株のTOBとは何か|成立条件・メリットとデメリット、株価はどう動く?
简体中文 繁體中文 English 한국어 Español ภาษาไทย Bahasa Indonesia Tiếng Việt Português Монгол العربية हिन्दी Русский ئۇيغۇر تىلى

株のTOBとは何か|成立条件・メリットとデメリット、株価はどう動く?

著者: 高橋健司

公開日: 2026-02-18

株のTOBとは、企業や投資ファンドなどが、特定の会社の株式を市場外で、あらかじめ決めた価格・期間・数量を公表したうえで買い集める行為を指します。通常は、現在の株価よりも高い価格(プレミアム)を提示して株主に売却を呼びかけます。


TOBがニュースで頻繁に取り上げられる理由は、発表と同時に株価が大きく動きやすいためです。経営権の取得や完全子会社化、M&Aなどを目的として行われることが多く、企業の将来や上場維持に直接影響する重要なイベントとなります。


個人投資家にとってTOBは、市場価格より高値で株を売却できるチャンスになる一方、上場廃止や株価下落のリスクも伴います。そのため、TOBの仕組みを理解しておくことは、突然の発表に冷静に対応し、適切な投資判断を行うために欠かせません。


TOB(公開買付け)の基本仕組み

TOB(公開買付け)の基本仕組み

株のTOBとは、株式市場を通さずに、あらかじめ条件を公表したうえで不特定多数の株主から株式を買い集める行為です。買付者は「買付価格」「買付期間」「買付予定株数(または上限・下限)」を事前に開示し、その条件に同意した株主だけが応募します。透明性を確保するため、条件は途中で自由に変更できず、ルールに沿って進められます。


  • 公開買付けとは何をする行為か

    公開買付けでは、買付者が証券会社を通じて株主に対し「この価格でこの期間中に株を売ってほしい」と正式に募集します。株主は市場で売却するのではなく、TOBに応募する形で株を売却します。多くの場合、現在の市場株価より高い価格が提示されるため、株主にとっては売却インセンティブが生まれます。


  • 市場買付けとの違い

    市場買付けは、証券取引所で通常の売買として株を少しずつ取得する方法です。一方TOBは、市場外で一括的・計画的に株式を取得できる点が大きな違いです。市場買付けでは株価が上昇しやすく、どれだけ集められるか不透明ですが、TOBでは一定数以上の株式を確実に取得できる仕組みになっています。


  • 誰が・誰に対して行うのか

    TOBを行うのは、事業会社、親会社、投資ファンド、場合によっては経営陣(MBO)などです。対象は、その会社の既存株主であり、個人投資家も法人投資家も区別なく応募できます。友好的TOBの場合は会社側の同意を得て行われ、敵対的TOBでは経営陣の同意なしに実施されることもあります。


  • 金融商品取引法上の位置づけ

    日本ではTOBは金融商品取引法で厳格にルール化されています。一定以上の株式を取得する場合、公開買付けの実施と詳細な情報開示が義務付けられており、インサイダー取引や不公正取引を防ぐ目的があります。この法的枠組みにより、株主は公平な条件のもとで売却判断ができるようになっています。


TOBが行われる主な目的

TOBは単なる株式売買ではなく、企業戦略の一環として実施される重要な手段です。ここでは、TOBが行われる代表的な目的を整理して解説します。


1. 経営権の取得

最も典型的な目的が経営権の取得です。企業の意思決定を左右するためには、発行済株式の過半数、もしくはそれに近い株式を保有する必要があります。TOBを通じて一定数以上の株式を一気に取得することで、取締役の選任や経営方針の主導権を握ることが可能になります。


市場で少しずつ株を買い集める方法では時間がかかり、株価も上昇しやすいため、効率的かつ確実に経営権を確保する手段としてTOBが選ばれます。


2. 完全子会社化

TOBは完全子会社化を目的として行われるケースも非常に多く見られます。親会社が上場子会社の株式を買い集め、100%子会社にすることで、以下のようなメリットがあります。

  • 親子上場による利益相反の解消

  • 経営判断の迅速化

  • グループ経営の効率向上

  • 上場維持コストの削減


この場合、TOB成立後に上場廃止となるケースが一般的であり、少数株主はTOBへの応募を事実上迫られることになります。


3. M&A・業界再編

TOBはM&A(合併・買収)や業界再編の局面でも頻繁に使われます。競合企業の買収や、成長分野への進出、シェア拡大を目的としてTOBが実施されることがあります。


特に成熟産業では、企業数を減らし競争力を高めるために、業界再編型のTOBが行われやすく、発表時には市場全体から大きな注目を集めます。投資家にとっては、関連銘柄への波及効果も意識すべきポイントとなります。


4. 敵対的TOBと友好的TOBの違い

株のTOBとは、対象企業の経営陣の姿勢によって友好的TOBと敵対的TOBに分かれます。


  • 友好的TOB

    対象企業の取締役会が賛同し、株主に応募を推奨するTOBです。成立しやすく、株価もTOB価格付近で安定しやすい傾向があります。

  • 敵対的TOB

    経営陣の同意を得ずに実施されるTOBです。防衛策の発動や対抗TOBが出る可能性があり、株価が大きく変動しやすいのが特徴です。


個人投資家にとっては、敵対的TOBはリターン機会が拡大する一方、不成立リスクや急落リスクも高まるため、慎重な判断が求められます。


TOBが発表されたときの株価の動き

TOBが発表されたときの株価の動き

TOBは株価に即時かつ大きな影響を与えるイベントです。ここでは、TOB発表時に株価がどのように動くのかを、投資判断に直結する視点で解説します。


1. TOB価格と市場価格の関係

TOBが発表されると、株価は原則としてTOB価格に近づく動きを見せます。これは、株主が「最終的にその価格で売却できる」と認識するためです。


  • 市場株価 < TOB価格

    → 株価は急騰し、TOB価格付近まで上昇

  • 市場株価 ≒ TOB価格

    → 価格は横ばいで推移しやすい


ただし、TOBの成立確度や対抗TOBの有無によっては、TOB価格を下回ったり、上回ったりすることもあります。


2. プレミアムとは何か

プレミアムとは、TOB価格が発表前の市場株価に対してどれだけ上乗せされているかを示す割合です。


例:

  • 発表前株価:1.000円

  • TOB価格:1.300円

  • → プレミアムは約30%


一般的に、日本株のTOBでは20〜40%程度のプレミアムが付くことが多く、プレミアムの高さは

  • 買付者の本気度

  • TOB成立の可能性

を測る重要な指標として使われます。


3. 発表直後に株価が急騰する理由

TOB発表直後に株価が急騰する主な理由は以下の通りです。

  • 市場価格より高いTOB価格が提示される

  • 「その価格で売れる」という確定的な期待が生まれる

  • 短期資金(イベントドリブン投資)が流入する

特に発表当日は、寄り付きからストップ高近くまで買われるケースも珍しくありません。ただし、TOB価格以上に大きく上昇することは限定的で、上値は抑えられやすいのが特徴です。


4. TOB不成立時の株価リスク

TOBが不成立に終わった場合、株価は急落するリスクがあります。これは、TOBプレミアムが剥落し、元の評価水準に戻るためです。


不成立となる主な要因には以下があります。

  • 応募株数が下限に達しなかった

  • 対抗TOBが出ず、条件が魅力不足だった

  • 規制・資金面の問題で買付者が撤回した

この場合、TOB期待で買われていた短期資金が一斉に売却するため、発表前の株価、あるいはそれ以下まで下落することもあります。


個人投資家にとってのメリット・デメリット

TOBは企業側の戦略行動ですが、実際に影響を直接受けるのは株主である個人投資家です。ここでは、TOBに直面したときに知っておくべきメリットとデメリットを整理します。


メリット

1. 市場価格より高値で売却できる可能性

TOBでは、多くの場合、発表前の市場株価より高い価格(プレミアム)が提示されます。そのため、株主は通常の市場売却よりも有利な条件で株を売却できる可能性があります。


特に、長期間株価が低迷していた銘柄では、TOBが事実上の出口戦略となることもあり、含み損を一気に解消できるケースもあります。


2. 株価の下支え効果

TOBが発表されると、株価はTOB価格を意識して推移するため、大きく下落しにくくなる傾向があります。これは、「この水準ならTOBに応募すれば売れる」という安心感が市場に広がるためです。


短期的には、価格の安定性が高まるイベントであり、急落リスクが一時的に低下する点は個人投資家にとってのメリットと言えます。


デメリット

1. TOB価格以上に上がりにくい

TOB発表後の株価は、基本的にTOB価格が上限として意識されます。市場参加者はTOB価格以上で買う合理性が乏しいため、株価が大きく上昇する余地は限られます。


そのため、TOB発表後に新規で買った場合、大きな値上がり益を狙うのは難しい点に注意が必要です。


2. 上場廃止リスク

完全子会社化を目的としたTOBの場合、成立後に上場廃止となるケースが多くあります。上場廃止が決まると、市場での売買ができなくなり、流動性は大きく低下します。


特に、TOBに応募せず株を保有し続けた場合、

  • 売却の自由度が下がる

  • 価格形成が不透明になる

といった不利な状況に置かれる可能性があります。


3. 応募しない場合の不利益

TOB成立後、多くのケースでスクイーズアウト(少数株主の整理)が行われます。この際、最終的にはTOB価格と同水準、もしくはそれに近い価格で強制的に買い取られることが一般的ですが、手続きに時間がかかるというデメリットがあります。


また、

  • 資金が長期間拘束される

  • 税務処理が複雑になる

といった実務上の不便さも生じやすく、結果としてTOBに応募した方が合理的だったと感じるケースも少なくありません。


TOBに応募する方法と注意点

TOBが発表された場合、株主は市場で売却するか、TOBに応募するかを選ぶことになります。ここでは、TOBに応募する際の具体的な流れと、見落としやすい注意点を解説します。


1. 証券会社での応募手続きの流れ

TOBへの応募は、株を保有している証券会社を通じて行うのが一般的です。基本的な流れは以下の通りです。


  • TOBの発表内容を確認

    (買付価格、期間、応募条件など)

  • 証券会社の案内(メール・取引画面)を確認

  • 専用の応募画面、または書面で応募手続きを行う

  • 応募株数を指定して確定

  • TOB成立後、代金が口座に入金される


近年はネット証券でもオンラインで完結することが多いですが、証券会社によっては電話や書面対応が必要な場合もあります。


2. 期間・最低応募株数

TOBには必ず応募期間が設定されています。一般的には20営業日前後で、この期間を過ぎると応募できません。直前は手続きが混雑することもあるため、余裕をもって対応することが重要です。


また、買付者側が

  • 応募株数の下限

  • 応募株数の上限

を設定している場合があります。


  • 下限未満 → TOB不成立

  • 上限超過 → 応募株数が按分(一部しか売れない)

というケースもあるため、条件は必ず確認しましょう。


3. 応募後に取り消せるか

TOBへの応募は、応募期間中であれば取り消し可能なケースがほとんどです。状況が変化し、

  • 対抗TOBが出た

  • 条件が引き上げられた

といった場合でも、期間内であれば柔軟に対応できます。


ただし、応募期間終了後は原則として取り消し不可となるため、最終日の判断には注意が必要です。証券会社ごとに締切時間が異なる点も見落としがちなポイントです。


4. 税金(譲渡益課税)の扱い

TOBに応募して株を売却した場合、通常の株式売却と同様に譲渡益課税の対象となります。

  • 課税対象:売却益(売却価格 − 取得価格)

  • 税率:原則約20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)

特定口座(源泉徴収あり)で保有している場合は、自動的に税金が差し引かれるため、確定申告は不要です。一方、一般口座や源泉徴収なしの場合は、確定申告が必要になります。


TOBと上場廃止の関係

TOBは単に株を買い集める手段ではなく、最終的に上場廃止につながるケースが多い重要なイベントです。ここでは、なぜTOB後に上場廃止が起こるのか、そして個人投資家にどのような影響があるのかを整理します。


1. なぜTOB後に上場廃止になるのか

TOBの目的が完全子会社化である場合、買付者は発行済株式のほぼすべてを取得することを目指します。上場を維持したままでは、

  • 少数株主への配慮が必要

  • 情報開示やガバナンス対応のコストがかかる

  • 経営判断のスピードが落ちる

といった制約が残ります。


そのため、TOB成立後に残った少数株主を整理し、株式を非公開化(上場廃止)することで、経営の自由度と効率性を高めるのが一般的です。親子上場の解消を目的としたTOBでは、上場廃止はほぼ既定路線と言えます。


2. スクイーズアウトの仕組み

スクイーズアウトとは、TOB成立後に残った少数株主の株式を、法律に基づいて強制的に買い取る手続きです。日本では主に以下の方法が使われます。

  • 株式等売渡請求

  • 株式併合


これらの手法により、最終的には買付者が100%近い株式を保有する状態になります。少数株主には、原則としてTOB価格と同水準の金銭が交付されるため、価格面で著しく不利になることは通常ありません。


ただし、スクイーズアウトが完了するまでには数か月かかることがあり、その間は株式の売買ができず、資金が拘束される点には注意が必要です。


3. 上場廃止後に株を持ち続けた場合

TOBに応募せず、かつスクイーズアウト前に株を売却しなかった場合、上場廃止後も一時的に株主であり続けることがあります。


この状態では、

  • 市場で売却できない(流動性ゼロ)

  • 株価の目安がなくなる

  • 配当や情報開示が限定的になる

といった不利な状況に置かれます。最終的にはスクイーズアウトにより現金化されることが多いものの、いつ・いくらで換金されるかを自分で選べない点は大きなデメリットです。


実際のTOB事例(最新のケース紹介)

事例①:富士通ゼネラルの完全子会社化を狙ったTOB(2025年)

概要

2025年1月、ガス機器大手の パロマ・リームホールディングス が、空調機器メーカー 富士通ゼネラル(証券コード:6755) に対して、完全子会社化を目的としたTOBを実施すると発表しました。公開買付価格は 1株あたり2.808円 と設定され、前年末の株価水準に対して約 20%以上のプレミアムが付いた条件でした。


株価の動き

TOB発表後、富士通ゼネラル株は発表直後から 株価が上昇しストップ高近い動きとなりました。これは、TOB価格が前日終値を大きく上回る条件だったためで、投資家が「その価格で売却できる可能性」を好感した動きです。


その後、TOBは応募株数が下限を超え成立し、最終的には買付期間終了後に取得手続きが進みました。富士通ゼネラルはTOB成立後に上場廃止となる見込みとされています。


事例②:Seven & i Holdingsを巡るTOBの動き(2024〜2025年)

これはTOBが成立した例ではありませんが、市場に大きな影響を与えた事例として参考になります。


概要

カナダの小売企業 Alimentation Couche-Tard が日本のコンビニ大手 Seven & i Holdings に対して $47 billion(約6兆円)規模の買収提案を進めました。これは日本企業への外資による巨大TOBの可能性として注目された案件です。


株価の動き

提案段階では株価が大きく上昇し、約 23%近い上昇を記録した時期もありました。しかし、最終的に Seven & i 側と交渉が進まず、買収提案の撤回が発表されると株価は下落に転じました。


TOB銘柄に投資する際の判断ポイント

TOB銘柄は「価格がほぼ見える投資対象」である一方、判断を誤るとリターンが限定されたり、想定外のリスクを負ったりする特徴があります。ここでは、個人投資家が必ず確認すべき判断ポイントを整理します。


1. TOB価格と理論株価の比較

まず重要なのは、提示されたTOB価格が妥当かどうかを見極めることです。単に「株価より高い」だけで判断するのは危険です。


チェックすべき視点:

  • 過去の株価水準(直近高値・安値)

  • PER・PBRなどのバリュエーション

  • 同業他社との比較

  • 事業価値や成長性


TOB価格が理論株価と比べて明らかに割安な場合、

  • 条件引き上げ

  • 対抗TOB

が出る余地があります。一方、すでに十分高い水準であれば、追加上昇の余地は限定的と考えるのが現実的です。


2. 買付者の資金力・実行確度

TOBは「発表された=必ず成立する」わけではありません。買付者の実行力は非常に重要です。

確認ポイント:

  • 買付者が大企業・上場企業か、投資ファンドか

  • 資金調達方法(自己資金か、借入か)

  • 過去にTOB実績があるか

  • 買付下限が設定されているか


特に、資金力が不透明な買付者や、下限株数が高いTOBは、不成立リスクが相対的に高くなります。実行確度が低い場合、株価はTOB価格を下回って推移しやすくなります。


3. 対抗TOBの可能性

TOB銘柄のリターンを大きく左右するのが、対抗TOBの有無です。


対抗TOBが出やすい条件:

  • 業界再編の中心にある企業

  • ブランド力・技術力が高い

  • 大株主構成が分散している

  • 敵対的TOBである


対抗TOBが現実味を帯びると、株価は当初のTOB価格を上回って上昇することがあります。ただし、これは不確実性の高いシナリオでもあり、過度な期待は禁物です。


4. 応募するか市場で売るかの判断軸

TOBが発表された後、個人投資家は

① TOBに応募する

② 市場で売却する

という2つの選択肢を持ちます。


判断の目安は以下の通りです。

  • TOBに応募するのが向いているケース

  • 株価がTOB価格を下回っている

  • 上場廃止がほぼ確実

  • 確実にTOB価格で現金化したい

  • 手続きや資金拘束を許容できる


市場で売るのが向いているケース

  • 株価がTOB価格近辺、または上回っている

  • 対抗TOBの期待が高い

  • 早期に資金を回収したい

  • 手続きを避けたい


特に短期投資家にとっては、市場で売却して即座に利益を確定する方が合理的な場合も多くあります。


よくある質問(FAQ)

Q1. TOB中に株を買ってもいい?

TOB期間中でも株を購入することは可能です。市場では通常どおり売買が行われていますが、以下の点に注意する必要があります。


  • 上値余地が限定的

    TOB価格がすでに市場価格に影響している場合、購入しても大きな値上がりは期待しにくいです。

  • 不成立リスク

    TOBが成立しなかった場合、株価は一気に下落することがあります。

  • 戦略的判断が重要

    株を買う場合は、成立確度や対抗TOBの可能性など、背景を十分に理解してから行うことが推奨されます。


要するに、「買えるけれど慎重に判断すべき」という状況です。


Q2. TOB価格は必ず守られる?

原則として、公表されたTOB価格は守られます。買付者は、応募した株主全員に同じ条件で株を取得する義務があります。


ただし、例外的なケースがあります。


  • 対抗TOBが出た場合

    価格が引き上げられる可能性があります。

  • 買付者による条件変更(引き下げは原則なし)

    条件を引き下げることはほとんどありませんが、撤回や中止のリスクはゼロではありません。


つまり、基本的には安心ですが、撤回リスクだけは常に意識する必要があります。


Q3. TOBが失敗することはある?

はい、TOBが不成立に終わることはあります。主な理由は以下です。

  • 応募株数が買付者の下限に達しなかった

  • 提示条件が株主にとって魅力不足だった

  • 買付者側の資金調達や規制上の問題が生じた


TOBが失敗すると、TOB価格のプレミアム分が剥落し、株価は急落する場合があります。したがって、TOB銘柄に投資する場合は、このリスクを織り込んで判断することが重要です。


Q4. 少数株主は不利にならない?

制度上、少数株主が大きく不利にならないよう保護されています。

  • スクイーズアウトなどの手続きを通じて、最終的に残った少数株主の株式も、原則としてTOB価格と同水準で買い取られます。

  • 価格面で大きな損をすることは基本的にありません。


ただし、実務上のデメリットとして、

  • 現金化までに時間がかかる

  • 手続きが煩雑になる

  • 資金が一定期間拘束される

といった点はあります。結果として、TOB期間中に応募した方が合理的だったと感じる株主も少なくありません。


結論

株のTOBとは、企業が株式を公開買付けし、特定の目的で株式を取得する仕組みのことです。個人投資家にとっては、TOB価格や買付条件を確認し、応募するか市場で売却するかを慎重に判断することが重要です。また、TOBに関する情報は正式な開示資料や証券会社の案内で確認し、リスクや手続きを正しく理解することが安全な投資行動につながります。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。