信用取引とCFDの違いを徹底比較:仕組み・コスト・リスクから選び方がわかる5つのポイント
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信用取引とCFDの違いを徹底比較:仕組み・コスト・リスクから選び方がわかる5つのポイント

著者: 佐藤拓也

公開日: 2026-02-02

信用取引とCFD取引はいずれもレバレッジを効かせた取引手法として知られていますが、その仕組み、コスト、リスクプロファイルは根本的に異なります。多くの個人投資家が「信用取引とCFDの違い」を正しく理解せずに商品を選択することで、想定外のコストやリスクに直面する可能性があります。本記事では、特に日本市場で身近な「信用取引」と、国際的に普及する「CFD(差金決済取引)」を、仕組み、取引可能資産、コスト構造、リスク管理という4つの観点から詳細に比較します。単純な優劣ではなく、ご自身の投資スタイルとリスク許容度に応じて、どちらが適しているかの判断材料を提供します。


信用取引とCFDの根本的な違い:5つの比較ポイント

信用取引とは

1.取引の本質:「現物の借り入れ」vs「価格変動の契約」

  • 信用取引は、証券会社から資金や株式を「借りて」現物市場で取引する仕組みです。制度信用と一般信用があり、売り建ての場合、株式を借りて売却する「品貸料」が発生します。

  • CFD取引は、原資産の現物を受け渡しせず、その価格変動分の差金のみを決済する「契約」です。現物市場とは独立した店頭取引(OTC)が基本で、株式の所有権は発生しません。


2.取引可能な資産の幅:ほぼ日本株に限定 vs グローバルなマルチアセット

CFDとは

  • 信用取引の対象は、主に国内の上場株式です。東証一部などの流動性の高い銘柄が中心となり、外国株や指数、商品などは原則取引できません。

  • CFD取引では、日本株・外国株、株価指数、為替、商品(金・原油)、暗号資産など、数千に及ぶ多様なグローバル資産が対象となります。一つの口座で幅広い市場にアクセスできるのが特徴です。


3.コスト構造:金利・貸株料が主 vs スプレッド・スワップが主

  • 信用取引の主なコストは、買い建て時の信用金利(買方金利) と、売り建て時の品貸料(貸株料) です。これらは日歩(日割り)で発生し、保有期間に比例してかかります。

  • CFD取引の主なコストは、売値と買値の差であるスプレッド、およびポジションを翌日以降も持つ場合に発生するスワップポイント(金利調整額)です。手数料が別途かかる場合もあります。


4.レバレッジ倍数と追証リスク:規制枠内 vs 証券会社次第で変動

  • 信用取引のレバレッジは、制度信用で最大3.3倍、一般信用で証券会社により異なりますが規制があります。また、不足金が発生した際の「追証(追加保証金)」制度があります。

  • CFD取引のレバレッジは、提供する証券会社と商品により大きく異なり(例:株式CFDで5倍~20倍、為替で最大数十倍)、信用取引よりも高い場合が多いです。追証リスクは商品・会社により「ゼロカット方式」(損失が証拠金範囲内に限定)を採用する場合もあります。


5.税金と配当処理:源泉徴収あり vs スワップ調整

  • 信用取引では、売却益は申告分離課税(所得税20.315%)。配当金は通常受け取れ、配当金調整として精算されます。

  • CFD取引での利益は雑所得として総合課税の対象となり、累進課税が適用されます。配当金相当額は、スワップポイントを通じて調整(受け取りまたは支払い)されます。


信用取引とCFDの違いを一目で比較:主要項目一覧表

比較項目 信用取引 CFD取引
取引の本質 現物の資金・株式を借りる取引 価格変動差金を決済する契約(店頭取引)
主な取引対象 日本国内上場株式(中心) 日本株・外国株、指数、為替、商品など多岐
レバレッジ 制度信用:最大3.3倍等、規制あり 証券会社・商品により幅広く、高い場合が多い
主なコスト 信用金利(買方金利)、品貸料(貸株料) スプレッド、スワップポイント、手数料
売り(ショート) 可能(一般信用は制限あり) 可能(買いと同様に容易な場合が多い)
保有期間 最長6ヶ月(制度信用)など制限あり 無期限(スワップコストが継続)
税金 申告分離課税(20.315%) 雑所得(総合課税、累進税率)
配当処理 配当金を受け取り、調整金を精算 スワップポイントで調整(受け取り/支払い)
追証リスク あり 取引商品による(ゼロカット方式の有無)

投資スタイルで選ぶ:信用取引とCFD、どちらが向いていますか?

1.信用取引が向いているかもしれない人:

  • 取引対象を日本株(特に東証一部)に集中させたい投資家です。

  • 数週間から数ヶ月単位の中期的な売買を計画しています。

  • 税金面で分離課税の確定申告に慣れており、税率の優遇を活かしたいです。

  • 伝統的で規制が明確な取引体系を好みます。


2.CFD取引が向いているかもしれない人:

  • 日本株以外にも、米国株、日経平均先物、為替、金など幅広く分散投資したいです。

  • デイトレードや数日単位の短期売買を主体とします。

  • 売りポジションをより柔軟に、低コストで組みたいです。

  • レバレッジをある程度高く設定した取引を検討しています(リスクも伴う)。


重要なリスク管理:共通する「レバレッジの危険性」

信用取引とCFDの違いを議論する上で忘れてはならないのは、いずれもレバレッジ取引であるという根本的な共通点です。レバレッジは利益を拡大する反面、損失も同様に拡大させます。特に相場が急変した場合、以下のリスクが顕在化します。


  • 追証(追加保証金)リスク: 評価損が証拠金を上回ると、追加資金の入金(追証)を求められる可能性があります(CFDのゼロカット方式を除く)。

  • 強制決済(ロスカット)リスク: 証拠金維持率が一定水準を下回ると、証券会社側でポジションが強制的に決済される場合があります。

  • 流動性リスク(CFDで顕著): 取引量の少ない銘柄では、希望価格で決済できないリスクがあります。


よくある質問(FAQ)

Q1: 短期のデイトレードには、信用取引とCFDどちらが向いていますか?

A: コストと執行の速さの観点から、一般的にCFD取引が向いていると考えられます。信用取引では日々発生する金利・貸株料がコスト負担となり、また売り注文の実行に制約がある場合もあります。CFDではスプレッドが主コストであり、買いも売りも同様の操作性で短期取引が可能です。


Q2: 信用取引の「一般信用」と「制度信用」の違いは何ですか?

A: 制度信用は、証券金融会社が関与し、返済期限が最大6ヶ月と決められています。一般信用(証券会社信用)は、証券会社が独自に提供するもので、返済期限がより柔軟(無期限に近い場合も)ですが、金利や品貸料は証券会社ごとに異なり、売り建て可能銘柄が少ない場合があります。CFD取引はこれら両者とも仕組みが異なります。


Q3: CFDで日本株を取引する場合、信用取引と比べて税金面で不利ですか?

A: 税率のみで見ると、総合課税(CFD)は最高税率55.945%(住民税含む)まであり、分離課税20.315%(信用取引)より高くなる可能性があります。しかし、CFDでは損失を他の雑所得と通算できるメリットもあります。取引規模と他の所得状況により有利不利は分かれるため、税理士に相談することをお勧めします。


Q4: 「CFDは追証がなく損失が証拠金まで」と聞きますが、本当ですか?

A: 証券会社が「ゼロカット(ロスカット)方式」を採用している場合、預けた証拠金の範囲内で損失が限定され、追証が発生しない仕組みです。しかし、市場が大きくギャップしたり、極端に流動性が低下した場合など、稀に証拠金を超える損失が発生するリスクが免責事項に記載されている場合もあります。規約の詳細確認が不可欠です。信用取引では原則、追証リスクがあります。


まとめ:

信用取引とCFDの違いは、単なる商品選択の違いを超えて、投資家の市場へのアプローチそのものを規定すると言えます。国内株式という「限定された戦場」で、明確なルールと税制優遇下で戦うことを選ぶのか(信用取引)、または、グローバルで多様な「広大な戦場」において、柔軟性と高いレバレッジを武器に戦うことを選ぶのか(CFD)。この選択は、ご自身の知識、経験、リスク許容度、そして投資時間軸に基づいて行うべきです。いずれを選ぶにせよ、レバレッジの危険性を常に念頭に置き、損切り注文の活用やポジションサイズの厳格な管理といった、普遍的なリスク管理の原則を徹底することが、長期で市場に生存するための最重要課題です。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。