公開日: 2025-11-09
株式投資では、過去の株価の調べ方を知ることが投資判断の基本です。過去の値動きを分析することで、企業の成長傾向や市場トレンドを把握でき、割安株の発見にもつながります。
また、長期投資では業績の安定性、短期トレードでは値動きのリズムを確認する上で欠かせません。
つまり、過去の株価を正しく調べることは「今の株価が高いのか、安いのか」を判断する第一歩です。
過去の株価の調べ方:3つの主な方法

過去の株価の調べ方は、大きく分けて「証券会社のサイト」「無料の株情報サイト」「チャート分析ツール」の3つがあります。目的や分析の深さによって使い分けるのがポイントです。
1. 証券会社の公式サイトを利用する
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、主要なネット証券では「株価チャート」機能を通じて過去の株価を簡単に確認できます。
日足・週足・月足など、期間ごとに切り替えられるほか、株式分割や配当による調整も自動で反映されるため、正確な価格推移を把握できます。
また、ログインすれば取引履歴や保有株の過去推移も確認できるため、実際の投資判断にも活用しやすい点がメリットです。
2. 無料サイトを活用する
手軽に過去の株価を知りたい場合は、無料の金融情報サイトが便利です。
Yahoo!ファイナンス:銘柄名またはコードを入力するだけで、日付指定の株価履歴を閲覧可能。チャートの期間変更(1日〜10年)にも対応。
Googleファイナンス:検索窓に企業名を入れると、チャートが即座に表示され、シンプルな操作で過去データを確認できる。
日本経済新聞:株価だけでなく、過去のニュースや決算情報も合わせて調べられる。
これらは会員登録不要で利用できるため、初心者でも気軽に試せます。
3. チャート分析ツールを使う
より詳しい分析をしたい人には、チャート分析ツールの利用が最適です。
TradingView:世界中の株式や為替データに対応し、期間指定やテクニカル指標の追加も可能。
MetaTrader(MT5など):FXだけでなく、一部株式データも分析でき、移動平均やフィボナッチ分析など高度な機能を備える。
Excel分析:サイトからCSV形式で株価データをダウンロードし、独自にグラフ化や統計分析ができる。
これらのツールを使えば、単に株価を確認するだけでなく、トレンドラインの作成や相関関係の分析など、より戦略的な投資判断が可能になります。
期間別の活用方法
過去の株価データは、投資スタイルによって見るべき期間や分析ポイントが異なります。
短期・中期・長期で目的を明確にすることで、より的確な投資判断が可能になります。
■ 短期トレード(期間:3か月〜1年)
短期トレーダーにとって、過去数か月〜1年の値動きは最も重要な分析対象です。
この期間では、直近のトレンドの強さや変動のリズムを把握することが目的です。
具体的には、
株価が上昇・下降どちらのトレンドにあるか
移動平均線(5日・25日・75日など)との乖離
出来高の増減と急騰・急落パターン
決算発表やニュースの影響
などを確認します。短期の値動きはニュースや市場心理に敏感なため、テクニカル指標(RSI、MACD、ボリンジャーバンドなど)の併用も効果的です。
■ 中長期投資(期間:5年〜10年)
中長期の投資家は、企業の成長性・安定性・業績トレンドを重視します。
5年〜10年の株価データを振り返ることで、景気循環や業界変化の中で企業がどのように対応してきたかを把握できます。
注目すべきポイントは以下の通りです:
長期チャートでの上昇・下落トレンド
リーマンショックやコロナなど外部要因時の耐久力
過去のPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)の変動
売上・営業利益・配当の推移との関係
このような分析により、「一時的に下がっているが、長期的には上昇トレンドにある優良株」を見つけることができます。
■ 配当重視投資(期間:1年〜数十年)
配当を重視する投資家は、株価の上下動だけでなく過去の配当実績と権利確定日のパターンをチェックします。
これにより、安定的に配当を出している企業か、増配傾向が続いているかを見極められます。
確認すべき項目は以下の通りです:
配当利回りの推移(過去5年〜10年)
権利確定日・配当落ち日とその時期の株価変動
配当金の増減と株価の反応
配当性向(利益に対する配当の割合)
安定配当を続ける企業は、景気変動に強く、長期保有に適しています。特に、トヨタ・NTT・花王などは増配傾向が長く続いている代表的な銘柄です。
よくある質問(FAQ)
Q1:株式分割や配当の影響で過去株価が変わるのはなぜ?
過去の株価データは、「調整後株価」として表示されることが多く、株式分割や配当落ちによって修正されています。
たとえば、トヨタが1株を5株に分割した場合、分割前の株価をそのまま比較すると誤解を招くため、過去の株価が自動的に分割比率で調整されます。
また、配当が支払われた後には「配当落ち」と呼ばれる株価の下落が起こるため、これも調整対象になることがあります。
つまり、「当時の実際の取引価格」と「現在のチャートに表示される株価」は必ずしも一致しません。分析する際は、サイトが調整後株価を採用しているかどうかを確認しましょう。
Q2:無料ツールと有料ツールの違いは?
無料ツールでも基本的な過去株価の確認は可能ですが、分析の深さやデータの正確性に差があります。
| 項目 | 無料ツール(例:Yahoo!ファイナンス) | 有料ツール(例:TradingView Pro、日経テレコン) |
| データ期間 | 10年程度まで | 30年以上も可能 |
| 分析機能 | 基本チャートのみ | 複数のテクニカル指標、比較チャート、バックテスト対応 |
| 更新頻度 | 15〜20分程度の遅延あり | リアルタイム更新 |
| CSVダウンロード | 限定的 | 豊富なフォーマットに対応 |
| サポート | なし | 分析レポートやニュース連携あり |
初心者や短期トレーダーであれば無料ツールで十分ですが、長期データを扱う投資家や本格的な分析を行いたい人は有料版を利用すると効率的です。
結論
過去の株価の調べ方を理解することは、投資の出発点です。
無料ツールでも十分に分析でき、企業の成長傾向や市場全体のトレンドを長期的に把握する助けになります。
株価データをもとに、感覚ではなく根拠のある投資判断を行うことが、安定した成果につながります。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。