アボットラボラトリーズ株価の最新動向:弱い四半期決算と新戦略が交錯する局面
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アボットラボラトリーズ株価の最新動向:弱い四半期決算と新戦略が交錯する局面

著者: 高橋健司

公開日: 2026-02-10

アボットラボラトリーズ株価は、直近の決算内容や医療機器分野に関するニュースを背景に、やや不安定な動きを見せています。特に、業績が市場予想を下回ったことや、一部事業を巡るリスク要因が投資家心理に影響を与えています。


一方で、株価水準そのものは過去数年のレンジ内にあり、短期的には調整局面、中期的には方向感を探る段階といえます。足元では反発を期待する動きも見られ、今後の業績見通しや追加材料次第でトレンドが変化する可能性があります。

アボットラボラトリーズ株価の最新動向を解説

最近の業績サマリー

1. 2025年第4四半期・通年決算の概要(米国会計基準)

アボットラボラトリーズ(ABT)は、2025年12月31日までの第4四半期決算を発表しました。これによると、第4四半期売上高は約114億6.000万ドルで、前年同期比でも売上は増加しました(約4.4%増)。同期間のGAAPベースEPSは1.01ドルで、一部項目を除く調整後EPSは1.50ドルと前年比で約12%の伸びを記録しています。通年ベースでも、売上は約443億ドル、調整後EPSは5.15ドルと前年から増加しています。これらは、同社の広範な事業ポートフォリオが依然として堅調であることを示しています。


2. 市場予想とのズレと投資家の反応

  • 売上の市場予想とのズレ

    決算発表では売上高が市場予想をやや下回ったとの指摘があります。特に栄養関連セグメント(Nutrition)の売上が予想を下回ったことが影響し、売上全体が市場コンセンサスから若干乖離したと分析されています。これは一部アナリストが見込んでいた売上レンジを下回ったためです。


  • EPSについては概ね市場予想に一致

    一方で、調整後EPSは市場予想とほぼ一致しており、利益面では投資家の期待を外さなかったという見方もあります。また通期での利益成長率は約10%と優れた伸びを示しています。


  • 株価反応

    これらの結果を受けて、決算発表直後には株価が売られる場面もあり、売上予想未達を嫌気した短期的な下落圧力が生じたとの報道もあります。特に売上見通しと実績のギャップが短期投資家心理に影響した可能性が指摘されています。


  • 今後の見通し

    会社側は2026年度においても有機的売上成長率を6.5〜7.5%、調整後EPSを5.55〜5.80ドルと予想しており、引き続き中長期の成長軌道を維持する姿勢を示しています。これが投資判断のポイントとして注目されています。

年初来のアボット株価

アボットラボラトリーズ株価への影響要因(最新情報整理)

1. 業績関連:売上予想未達とEPS評価

アボットの2025年第4四半期決算では、EPS(1株当たり利益)はアナリスト予想と一致しましたが、売上高が予想を下回ったことが株価にネガティブに作用しました。売上の市場予想11.8 Bドルに対して実績は11.46 Bドルとミスしたため、決算発表後の時間外取引で株価が大きく下落する局面がありました。この売上未達は特に栄養関連や診断事業での成長鈍化が響いたと分析されています。


一方で、EPS自体は予想通りであり、利益面では市場のコンセンサスを満たしました。このため、長期投資家の一部には売られ過ぎとして反発機会と捉える見方も出ています。実際、株価下落後に割安と評価するアナリスト・投資家も存在します。


さらに、アナリストの株価目標修正でも売上ミスを反映した動きが出ており、Jefferiesは目標株価を149ドル→145ドルへと引き下げました。ただし、依然として買い評価を維持している点は評価材料です。


2. 戦略的イベント:Exact Sciences買収

アボットは約210〜230億ドル規模のExact Sciences買収を発表しており、これは会社にとって大型M&Aイベントとして注目されています。Exact Sciencesはがん診断分野(特にコロガードなどのがんスクリーニング検査)を手がける企業であり、今回の買収によりアボットは診断事業の成長ポテンシャルを強化する狙いです。


市場ではこの戦略的買収に対して評価が分かれており、株価上昇につながるポジティブ評価もあります。例えば、UBSがアボット株に対して買い評価を再確認し、Exact Sciences買収が診断事業を300bp押し上げる可能性を指摘するなど、成長機会として評価するアナリストも存在します。


一方、買収プレミアムや統合リスクを懸念する声もあり、株価のボラティリティを高める要因となっています。そのため、短期的には買収関連ニュースで投機的な動きが出やすい点も注意が必要です。


また、買収は規制当局の審査対象にもなっており、例えばオーストラリア競争当局が取引をレビューする必要があると発表されているため、完了時期には不確実性が残ります。


3. リスク要因:FDAリコールと業界・競合

アボットは最近、連続血糖測定センサー(FreeStyle Libre 3/3 Plus)に関して重大なリコール問題に直面しています。米国FDAは、誤った血糖値を示す可能性があるとして、すでに大量の重篤な副作用報告を受け、最も深刻度の高いClass Iリコールに分類されました。このリコール件数は多数に上り、株価心理に大きなリスク要因として作用しています。


こうしたリコール対応の長期的なコストやブランドへの影響は、投資家の評価にネガティブな影響を与える可能性があります。特に同社のCGM事業は主要な成長ドライバーの一つであり、このカテゴリーでの品質問題は競合(例:Dexcom)とのシェア競争においてマイナス材料になり得ます。


さらに、医療機器・診断市場では競争が激しく、価格競争・技術革新のペース次第でシェアに影響が出る可能性も常にあります。こうした構造的リスクは、アボット株の評価で重要な位置を占めています。


ナリスト評価と投資家センチメント(最新)

1. 価格目標(Price Target)の修正一覧

直近のアナリストレポートでは、多くの証券会社がABT株の価格目標を引き下げています。これは主に2025年第4四半期の 売上が市場予想に届かなかったこと を受けた調整です。


主な価格目標修正

  • Barclays:$169 → $142(Overweight維持)

  • Jefferies:$149 → $145(Buy評価)

  • Oppenheimer:$140 → $132(Outperform評価)

  • BTIG Research:$145 → $140(Buy評価)

  • Piper Sandler:$150 → $135(Overweight評価)

  • Royal Bank of Canada:$147 → $135(Outperform評価)

  • Argus:$150 → $140(評価継続)

  • Sanford C. Bernstein:$154 → $125(Outperform評価)

  • Leerink Partners:$136 → $119(Market Perform評価)

  • Daiwa Capital Markets:$136 → $113(Outperform評価)


こうした多くの目標修正は、売上の弱さや一部事業セグメントの鈍化を反映したもので、価格予想の中央値はおおよそ $135〜$145 前後に調整されています。


それでも、大半のアナリストは買い評価(Buy / Outperform)を継続しており、Consensus(平均)としては Moderate Buy(中程度の買い推奨) の立場が保たれています。


2. 強気 vs 弱気の見解整理

強気(Bullish)サイド

  • 一部の証券会社(例:Barclays)は 「Overweight」評価を維持し、将来的な株価成長余地を評価しています。


  • AbbottがMedTechや診断事業を中核に持つ高成長ポートフォリオである点を評価するアナリストも多く、EPS成長やデバイス販売の拡大を強気材料としています。


  • 中長期では アナリスト評価モデルで$150程度までの上昇余地を示す予想もあり、成長株としての評価が根強いです。


弱気(Bearish)サイド

  • 多くのアナリストが価格目標を引き下げているように、短期的な売上未達やガイダンスの弱さを懸念する声があります。


  • Evercore ISIやPiper Sandlerなどは売上ミスや市場環境を理由に若干弱気(やや慎重)な評価となっています。


  • 調査では、特定のリスク(例:規制・診断事業の変動、インドでの規制リスクなど)が株価変動の要因となっているとの指摘も強まっています。


今後の注目ポイント

① 次期決算予想と今後の着目点

アボット社は2026年度の業績見通しを公表しており、「2026年度も売上・EPSの成長を継続する計画」を示しています。


具体的には、2025年度通期決算では売上が約443億ドル、調整後EPSが約5.15ドルと10%近い成長を達成し、2026年度の売上成長率を6.5~7.5%、調整後EPSを5.55~5.80ドルとガイダンスしていることが公式リリースに記載されています。これは前年に続く安定成長の見通しを示すものです。


次期決算で注目されるポイント

  • 売上成長率がガイダンス通り達成できるか

  • 消費者向け部門および医療機器部門の収益率

  • Exact Sciences買収後の利益寄与(統合効果)

  • 栄養・医療機器の個別セグメント動向


また、アナリスト予想では第4四半期のEPS予想や売上予想についてコンセンサスが出ており、収益成長とガイダンスの妥当性が評価の焦点になっています。


② リコール・法規制関連の最新アップデート

FreeStyle Libre 3/3 Plus センサーのリコール状況

アボットが展開する血糖値モニタリング機器(FreeStyle Libre 3 / 3 Plus)に関して、米国FDAが最も深刻な「Class I(クラス1)」リコールを発令しました。これは、対象製品が血糖値を誤って低く表示する恐れがあり、誤った治療判断につながる可能性があるとして注意喚起が出されたものです。近年の報告では、関連する重篤な副作用・負傷報告が800件を超えており、ユーザー安全面で引き続きリスクとして注目されています。


このリコールは単なる製造上の「修正」からスタートしましたが、正式にClass Iリコール(最も重大なリスクを伴うリコール区分)へと移行しており、FDAの監視対象となっています。FDAは積極的に報告例を受け、必要であれば更なる安全通知を行う可能性もあり、投資家Sentiment(投資家心理)への影響が続く重要なニュース要素です。


③ 規制・法制度リスクの広がり

リコールに絡むFDAの対応だけでなく、訴訟・政策動向も注目されています。


TechStock²の報道によれば、アボットは乳児用フォーミュラ(粉ミルク)関連の訴訟・政策リスクに関しても議会での法的保護策を求める動きを見せており、これは消費者安全・製造責任の観点から市場で議論されています。 この種のリスクは製品ラインの幅広さゆえに、株価評価に影響する可能性があります。


重要な法規制リスク

  • FDAによる継続的監視・安全性レビュー

  • 訴訟・政策リスク(乳児用フォーミュラ関連)

  • 医療機器安全基準・市場承認の遅延・追加条件


こうした法規制要素は、株価ボラティリティ(変動率)を高める可能性があり、投資判断にとって短期の重要ニュースとなり得ます。


よくある質問(FAQ)

Q1. アボットラボラトリーズ(ABT)はどんな会社ですか?

アボットラボラトリーズは、医療機器・診断薬・栄養製品を中心に展開する世界的なヘルスケア企業です。血糖値測定器「FreeStyle Libre」や栄養製品「Ensure」などで高い知名度があります。景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄としても知られています。


Q2. 最近アボットラボラトリーズ株価が軟調な理由は何ですか?

主な要因は以下の2点です。

  • 血糖測定センサーに関するリコールと規制対応への懸念

  • 株価が主要移動平均線を下回るテクニカル面での弱さ

業績自体は安定しているものの、短期的な不安材料が投資家心理を冷やしている状況です。


Q3. 今後アボットラボラトリーズ株価が回復するカギは何ですか?

注目点は次の3つです。

  • 次回決算での業績とガイダンスの維持

  • リコール問題の早期収束と追加コストの抑制

  • 株価が50日・200日移動平均線を回復できるか

特に、ネガティブ材料が一巡したかどうかが株価回復の分岐点になります。


Q4. 配当目的の投資先としてはどうですか?

アボットは連続増配実績を持つ配当銘柄で、長期投資家からの評価は高めです。配当利回りは高水準ではないものの、安定した増配と事業基盤を重視する投資家には適した銘柄といえます。


Q5. 短期投資と長期投資、どちら向きですか?

  • 短期投資:

    ニュースや決算に左右されやすく、値動きには注意が必要。

  • 長期投資:

    医療需要の拡大を背景に、押し目を活用した段階的投資に向く。


基本的には中長期投資向きの銘柄と考えられます。


Q6. 今は買い時ですか?

一括での判断は難しく、

  • 短期:様子見

  • 中長期:下値を確認しながら分散・段階的に検討

というスタンスが現実的です。決算と規制関連ニュースの確認が重要になります。


まとめ・投資判断視点

アボットラボラトリーズ株価は、中長期的な事業の安定性と、短期的な不透明要因が交錯する局面にあります。


業績面では、医療機器・診断・栄養の各分野で安定した収益基盤を維持しており、通期ガイダンスも堅調です。一方で、血糖測定センサーのリコール問題や規制対応への懸念が、短期的な株価の重しとなっています。


投資スタンスの整理

  • 短期視点:

    リコール関連ニュースや決算内容次第で株価変動が大きくなりやすく、慎重な姿勢が必要。

  • 中長期視点:

    高齢化・慢性疾患増加を背景とした医療需要は追い風で、押し目局面では長期投資対象として検討余地あり。


投資家が意識すべきポイント

  • 次回決算でのガイダンス維持・修正の有無

  • リコール問題の収束スピードと追加コスト

  • 株価が主要移動平均線を回復できるか


総合すると、ABT株は「短期は様子見、中長期は段階的な買いを検討」という評価が妥当といえるでしょう。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。