、ベッセント米財務長官が日本政府と日銀による「円高につながる措置」への期待を示しており、日銀利上げだけでなく、為替政策や日米当局の協調も円相場の重要な材料になっています。9月1日には日米両国が「秩序ある円相場」が金融市場の安定に重要との認識も共有しました。
2026年9月1日のドル円は、159円台後半を中心に方向感の乏しい展開となっています。前日のニューヨーク市場では、原油高や米長期金利の上昇を背景に一時159.90円前後までドル高・円安が進みましたが、ベッセント米財務長官の「日本政府・日銀は円高につながる措置を講じる」との発言を受け、159.60円付近まで反落しました。最終的に159.74円で取引を終えています。
9月1日の東京市場も大きな動きはなく、午前10時時点で159.79円。一時159.64円まで円高に振れたものの、日本の長期金利上昇や財政拡大への警戒から円売りも入り、159円台後半でのもみ合いとなっています。
一方、円高材料だけでなく円安材料も残っています。中東情勢を背景とした原油高は日本の輸入コストを押し上げるとの見方から円売りにつながりやすく、米10年債利回りも前日のニューヨーク市場で4.75%まで上昇しました。こうした要因が、日銀の追加利上げ観測による円買いを抑えています。
円安が再び進み、ドル円が160円近辺まで上昇していることから、追加の為替介入に対する警戒感が高まっています。実際、8月31日の海外市場ではベッセント米財務長官の発言を受け、ドル円は一時159.60円付近まで下落しました。9月1日の東京市場でも159円台後半で推移し、介入警戒がドル円の上値を抑える要因となっています。
一方、ベッセント氏は最近の円相場について、「かなり抑制されており、無秩序ではない」との認識を示しています。そのため、現時点で米国が直ちに追加の協調介入を求めているとは考えにくく、今後は為替水準だけでなく、急激な変動や市場の混乱が介入判断の重要なポイントになりそうです。
9月1日には片山財務相とベッセント氏が会談し、「秩序ある円相場」が金融市場の安定に重要との認識を共有しました。片山財務相は必要な場合には対応する姿勢を示す一方、金融政策の具体的な手段は日銀に委ねられると説明しています。
また、7月末に実施された日米協調介入後もドル円は再び160円近辺まで戻っており、為替介入だけで円高を長期間維持することの難しさも意識されています。市場では、追加介入よりも、日銀の利上げによる金利差縮小と政府による円安対策を組み合わせることが重要との見方が強まっています。
| 資産 | 日銀利上げ時の一般的な反応 |
| 円 | 円高要因 |
| ドル円 | 下落要因 |
| 日本株 | 金利上昇による下押しリスク |
| 銀行株 | 金利上昇が追い風になりやすい |
| JGB | 債券価格に下落圧力 |
| 金 | 円高なら国内価格に下押し圧力 |
ドル円は現在160円近辺で推移しており、円安が続いています。円安による輸入コスト上昇が物価を押し上げる可能性があるため、日銀にとって追加利上げを検討する材料になっています。市場では9月利上げ確率が約73%まで高まっています。
日本では物価上昇圧力が続いており、8月の東京都区部コアCPIは前年同月比1.8%上昇しました。また、4~6月期の企業設備投資も前年同期比1.6%増となり、企業活動の底堅さが確認されています。こうした物価・景気動向が、日銀の追加利上げを後押しする材料となっています。
米国ではインフレ懸念や原油高を背景に、米10年国債利回りが4.78%まで上昇しています。FRBの今後の政策次第で日米金利差が変化するため、日銀が利上げしても米金利が高止まりすれば円高が進みにくい可能性があります。
9月上旬は、米雇用統計をはじめとする米国の経済指標が焦点です。米国の雇用やインフレ関連データが強ければ、FRBの金融政策や米金利を通じてドル高・円安が進む可能性があります。
現在は日銀の9月利上げ観測が強まる一方、米国側の金融政策もドル円を左右するため、日米金利差の方向性を確認する重要な時期となります。
最大の焦点は、9月17~18日に開催される日銀金融政策決定会合です。日銀公式日程でも、この2日間の開催が予定されています。
市場では9月の利上げ確率が約73%まで高まっており、政策金利を現在の1.00%から1.25%へ引き上げる可能性が意識されています。
日銀利上げ予想が強まっている主な理由は、円安による輸入物価上昇、国内のインフレ圧力、そして長期金利の上昇です。2026年9月1日時点では、市場は9月の日銀会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げる可能性を強く意識しています。10年国債利回りも一時3%まで上昇し、金融市場では追加利上げへの警戒感が高まっています。
日銀の利上げは一般的に円高要因になります。日本の金利が上昇すると、円を借りて海外資産へ投資する「円キャリートレード」の魅力が低下し、円買いにつながる可能性があります。
ただし、円相場は日銀だけで決まるわけではありません。米国金利が高止まりすれば日米金利差は大きく残るため、利上げ後も円高が限定的になる可能性があります。
ベッセント米財務長官は、日本政府と日銀が円高につながる措置を取ることへの期待を示しました。この発言は、市場で日銀の追加利上げや円安是正策への注目を高める材料となっています。
ただし、現在の円相場は金融政策だけでなく、米国の金利や原油価格、世界的なインフレ動向にも左右されるため、発言だけで大幅な円高が進むとは限りません。
可能性は残っています。市場では9月利上げ期待が高まっていますが、日銀は賃金上昇の持続性や景気への影響を慎重に判断するとみられます。
特に、金利上昇は住宅ローンや企業の借入コスト増加につながるため、植田日銀総裁が経済への影響をどのように評価するかが重要です。
日銀利上げ予想は、円安や物価上昇に加え、ベッセント米財務長官の発言によってさらに強まっています。市場では9月会合での利上げ確率が約73%まで上昇し、ドル円も160円近辺で推移しています。
今後は、日銀の利上げだけでなく、米国の金融政策や円相場、日米財務当局の発言にも注目が必要です。特に9月17~18日の日銀会合を前に、重要指標の結果次第で為替が大きく動く可能性があります。投資判断では、経済カレンダーを活用して日米の重要経済指標や金融政策の発表予定を確認するとよいでしょう。