RTXの株価最新動向を解説:2026年2月時点でのトレンドと今後の展望
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RTXの株価最新動向を解説:2026年2月時点でのトレンドと今後の展望

著者: 高橋健司

公開日: 2026-02-12

RTX(旧Raytheon Technologies)は、航空宇宙・防衛分野を代表する米国の大手企業で、軍事装備から航空機部品まで幅広い事業を展開しています。主力部門は、航空機システムを扱うCollins Aerospace、航空機エンジンを製造するPratt & Whitney、防衛装備を担当するRaytheonの3つで構成されています。


RTXの株価が注目される理由は、防衛予算の拡大や民間航空需要の回復、さらに世界的な地政学リスクの高まりなど、業績に直結する外部要因が多いためです。これらの要素が重なることで、RTX株は市場全体の動向だけでなく国際情勢の影響も受けやすい銘柄となっています。


RTXの株価最新パフォーマンス(2026年2月時点)

年初来のRTX株価

1. 直近の株価推移

直近の米国株式市場では、RTX(NYSE: RTX)株は上昇基調を維持しています。


たとえば、2026年2月11日の取引では 株価が前日比 +0.68% 程度上昇し約196ドル台となっており、同業他社では波乱含みの動きがみられる中でも堅調な推移です。


ただし日によっては出来高がやや低めで、セクターや市場全体の強弱に影響を受ける局面も見られます。


2. 過去1年間の株価トレンド

RTX株はここ1年で大きく上昇した銘柄の1つです。2025年末〜2026年初頭にかけては以下のような節目を迎えています:


  • 2026年1月末、株価は史上最高値(約203.31ドル)を突破。この高値更新は、年間で60%超の上昇率を記録する力強いパフォーマンスを示しています。

  • 2025年12月にも186.83ドルの高値を付けるなど、継続的な上昇トレンドが確認されています。


こうした高値更新の背景には、業績の好調さや軍事・航空需要の拡大期待が反映されています。


3. 52週高値・安値との比較

直近(2026年2月時点)の株価水準は、52週での高値付近に位置しています。


実際、株価は約203ドル前後の高値圏近辺で推移しており、安値との乖離は大きく、上昇基調が続いています。


一方、年初や安値圏で仮に押し目が入った場合でも、今回の高値圏からの調整が限定的であることから、長期的な上昇トレンドは継続していると見られます。


RTXの最新決算(2025年第4四半期・通期)

1. 2025年第4四半期の業績概要

  • RTXは 2026年1月27日に2025年通期および第4四半期業績を発表しました。

  • 第4四半期の 売上高は約242億ドル とアナリスト予想(約227億ドル)を上回りました。

  • 調整後1株当たり利益(EPS)は1.55ドル と予想(1.47ドル)を上回る着地で、利益面でも予想超過となっています。

  • この好決算を受けて、発表後の株価は前場で 約3.55%上昇 しました。


要点

  • 売上・EPSの両面で予想を上回る業績は、投資家の信頼感向上につながっています。

  • 受注残高(バックログ)は依然高水準で、将来の売上基盤が強固であることも業績に寄与しています。


2. 2025通期の実績

通期の業績

  • 2025年度の 総売上高は約886億ドルと前年から約10%増加し、堅調な成長を示しました。

  • 通期の調整後EPSは6.29ドルで前年から約10%増加。利益面でも成長が続いています。

  • フリーキャッシュフローは約79億ドルと前年度から大幅に増加し、資金余力が強化されています。

  • また、商用航空・防衛を合わせた受注残高(バックログ)は約2680億ドルと過去最高水準で、今後数年の収益見通しを支える大きな要素になっています。


要点

  • 売上・利益・キャッシュフローともに前年から成長し、業績の安定性が高まっていることが確認できます。

  • 受注残の厚さは、将来の業績を支える「見える化された需要」として評価されやすい材料です。


3. 2026年の見通し

RTXは2026年に向けて 売上・EPS・フリーキャッシュフローすべての拡大を見込んでいます:

  • 2026年度の 売上高予想は920億~930億ドル と、2025年比で成長を見込むレンジ。

  • 調整後EPSは6.60~6.80ドル と引き続き利益成長が予想されています。

  • フリーキャッシュフローも約82.5億~87.5億ドル と引き上げ予想です。


見通しのポイント

  • 商用航空需要の回復基調と防衛需要の堅調さが同社成長のドライバーと評価されています。

  • 同時に生産能力拡大や受注の履行が業績成長に直結すると見られています。


4. 配当・経営指標(ファンダメンタル面)

  • RTXは配当を支払い続けており、フリーキャッシュフローの増加は 配当余力・株主還元余力の拡大につながっています。

  • 株価指標では、競合と比較してみても防衛株としては P/E倍率が適正〜ややプレミアム寄り の評価がされることが多い一方、成長見通しを織り込んだ価格設定となっています。


RTXの株価動向に影響を与える外部要因

① 地政学リスクと政策的影響

近時の米国および世界の政治・安全保障環境は、RTXの株価に直接的な影響を及ぼしています。

  • 米国政府による防衛政策の影響(発言・圧力)

    2026年初頭、米国大統領がRTXを含む防衛大手に対して、武器生産の加速が見られない場合は政府契約を削減する可能性を示唆する発言を行い、市場の注目を集めました。これは政治的リスクとして株価の変動要因となっています。

  • 政府支出拡大・軍事予算の増額

    一方で2027会計年度に向けた大規模な国防予算案の提示や、それに伴う防衛関連株の上昇も報じられており、防衛セクター全体への資金流入がRTX株の強気材料になっています。

  • 短期的な政治イベントも波乱材料に

    米国政府の一時的な予算停止リスク(政府機関閉鎖)などが市場テーマとして浮上しており、防衛支出のタイミングや契約履行の先送りといった不確実性が投資家心理に影響を与えています。


RTX株は、政治・政策面のニュースがポジティブにもネガティブにも働く銘柄です。政府支出拡大の期待は強気材料として作用する一方、契約削減圧力のような政策圧力が株価ボラティリティを高めています。


② 防衛予算と大型契約の獲得

防衛関連の大型政府契約や制度の動きも、RTXの収益見通しに直結します。

  • 生産拡大の長期枠組み合意

    RTXは米国国防総省(DoD)との複数年にわたる枠組み契約を締結し、クルーズミサイルや空対空ミサイルなど主要兵器の生産能力を大幅に引き上げる計画を発表しました。これは収益基盤の拡大・将来受注の見通し強化に寄与します。

  • その他契約や技術提供契約

    民間および公共部門(FAA=米連邦航空局)向けのレーダーシステム契約など、多様な大型契約も獲得しており、防衛以外の収益ストリーム確保も進んでいます。

  • 競合他社との契約争奪戦

    同じ防衛株でも ロッキード・マーティン や他大手が巨額の防衛契約を継続的に受注しており、業界全体の受注環境が好調です(=セクター全体の追い風)。


政府関連の大型契約はRTXの売上・利益に直接結びつくため、株価にとって重要な好材料です。加えて、契約期間が中長期に及ぶ点が収益の「見える化」を高め、投資家心理を支えています。


③ 産業競争環境(同業他社との比較)

防衛セクター内での競争環境も株価形成に影響します。

  • 同業他社の業績動向

    RTXの主要競合である ロッキード・マーティン(LMT) も好決算を発表しており、受注残高が過去最高を更新しています。こうした業績競争は、投資家の防衛株全般に対する評価に影響します。

  • セクター全体の評価トレンド

    地政学リスクの高まりによって防衛関連全体が投資家の注目を集めるトレンドが継続しています。その中で、各社のバックログ(受注残高)や契約規模の違いが評価格差の材料になります。

  • 技術・製品の競争力

    競合各社が先進技術(ミサイル、防衛システム、エンジン技術など)でしのぎを削る中、技術的優位性や製品ミックスの違いは投資家評価に影響を与えます。


競合企業の好調さや受注拡大は、RTX株にとって業界全体の追い風である一方、他社とのパフォーマンス比較が相対評価リスクとして働く側面もあります。


アナリスト評価と目標株価の動き(2026年最新)

1.アナリストの目標株価レンジ

2026年1〜2月時点で複数の証券会社がRTX(RTX Corp.)の目標株価を更新しており、概ね 200ドル台後半〜230ドル前後に分布しています。

  • ジェフリーズ(Jefferies):「保有(Hold)」評価を継続しつつ 目標株価を225ドル と据え置きました。これは現在の株価水準とのバランスを見た評価で、適正価値推定に照らすと「割高感」を指摘する見方も含まれています。

  • RBCキャピタル:「アウトパフォーム(Outperform)」評価を維持し、目標株価を220ドルから230ドルに引き上げました。第4四半期の好決算を踏まえ、今後の防衛需要や民間航空売上の強さを反映した積極的な評価です。

  • TD Cowen:業績改善を評価し、目標株価を210ドル→225ドルに引き上げ。「買い(Buy)」評価を維持しています。

  • BofAセキュリティーズ:「強気(Buy)」評価のもと、目標株価を215ドル→230ドルに引き上げています。これは約15%の上昇余地を示唆するレンジです。

  • モルガン・スタンレー:成長見通しを背景に目標株価を215ドル→235ドルに引き上げ、「オーバーウェイト(Overweight)」評価を継続しています。

  • UBS:堅調な需要を根拠に 199ドル→208ドル に目標株価を上方修正し、「中立(Neutral)」評価 を継続。

  • バーンスタイン(Bernstein):レイセオン部門の好調を理由に 189ドル→204ドル に引き上げ しました。


要点:アナリストの目標株価レンジは概ね 208〜235ドル と幅を持っています。モルガン・スタンレーなど一部強気の見方は235ドル前後まで引き上げている一方で、中立的評価の目標は208〜225ドル程度にとどまっています。


2.投資判断の分布(買い / ホールド / 売り)

最新のカバレッジ状況(証券会社の評価分布)を見ると、RTX株に対する見方は 買い寄りの強気寄与 が優勢です。

  • Strong Buy / Buy(強気・買い):複数の証券会社が「買い」「アウトパフォーム」評価を付与しており、業績と見通しの強さを評価して目標株価を引き上げています。

  • Hold(ホールド):ジェフリーズのように「保有」評価で据え置きという見方もありますが、極端な売り評価は少数です。

  • Sell(売り):直近の主要証券会社のレーティングでは「売り」評価は見当たらず、全般としてポジティブな評価が多い状況です。(※ ただし一部の分析者が中立評価を付与している場合があります)


Barchartの集計データでは、

  1. 「Strong Buy」「Moderate Buy」などの強気評価が合計で多く、

  2. 「Hold」評価も一定数存在し、

  3. 「Sell」はほとんど見られません。


このため、アナリスト全体のコンセンサスは「やや強気〜中立寄り」と解釈できます。


投資家視点のリスクとチャンス

強気要因(チャンス)

① 過去最高水準の受注残高(バックログ)

RTXは過去最大の受注残高(約2680億ドル)を抱えており、これが将来の売上の確度を高めています。商用・防衛ともに注文が積み上がっており、中長期的な収益基盤が強固です。


  • 防衛部門の受注は各国政府のミサイル・防空関連需要に支えられており、契約の多くが複数年契約であることが収益の予見性を高めます。

  • 商用航空ではエンジンやアフターマーケットの需要も高く、航空機需要回復と連動した成長機会が続いています。


投資観点:受注残高の多さは収益の予見性を高め、景気後退期でも比較的安定した売上が期待できるため、長期保有に向いた材料といえます。


② 防衛予算・政府契約の追い風

世界的な地政学リスクの高まりにより、米国やNATO諸国などで防衛予算が増額傾向にあります。例として、提案されている2027年度の米国国防予算は巨額で、ミサイル防衛やレーダーシステムなどの需要を喚起しています。


  • 主要防衛契約の獲得は売上拡大につながりやすく、業績成長のドライバーです。

  • 特にRaytheon部門はミサイル防衛・軍事用レーダー技術で強いポジションを持ち、政府契約が収益の主軸になっています。


投資観点:防衛支出が増える環境では、防衛株全般が恩恵を受けるため、RTXもポジティブな恩恵を享受します。


③ 商用航空需要の回復

グローバルの航空旅客需要はパンデミック前水準に近づいており、航空機メーカーや航空会社の新造機およびアフターマーケット需要が拡大中です。これがCollins Aerospaceや付随するサービス需要を押し上げています。


投資観点:防衛に偏らない事業ポートフォリオは、景気循環の影響を和らげ、業績の安定化につながります。


注意点(リスク)

① 高めの評価(Valuation)

RTXは時として株価指標(P/E比率)がやや高めに評価されるケースがあると指摘されています。例えば、P/Eが30倍前後といった高水準で取引される局面があり、これが株価の伸び余地を制約する可能性があります。


  • 長期成長を期待する投資家にとっては、割高評価の局面で買うとリスクが高まります。

  • 割高水準では、短期的な調整リスクが大きくなることもあります。


投資観点:Valuationの観点からは、割高感が収益成長ペースに見合うかを慎重に見極める必要があります。


② サプライチェーンや運用面のリスク

航空宇宙・防衛産業共通のリスクとして、サプライチェーンの脆弱性や部品調達の遅延が挙げられます。特に専門部品や合金素材の供給は時間がかかるため、生産スケジュールに影響を与えかねません。


  • 原材料・部品の調達難やインフレ圧力が利益率を圧迫する可能性があります。


投資観点:こうした運用リスクは業績やキャッシュフローに影響する可能性があるため、注視が必要です。


③ 政策・規制リスク

米国防総省が防衛企業の株主還元(配当・自社株買い)を制限する可能性があるというニュースがあります。これは契約のパフォーマンスに関連しており、株価や株主還元政策に影響を与えるリスク要因です。


投資観点:規制や政策変更は株主還元面でネガティブな影響を及ぼす可能性があり、投資判断時に考慮する材料です。


よくある質問(FAQ)

Q1. RTX株は今買い時ですか?

RTX株は業績や受注残の強さから長期的には成長期待がある銘柄とされています。ただし株価は高値圏に近く、短期的には調整の可能性もあるため、長期投資なら分割購入、短期なら押し目待ちが一般的な戦略です。


Q2. RTXの株価が上昇している主な理由は?

主な要因は次の3つです。

  • 防衛予算拡大による受注増

  • 商用航空需要の回復

  • 決算で売上・利益が市場予想を上回ったこと


これらが組み合わさり、投資家の期待が高まっています。


Q3. RTX株のリスクは何ですか?

代表的なリスクは以下です。

  • 株価評価がやや高め(バリュエーションリスク)

  • 政策・政府契約依存度の高さ

  • サプライチェーン問題


特に防衛企業は政府予算に左右されやすいため、政策ニュースには注意が必要です。


Q4. RTXは配当株として魅力的ですか?

RTXは安定したキャッシュフローを背景に配当を継続しているため、成長株+配当株の中間タイプといえます。高配当株ではありませんが、増配余地を評価する投資家もいます。


Q5. RTX株の将来性は?

長期的には以下の理由から将来性は比較的高いと評価されています。

  • 世界的な軍事需要の構造的増加

  • 航空産業の回復トレンド

  • 巨額の受注残による収益見通しの可視性


ただしRTXの株価はすでに期待を織り込みつつあるため、成長の実現スピードが今後の株価を左右するポイントになります。


結論 — 投資家へのメッセージ

RTXの株価は直近で高値圏に近い水準にあり、業績成長や受注残の拡大といったファンダメンタルズの改善が評価されている一方、株価指標の面ではやや割高と見られる局面もあります。つまり、市場はすでに一定の成長期待を織り込んでいる状態です。


ポジティブ要因としては、防衛予算拡大、商用航空需要の回復、長期契約による収益安定性が挙げられます。一方で、政策変更リスクやサプライチェーン問題、株価の高評価水準は注意点です。投資判断としては、長期視点では成長余地を評価しつつ、短期では押し目や市場調整のタイミングを見極める姿勢が有効といえるでしょう。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。