公開日: 2026-02-02
東京株式市場では日経平均株価が大幅反落し、前週末比で約961円下落するなど、今年に入っても大きな下げ幅となった。TOPIX(東証株価指数)も同様に急落し、輸出関連株や主力株を中心に売りが広がったことで、市場全体にリスク回避の雰囲気が強まっている。
直近の値動き
この日の東京株式市場では、日経平均株価が前週末と比べて約961円下がり、5万2.885円台で取引を終えた。これは今年に入ってからの最大級の下げ幅となっています。特に大引け時には、終値ベースで5万3000円を下回る形となり、直近の上昇基調に一段の冷却感が出ている。
当日の取引を見ると、後場(午後の取引時間)にかけて売りが強まり、下げ幅が一時1190円超にまで拡大する局面もあった。これは前場に比べて、投資家の売り注文が増えたことを示しており、短期的な売り圧力が強く働いたことがうかがえる。

主な下落要因
1.為替・円高への警戒
最近の市場で大きなテーマとなっているのが円高(=円の価値が高まる動き)です。日本円は米ドルに対して強くなっており、これは輸出企業にとって収益の見通しを悪化させる要因になる。例えば、1ドル=約154〜155円台まで円が買われる場面があり、投資家の間で「円高が続くのではないか」という警戒感が高まった。これによって、トヨタやソニーといった輸出依存の大企業株が売られ、日経平均全体の下押し圧力となっている。
2.海外市場の弱含み
東京市場は海外株式市場の動きに大きく影響を受ける。特に米国株式市場が弱含みになると、その流れが日本株にも波及しやすいである。直近では、米国株が主要指標で下落し、とくにテクノロジー関連株(AI・半導体など)の調整が続いた日があった。これが日本の投資家心理にも影響し、東京市場での売りにつながった。
3.テック株(AI・半導体銘柄)の調整
日経平均を構成する銘柄の中でも、AI・半導体関連株やテクノロジー株の値動きが指数全体に影響するケースが増えている。海外市場でAI関連株が売られた影響を受け、日本でもRenesasやSoftBank Groupなどが安くなる場面があった。こうしたテック関連銘柄の弱含みが、指数全体を下げる重石になる場面も見られた。
マーケットセンチメントの変化
日経平均株価が大幅反落した背景には、投資家心理の悪化(センチメントの変化)が大きく影響しています。具体的には次のような動きが見られた。
1.リスクオフ姿勢の強まり
投資家の間で「市場の不確実性が高い」というムードが広がると、リスク資産(株式など)を避ける動き=リスクオフが強まる。特に株価が急落すると、それを見た投資家がさらなる売りに走りやすくなる。実際、市場の不透明感が高まると、売買の指標となるボラティリティ(価格変動の大きさを示す指数)が上昇する場面もあり、投資家が一段の変動リスクを警戒していることがうかがえる。例えば、日経平均のボラティリティ・インデックス(予想変動率)は株価大幅安を受けて上昇しており、警戒感が強まっていることが示されている。
2.利益確定売り・持ち高調整の売り
また、大きく上昇していた期間があった後には、短期での利益確定売りが出やすい傾向があります。株価が高値圏にあると、特に値幅の大きい銘柄を持つ投資家が「利益を確定しておこう」と売却する動きが強まり、これが下落基調を加速させることがある。実際、年初にかけて上昇した後の反動で売りが優勢になり、下げに拍車がかかる場面もあった。
3.売買代金と値下がり銘柄数の多さ
通常、相場全体が停滞すると「売買代金が減る」ということもありますが、下落局面でも売買代金が高水準のまま推移しているときは、売りが活発である可能性が高まる。過去の反落局面でも、売買代金が多い中で値下がり銘柄が多数となるケースがあり、これは市場全体の弱気ムードが鮮明になっていることの表れである。
4.海外市場の影響によるセンチメント悪化
さらに、日経平均の動きは海外株式市場のセンチメントにも大きく左右される。米国やアジア主要株式市場で大幅な下落が続くと、投資家の心理が悪化して東京市場にも波及することがある。実際、世界的な株安やリスク回避の動きが進んだ局面では、日経平均にも幅広い売りが広がり、リスクオフ姿勢が強まることが見られた。
セクター別の影響
株価の大幅反落では、業種ごとに値動きの違いが鮮明になっている。最近の市場では次のような傾向が確認されている:
1.輸出関連株 — 為替警戒で売り優勢
輸出関連銘柄は円高や海外景気懸念の影響を受けやすく、弱含みになりがちである。 為替市場で円が強くなると、海外売上高を円換算した収益が目減りするため、トヨタ自動車やホンダなどの輸出中心株が売られる圧力が高まる。また、円高・アメリカの利下げ観測後のリスクオフの流れで株価指数全体が下落した際、輸出株の重荷感が強まる傾向がある。
2.テック・AI・半導体銘柄 — 海外動向の影響が顕著
テクノロジー関連株、とくにAI・半導体セクターは海外市場との連動が非常に強く、世界的なテック株安が波及すると売りが加速する。
11月には米国のハイテク株安を受け、日経平均でも半導体やAI関連株が全面安となり、下げ幅が一時1200円超になったことがある。
また、米ナスダックのハイテク株安が東京市場に伝播し、半導体関連株が大幅下落したため日経平均が大きく押し下げられる場面もあった。
最近の動きでは、AI関連株が売られ日経平均が一時49000円台まで下押しされる展開も見られ、電気機器・機械などのテック系セクターの下げが指数全体を重くしている。
これらの動きは、海外市場でAI・半導体株が利益確定やリスク回避売りにさらされると、日本の同業種にもその影響が及ぶことを示している。
3.その他のセクター — 内需・防衛・金融などの動き
大幅下落局面でもすべての業種が同じように売られるわけではなく、比較的底堅いセクターもある。
円高局面や輸出警戒が強まった週では、内需関連や生活必需品、インフラ系の株は下げ幅が限定的なこともある。 (例:サービス、空運など一部内需業種は売り渋る局面もありました)
一方で、銀行・保険・小売なども為替や海外リスクの影響で下落圧力を受けるケースはありますが、輸出株・テック株ほどの売り込みにはならない傾向が見られる日もある。
今後の見通し・視点
1.為替動向と海外市場の影響
今後の日経平均の動きを考えるうえでは、為替(ドル/円)相場の動きが引き続き大きなカギとなります。ドル/円が円安方向に振れると輸出企業の業績改善期待が高まり、株価全体の支えになる可能性がある。一方、円高へ戻る動きが強まると輸出株が重荷になり、株価の上値が重くなる可能性も残っている。 最新の市場予想でも、1ドル=155円前後の為替動向が株式市場のセンチメントに影響するとの見方がある。
また、海外株式市場の動きも日本株に波及しやすいである。米国やアジア市場が不安定な値動きになると、日本株にもその流れが伝播しやすく、投資家のリスク選好が低下する場面が想定される。こうした連動性は、中長期の見通しを立てる際にも注目ポイントである。
2.主要企業の決算動向
株価は企業の業績予想や決算内容を反映して動く。主要企業の決算発表が進む中で、予想より好調な業績が示されれば、投資家のセンチメント改善につながる可能性が高いである。実際、好決算銘柄への物色が株価の下支え要因となる場面も見られており、今後の決算発表スケジュールと内容が重要な材料となっている。
決算内容は業種や企業によってばらつきがあるが、輸出関連や主要製造業が為替環境の影響を受けながらも底堅い業績を示せば、全体の底支えとなる期待もある。 一方、予想を下回る決算が相次ぐと、市場心理が冷え込むリスクがあることも念頭に置く必要がある。
3.政策・マクロ環境
国内の政治・経済環境も株価見通しに影響する。衆議院選挙を控えた政策期待や政府の経済成長戦略に対する期待感が株式市場にプラスに働く可能性が指摘されている。また、日銀・金融政策が為替や金利に与える影響も大きく、今後の金融政策の動きは投資家が注視するポイントである。
4.中長期の市場予想
中期〜長期の視点では、証券会社やアナリストの予想も分かれている。一定の基調回復を見込む強気シナリオでは、日経平均が年末にかけてさらに上昇する可能性も示唆されている。 一例として、あるアナリストは今後数年で株価指数が上昇するシナリオを描いている。
対照的に、不透明感や下振れリスクを重視する見方もあり、景気後退や政策対応の遅れが株価の重荷になる可能性に注意する必要がある。こうした複数のシナリオを視野に入れることが重要である。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ日経平均株価は大幅反落したのか?
主な要因は、円高への警戒感、米国株安など海外市場の影響、そして高値圏での利益確定売りである。これらが重なり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
Q2. 今回の下落は一時的な調整か?
現時点では、急騰後の調整局面と見る市場関係者が多い一方、為替や海外市場次第では下落が長引く可能性もあり、慎重な見方が広がっている。
Q3. 個別銘柄ではどの分野が特に影響を受けたか?
輸出関連株や半導体・AI関連などのハイテク株が大きく売られた。これらは為替や海外市場の影響を受けやすく、指数全体の下落を主導した。
Q4. 今後、日経平均は回復する可能性があるか?
回復のカギは、為替相場の安定、米国株の持ち直し、国内企業の決算内容である。これらが好転すれば、投資家心理が改善し、反発する可能性がある。
Q5. 投資家は今後どの点に注意すべきか?
短期的には相場の変動が大きくなりやすいため、為替・海外市場・重要経済指標の動向に注意が必要である。中長期では、企業業績や政策動向を見極める姿勢が重要になる。
結論
今回の日経平均株価が大幅反落したのは、為替の変動や海外株式市場の不安定な動きなど、内外の不確実性が重なったことで投資家心理が悪化したからである。とくに短期的な利益確定売りやリスク回避の動きが指数全体を押し下げた。
今後の株式市場の方向性を見極めるうえでは、為替相場が落ち着くかどうか、米国株式市場が持ち直すか、そして国内企業の決算内容が市場の期待に応えるかが重要な判断材料となる。これらの動向次第で、相場の回復基調が明確になるかどうかが左右されるだろう。
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