公開日: 2026-02-16
株式投資では、どの銘柄を選ぶかだけでなく、どの時間帯に買うかも投資成果に大きく影響します。同じ株であっても、取引が集中する時間帯や落ち着く時間帯によって、約定価格や値動きのリスクは大きく異なります。
本記事では、株を買うためにおすすめの時間帯を時間別に整理し、それぞれの特徴や注意点を初心者にもわかりやすく解説します。

株価は時間帯でどう動くのか
株価は一日中同じように動いているわけではなく、取引される時間帯によって値動きの特徴が大きく変わります。その理由を理解することが、適切な買いタイミングを見極める第一歩になります。
1.日本株の取引時間(前場・後場)
日本株は、平日に以下の時間帯で取引されています。
前場:9:00〜11:30
後場:12:30〜15:00
前場と後場の開始直後や終了前は取引が活発になりやすく、反対に中盤の時間帯では値動きが比較的落ち着く傾向があります。この「時間帯ごとのリズム」を知っておくことが重要です。
2.なぜ時間帯で値動きが変わるのか
参加者の違い(個人投資家・機関投資家)
時間帯によって、市場に参加している投資家の顔ぶれが変わります。
朝の寄り付き直後は、個人投資家の成行注文や、前日の海外市場を受けた注文が集中しやすく、値動きが荒くなりがちです。一方、時間が進むにつれて、機関投資家や長期投資家の冷静な取引が増え、相場が落ち着きやすくなります。
注文集中・情報反映のタイミング
寄り付きや後場寄り、大引け前は注文が集中しやすく、新しい情報が一気に株価へ反映されます。そのため、短時間で株価が大きく動くことがあります。
逆に、材料が出尽くした後の時間帯では、需給が安定し、比較的穏やかな値動きになりやすいのが特徴です。
株を買うためにおすすめの時間帯

株を買うのに適した時間帯は一つではありませんが、値動きの安定性とリスクの観点から見ると、明確な傾向があります。まずは結論から押さえておきましょう。
1.結論の要点まとめ
比較的安定しやすい時間帯
株を買うのに比較的向いているのは、寄り付き直後を過ぎた時間帯です。
具体的には、前場であれば9時30分以降、後場であれば12時45分以降など、取引開始直後の注文集中が一巡した後は、値動きが落ち着きやすくなります。
この時間帯は、急激な上下動が起こりにくく、指値注文も通りやすいため、落ち着いて判断したい投資家に向いています。特に初心者にとっては、想定外の高値づかみや急落に巻き込まれるリスクを抑えやすい点がメリットです。
ボラティリティが高い時間帯
一方で、寄り付き直後(9時前後)や大引け前(14時30分以降)は、株価の変動が大きくなりやすい時間帯です。
これらの時間帯では、成行注文が集中しやすく、短時間で株価が大きく動くことがあります。
値動きが激しい分、うまく乗れれば利益を狙える反面、判断を誤ると不利な価格で約定する可能性も高まります。そのため、スピード感のある判断やリスク管理が求められる時間帯と言えます。
2.初心者と経験者でおすすめが異なる点
初心者の場合は、値動きが落ち着いた時間帯を選ぶことが基本です。相場の流れを確認しながら指値で注文を出せるため、感情的な取引を避けやすくなります。
一方、経験者や短期売買を行う投資家は、あえて値動きの大きい時間帯を狙うこともあります。寄り付きや大引け前はトレンドが出やすく、短時間で結果が出やすいからです。
このように、「おすすめの時間帯」は投資経験やスタイルによって変わるという点を理解しておくことが重要です。
寄り付き(9:00前後)の特徴と向いている人
寄り付きとは、取引開始直後(9:00前後)に最初の株価が決まるタイミングを指します。この時間帯は一日の中でも特に取引が集中しやすく、株価の動きが大きくなりやすいのが特徴です。
1.寄り付きの値動きの特徴
寄り付き直後は、前日の米国市場の動向や夜間に出たニュース、決算情報などが一気に株価へ反映されます。そのため、買い注文と売り注文が同時に殺到し、短時間で株価が大きく動くことが珍しくありません。
特に注目度の高い銘柄では、寄り付き直後に急騰・急落が起こりやすく、値が飛びやすい点が大きな特徴です。
2.メリット:トレンドが出やすい
寄り付きは、その日の相場の方向性が早い段階で見えやすい時間帯です。
出来高が一気に増えることで、強い買い圧力や売り圧力がはっきり表れやすく、明確なトレンドが発生しやすい傾向があります。
そのため、短時間で値幅を狙う投資家にとっては、効率よく利益を狙えるチャンスが生まれやすい時間帯とも言えます。
3.デメリット:価格が荒れやすい
一方で、寄り付きは価格変動が激しく、想定外の価格で約定しやすいという大きなデメリットがあります。
成行注文を使うと、思っていたよりも高い価格で買ってしまう、いわゆる「高値づかみ」になるリスクも高まります。
また、寄り付き直後の値動きは一時的な思惑によるものも多く、数分後には逆方向に動くケースも少なくありません。初心者にとっては、冷静な判断が難しい時間帯です。
4.向いている投資スタイル
寄り付きが向いているのは、デイトレードや短期売買を行う経験者です。値動きの速さに対応でき、あらかじめシナリオを立てて注文を出せる投資家であれば、この時間帯のボラティリティを活かすことができます。
一方、初心者や中長期投資を目的とする場合は、寄り付き直後を避けるのが無難です。値動きが落ち着くまで待ち、冷静に指値注文を出す方が、リスクを抑えた取引につながります。
前場中盤〜引け前(9:30〜11:30)
前場の開始直後の慌ただしさが一段落すると、9:30〜11:30頃の前場中盤〜引け前は、比較的値動きが落ち着く時間帯になります。この時間帯には、株を買う上でのメリットがいくつかあります。
1.値動きが落ち着きやすい理由
寄り付き直後は成行注文が集中し、株価が大きく上下する傾向があります。しかし、9:30を過ぎると注文の混雑が一巡し、相場は徐々に安定した動きを見せます。
出来高も落ち着き、短期的な乱高下が減るため、予想しやすい価格で買いやすくなるのが特徴です。
2.押し目買い・指値注文との相性
値動きが安定するこの時間帯は、押し目買いや指値注文を活用するのに最適です。
前日の株価や寄り付きの動きを確認して、落ち着いたタイミングで注文を出せる
成行注文に頼らず、自分の希望価格で約定しやすい
このように、計画的に株を買いやすい環境が整っているため、短期的な損失リスクを抑えやすくなります。
3.初心者に向いている理由
初心者の場合、寄り付き直後の値動きの激しさに対応するのは難しく、感情的に注文してしまうことがあります。前場中盤以降は値動きが比較的穏やかであるため、冷静に注文を出すことが可能です。
また、指値注文を使うことで、自分の決めた価格で安全に買いやすく、高値づかみや急落のリスクを避けやすいのも大きなメリットです。
後場(12:30〜15:00)の狙い目時間帯
後場は、昼休み明けの取引再開(12:30)から大引け(15:00)までの時間帯です。前場に比べると取引参加者がやや減ることもあり、値動きの特徴や狙い方が異なります。
1.後場寄りの注意点
後場寄り直後は、前場での値動きや昼間のニュースを受けて注文が集中するため、株価が短時間で大きく動くことがあります。
特に出来高の少ない銘柄では、思わぬ価格で約定してしまうリスクがあるため注意が必要です。
寄り付き直後の値動きは、一時的な反応であることも多く、初心者は安易に飛びつかない方が無難です。
2.大引け前の特徴
大引け前(14:30〜15:00)は、1日の取引を終えたい投資家の注文が集中する時間帯です。
機関投資家やファンドのポジション整理
翌日に持ち越すかどうかの最終判断
これにより、株価が急上昇または急落することがあります。
短期トレードの経験者にとってはチャンスとなりますが、初心者には値動きが激しく読みづらい時間帯でもあります。
3.翌日に持ち越す前提での考え方
後場で株を買う場合、翌日以降の値動きを見越した戦略が重要です。
当日中に売るのか、翌日以降も保有するのかを決める
大引け前の高値や安値で判断せず、前場の動きやチャートを参考に計画的に注文
特に初心者は、後場での取引は「指値注文で慎重に買う」ことを意識すると安全です。
後場は、前場で取引できなかったチャンスを狙う時間帯として有効ですが、短期売買か中長期保有かで戦略を明確に分けることが大切です。
投資スタイル別おすすめの時間帯
株を買う際のおすすめ時間帯は、投資スタイルによって大きく異なります。ここでは、デイトレード、スイングトレード、中長期投資の3つの代表的なスタイルに分けて、それぞれに最適な買いタイミングを解説します。
1.デイトレード
特徴:1日の値動きを利用して短期間で売買を完結させるスタイル
おすすめの時間帯:寄り付き直後(9:00〜9:30)、大引け前(14:30〜15:00)
寄り付き直後は、前日のニュースや海外市場の動きが一気に株価に反映されるため、短時間で大きな値幅が狙える
大引け前は、1日のポジション整理や売買ラッシュで短期的なトレンドが出やすい
注意点:値動きが激しいため、損切りルールや注文方法(指値・成行)を事前に決めておく必要がある
2.スイングトレード
特徴:数日〜数週間の値動きを利用して売買する中期的なスタイル
おすすめの時間帯:前場中盤(9:30〜11:30)、後場中盤(13:00〜14:30)
値動きが落ち着きやすく、計画的に押し目買い・指値注文が出しやすい
株価のトレンドを確認しながら、余裕をもって買いタイミングを選べる
注意点:スイングトレードでも大きなニュースが出ると急変することがあるため、注文前に情報をチェック
3.中長期投資
特徴:数週間〜数か月以上の保有を前提とした投資
おすすめの時間帯:前場・後場のどの時間帯でも大きな差はない
中長期投資では、短期の値動きよりも銘柄の本質的価値や中期トレンドを重視
指値注文で買い付けることが多く、時間帯をあまり気にせず取引できる
注意点:成行注文で飛びつくと、短期的な高値づかみになる可能性があるため、慎重な注文が重要
時間帯を意識する際の注意点
株を買う時間帯を意識することは重要ですが、それだけでは安全に取引できるとは限りません。以下の点を押さえておくことで、時間帯を活かしつつリスクを抑えることができます。
1.成行注文と指値注文の使い分け
成行注文:その時点の市場価格で即約定する注文
メリット:すぐに株を買える
デメリット:株価が急に動く時間帯では、希望より高い価格で約定する可能性がある
指値注文:あらかじめ指定した価格でのみ約定する注文
メリット:高値づかみを防げる
デメリット:指定価格に届かない場合は約定しない
寄り付き直後や大引け前など、値動きが激しい時間帯では指値注文を活用して安全に買うのがおすすめです。逆に値動きが穏やかな中盤の時間帯では、成行注文でも大きなリスクは少なくなります。
2.出来高の確認
出来高とは、その時間帯に売買された株の数量を指します
出来高が多い時間帯は流動性が高く、希望通りの価格で約定しやすい
逆に出来高が少ない時間帯では、少数の注文でも株価が大きく動くことがあるため、注意が必要です
例えば、寄り付き直後は出来高が一気に増えるため、トレンドが出やすく短期売買に向いています。一方、後場の中盤など出来高が少ない時間帯では、指値注文で慎重に買う方が安心です。
3.決算・経済指標・ニュースとの関係
決算発表や経済指標、重要ニュースは株価に瞬間的な大きな影響を与えます。
特に寄り付きや大引け前は、これらの情報が市場に反映されやすく、値動きが荒くなることがあります。
時間帯だけでなく、ニュースや材料の発表タイミングも確認することで、思わぬ損失を防ぐことができます。
例えば、前日夜間に発表された米国経済指標や企業決算のニュースは、翌朝の寄り付きに大きく影響します。この場合、寄り付き直後に成行注文で飛びつくのはリスクが高く、情報を確認した上で指値注文を活用するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 株は朝と昼どちらに買うべきか?
株を買うタイミングについては、朝と昼のどちらがよいか気になる人も多いでしょう。結論から言うと、前場の中盤以降(9:30〜11:30)が買いやすい時間帯です。理由は、朝の寄り付き直後は注文が集中して株価が大きく動く傾向があり、初心者には予想外の高値づかみや急落のリスクが高くなるからです。前場中盤になると値動きが落ち着き、指値注文で計画的に株を買えるようになります。昼以降の後場も狙うことは可能ですが、前場の動きでトレンドが出ている場合は、その流れを確認してから注文する方が安全です。
Q2. 引け前に買うのは危険か?
大引け前に株を買うのは、場合によってリスクが高くなります。大引け前(14:30〜15:00)は、機関投資家やファンドがポジション整理を行う時間帯であり、株価が短時間で大きく動くことがあります。また、出来高が集中するため、希望の価格で約定しにくくなることもあります。そのため、短期トレードに慣れた経験者であればこの時間帯を利用して利益を狙うことも可能ですが、初心者や中長期保有を目的とする投資家は、値動きが落ち着いた前場中盤や後場中盤での取引をおすすめします。安全に注文することで、無理な高値づかみを避けることができます。
Q3. 米国株の場合も時間帯は重要か?
米国株でも時間帯は非常に重要です。米国株は現地時間での取引(東部標準時間 9:30〜16:00)があり、時間帯ごとに値動きの特徴が異なります。日本から夜間に取引する場合、特に寄り付き直後(日本時間23:30頃〜翌2:00頃)はボラティリティが高く、株価が急に動きやすい傾向があります。そのため、米国株を日本から取引する際も、値動きが落ち着いた時間帯や出来高が多い時間帯を狙うと、安全に取引することができます。つまり、時間帯を意識することは国内株だけでなく、グローバル株取引においても有効なのです。
結論:株を買うためにおすすめの時間帯
株を買う際には、時間帯ごとの株価の特徴を理解することが非常に重要です。自分の投資スタイルに合った時間帯を選ぶことで、無理のない取引が可能になります。また、時間帯だけでなく、銘柄の分析や市場の状況と組み合わせることで、より安全で効率的に株を購入することができます。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。