エクソンモービルの将来性を解説:今後の株価見通し
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エクソンモービルの将来性を解説:今後の株価見通し

著者: 高橋健司

公開日: 2026-02-11

エクソンモービルは、石油・天然ガスの探査や生産、精製、石油化学製品の製造までを一貫して手がける、世界最大級の総合エネルギー企業です。世界中に事業基盤を持ち、エネルギー供給の中核を担う存在として国際市場に大きな影響力を持っています。また、長年にわたり安定した配当を継続してきた実績があり、市場では景気変動時にも比較的値動きが安定しやすい「ディフェンシブ株」として評価されることが多い銘柄です。

石油業界

2030年エクソンモービルの将来性 — 成長戦略のポイント

エクソンモービルは、2030年に向けて収益とキャッシュフロー(営業活動による現金収入)の見通しを大幅に引き上げました。この戦略は単なる目標設定ではなく、具体的な数字として公表されています。


1. 2030年までの収益・キャッシュフロー見通しの上方修正

  • エクソンモービルは、2030年までに約250億ドルの収益増加と350億ドルのキャッシュフロー増加を見込んでいます。

  • これは前回の計画よりもそれぞれ50億ドルずつ上方修正された数字です。

  • しかも資本支出(設備投資額)は増やさずに実現する計画で、効率性の高さが重視されています。


この計画は、単に売上を伸ばすだけでなく、効率的な事業運営によって利益と現金収入を強化することを狙いとした戦略です。


2. 主要成長ドライバー:高収益資産の活用

エクソンモービルの2030戦略では、特定の事業分野・地域資産が収益成長の中心になります:


Permian(パーミアン盆地)

  • 米国テキサスとニューメキシコに広がる世界屈指の高収益油田・ガス田。

  • ここでは最新技術と効率改善により生産コスト低減と増産が進められています。


ガイアナ油田(Stabroek Block)

  • ガイアナ沖合の複数の大型油田プロジェクトが進行中で、2030年までに生産能力は大幅に拡大する見込みです。


LNG(液化天然ガス)

  • 天然ガスを液化して輸出する事業も収益源として重要で、世界のガス需要拡大を取り込む戦略が進んでいます。


これらの高収益資産からの生産量が、全体の約65%を占める規模にまで高まると予想されています。


3. 技術力・効率化の強化

収益性向上には技術と効率改善の取り組みも大きく貢献しています:

  • パーミアン盆地では独自技術の活用により、資源回収率や生産効率が向上しています。

  • 「軽量プロパン技術」などを通じて単位あたり収益が大きく改善する見込みです。


4. 低炭素・新市場への準備

2030年戦略は従来の石油・ガスだけでなく、低炭素技術への投資も含む長期の計画です:

  • 炭素回収・貯留(CCS)や水素関連技術、電池用材料など、低炭素分野への投資が進んでいます。

  • これらは2030年以降の新しい収益源として位置づけられており、将来に備えた準備段階と捉えられています。


業績動向 — 最近の決算と収益状況

エクソンモービルの2025年の業績は、通年・各四半期ともに堅調な収益力を示しています。直近の決算からは、EPS(1株当たり利益)や売上、キャッシュフローの強さ、そして株主還元の継続姿勢が見て取れます。


1. 2025年通年 — 稼ぐ力が明確に示された数字

エクソンモービルは2025年通年の純利益(業界トップクラスの稼ぎ)として約288億ドルを計上しました。これは同社が長年積み上げてきた収益基盤の強さを示す数字です。EPS(1株当たり利益)は約6.70ドル(特別項目を除くと6.99ドル)と、高い収益性を維持しています。


2025年の営業活動によるキャッシュフローは520億ドルに達しており、潤沢な現金創出力が確認されています。


全体として、エクソンモービルは原油・ガス価格の変動や市場環境の変化がある中でも、高い収益力とキャッシュフロー生成能力を維持しています。


2. 四半期ごとの動向 — EPS予想超過と生産増

第3四半期(2025年)決算

  • 第3四半期では、EPS(特別項目除く)が約1.88ドルと、アナリスト予想を上回る結果となりました。

  • 売上(総収益)は約853億ドルと非常に大きな規模で、エネルギー需要の強さを反映しています。

  • この四半期では、Permian盆地やガイアナでの生産が増加し、収益およびEPSの押し上げに寄与しました。


ただし、売上・収益は前年同時期と比べてやや減少傾向が見られる点もあり、市場環境の影響が一定程度反映された形です。


第1〜第2四半期(2025年)決算

  • 第1四半期は約77億ドルの利益と1.76ドルのEPSを計上し、営業キャッシュフローが130億ドル以上と堅調でした。株主への配当と買い戻しも継続されています。

  • 第2四半期も約71億ドルの利益、1.64ドルのEPSを達成し、再び株主還元額を90億ドル超として投資家への利益還元を実行しました。


これらの四半期決算から、一貫して高いEPSやキャッシュフロー、株主還元が維持されていることが読み取れます。


3. 配当と自社株買い — 投資家還元姿勢

  • エクソンモービルは2025年を通じて、通年で合計約372億ドルを株主に還元しました。この額には約172億ドルの配当支払いと約200億ドルの自社株買いが含まれます。

  • 通常配当に加えて、自社株買いを積極的に進めることで、株主への現金還元を強化しています。

  • 配当は43年連続の増配実績があり、これは長期投資家から高く評価されるポイントです。


株価動向 — 現状と市場コンセンサス

今日のエクソンモービル株価.png

エクソンモービル(XOM)について、株価見通しを評価する際に重要な指標のひとつが**アナリストの評価(レーティング)と目標株価(ターゲットプライス)**です。これらは投資銀行や証券会社の専門家が、企業の業績・市場環境・事業戦略などを総合的に分析して算出しています。


1. アナリスト評価(レーティング)の傾向

複数の調査によると、エクソンモービルのアナリスト全体のコンセンサス評価は「Buy(買い)」となっています。これは多くの専門家が今後12カ月程度で市場平均を上回るパフォーマンスを期待しているという意味です。


具体的には、最新データでは以下のような内訳が確認されています:

  • 約13人が「買い(Buy)」評価

  • 約10人が「ホールド(Hold)」評価

  • 約2人が「売り(Sell)」評価

といった分布で、買い・ホールドが中心で売りは少数派です。


このように評価の中心が買い寄りであることは、市場参加者が中長期的な企業の収益力や戦略に一定の期待を持っていることを示しています。


2. アナリストの目標株価(12カ月予想)

アナリストが予想する12カ月後の目標株価の平均・レンジは次の通りです(米ドル):

指標 水準
平均目標株価 約140.9ドル前後(アナリスト平均)
最高予想値 約171ドル(強気派の評価例)
最低予想値 約118ドル程度(慎重派の評価例)
  • 平均値:約140〜141ドル

    → 現在(約150ドル前後)と比べるとやや下振れ予想の見方もありますが、目標値は市場の幅広い意見を集約したものです。

  • 最高値:約171ドル

    → 一部の強気派アナリストはより上昇余地ありと判断しています。

  • 最低値:約118ドル

    → 市況環境や原油価格が弱い、あるいは業績成長が鈍化するといったリスクを織り込んだ慎重な予想も存在します。


このレンジの幅は広めで、アナリスト間の見方が比較的分かれていることも示しています。


3.コンセンサス評価の読み方

アナリスト予想は、単独の「正解」ではなく、専門家の集合的なシナリオ予想です。以下のように見ると理解が進みます:

  • 買い評価が多い → 中長期での成長性や収益力を評価している専門家が多い。

  • 平均目標株価が現在価格よりやや低めの予想もある → 短期的には株価上昇余地は限定的、または市場環境次第で下押しリスクの見方もある。

  • レンジが広い → 業績や原油・天然ガス市場の変動、世界経済の不透明感が評価に影響している。


つまり、多くのアナリストはエクソンモービルの基本的な事業力を評価しつつも、原油価格・経済情勢などの不確実性を織り込んで慎重な予想を並べている、と読むことができます。


エクソンモービルの将来性ーー今後の成長ドライバー

① LNG(液化天然ガス)事業と世界のガス需要の伸び

エクソンモービルは、LNG(液化天然ガス)の開発・生産・販売を重要な収益源と位置づけています。特にLNGは、温室効果ガス排出が石油より少ないことから世界的な需要が高まっており、今後も成長が見込まれています。


エクソンモービルは複数の世界クラスのLNGプロジェクトを開発中で、これらは2030年までに年間4.000万トン以上の販売能力に達する見通しです。これは同社の成長戦略における重要な柱として位置づけられています。


LNG事業の拡大は、単にエネルギー資源としての販売だけでなく、長期契約により安定した収益基盤を形成する役割も担います。


② 関鍵資産:パーミアン盆地とガイアナ油田

エクソンモービルは世界有数の高収益資産であるパーミアン盆地や、急成長する産油国ガイアナでの事業を拡大しています。


  • パーミアン盆地(米国)

    同社はシェール開発企業を統合し、パーミアン盆地での生産能力を強化しています。この地域は低コストで資源を開発できる点が競争優位と評価されています。

  • ガイアナ

    エクソンモービルはガイアナ沖のStabroekブロックなどで複数プロジェクトを推進中です。ここでは原油・天然ガスの両方が採掘され、今後も長期にわたり開発が継続される計画です。


これらの資産は2030年までに全社の生産量に占める割合を高め、収益成長の基礎となることが期待されています。


③ 低炭素エネルギーと新素材領域へのシフト

エクソンモービルは従来の石油・ガスだけでなく、低炭素技術や新しい収益分野への展開にも取り組んでいます。


水素・アンモニア

  • テキサス州ベイタウンで計画されている低炭素水素・低炭素アンモニア製造プロジェクトでは、年間90万トン超の水素と約100万トンのアンモニアを生産する大規模施設の建設が進んでいます。これらはCO₂を約98%回収する技術を使う計画で、脱炭素化需要への対応も意図されています。

  • 日本企業や他パートナーとの協業を通じたグローバルな供給チェーン形成も検討されており、エネルギー転換への取り組みが進行中です。


炭素回収技術(CCS)

  • 大規模なCO₂回収・貯留プロジェクトで年間900万トン超の契約を確保するなど、カーボンマネジメントの収益化にも挑戦しています。


これらの取り組みは、現時点では伝統的なエネルギー部門より規模が小さいものの、脱炭素時代の新たな収益源としての可能性を秘めています。


④ 生産効率・技術革新による競争力の強化

エクソンモービルは単に資源を増やすだけでなく、技術による効率改善にも力を入れています。


石油・ガスの探査や生産の現場では、データ解析・AI・採掘技術の進化により、原価削減や生産効率の向上が進んでいます。これは投資効率を高め、収益性を改善する重要な要素です。


これにより、資本コスト当たりの収益を高めることで、株主へのリターン拡大につながる戦略を描いています。


リスク要因 — 投資判断で注意すべき点

エクソンモービルは強固な収益力を持つ企業ですが、投資判断においてはいくつかの重要なリスク(注意点)があります。これらを理解することで、よりバランスの取れた見通しが可能になります。


① 原油・ガス価格のボラティリティ(価格変動リスク)

エクソンモービルの業績は、依然として原油・天然ガスなどの商品価格に大きく依存しています。


  • 原油・ガスの価格が上昇すると、同社の売上や利益は大きく押し上げられますが、逆に価格が急落すると利益が大幅に減少する可能性があります。実際、2025年の四半期決算で、原油価格とガス価格の低迷により利益が約15億ドル減少する見込みと発表されたケースがあります。

  • 株価も原油価格の変動に敏感に反応する傾向があり、原油価格が急落した過去には同社株が大幅に下落したこともあります。


原油・ガス価格の上下は、エクソンの収益に直接影響しやすく、投資リスク管理において無視できない要素です。


② エネルギー転換(脱炭素化)トレンドの不確実性

世界のエネルギー市場は、化石燃料中心から再生可能エネルギー・低炭素技術への移行(エネルギー転換)が進んでいます。この流れは世界的な長期トレンドですが、エクソンモービルにとっては機会でもありリスクでもあります。


  • エクソンは低炭素技術への投資を進めていますが、同時に伝統的な化石燃料事業を重視するアプローチを維持しているため、他の欧州系大手と比べて低炭素戦略の「方向性」や市場の評価が分かれることがあります。

  • 例えば、水素などのクリーン燃料計画が需要不足や顧客側の採用意欲低下により一時凍結されたケースもあり、エネルギー転換分野の成長が予想以上に進まない可能性があります。


脱炭素化は長期的なトレンドですが、実際の収益化には時間がかかることや、投資回収の不確実性が高い点は投資家にとってリスク要素です。


③ 統合型事業のメリットと限界

エクソンモービルは探査・生産(上流)から精製・輸送・販売(下流)まで一貫した統合モデルを持つことが強みです。一方で、この構造は以下のようなリスクも伴います:


価格変動に対してある程度ヘッジ効果はあるものの、統合型モデルであるがゆえに、特定部門(例:上流部門)の不調が他部門の収益に波及しやすい面があるという指摘もあります。


つまり、統合型だからこそ業績全体が「部分最適」のリスクを抱えることがあるという点は注意が必要です。


④ 市場構造・規制リスク

エクソンモービルは米国・欧州・アジアなど世界中で事業を展開していますが、政策・規制環境の変化や訴訟リスクも無視できません。


  • 欧州の厳しい環境規制やカーボンプライシング政策は、コスト増加や事業環境の複雑化につながる可能性があります。

  • また、環境関連の法的規制や訴訟が世界の複数地域で提起されており、こうした不確実性が企業価値の評価に影響することもあります。


中長期株価見通し(投資家視点)

株価見通しは投資スタイルや投資期間によって異なりますが、短期〜中期(1〜3年)と、長期(2030年以降)の2つの視点で考えることができます。


1. 短期〜中期(1〜3年)

現状:株価の成長余地は限定的だが安定感は評価されている


  • 多くの専門家が最近の目標株価をやや上方修正しており、株価に一定の上昇余地を見込む意見があります。例えば、UBSは目標株価を約145ドルに据え置き、「買い」評価を維持しています。これは現在価格からおよそ15〜18%程度の上昇余地を示唆しています。

  • モルガン・スタンレーも目標株価を約137ドルに引き上げ、「オーバーウェイト(強気寄り)」評価を継続しています。

  • 一方で、大きなアップサイド(急激な上昇)は見込みにくいという見方もあり、短期的には株価の変動幅は比較的穏やかになる可能性があります(アナリスト平均目標値が現在株価付近のため)。


成長要因(短期)

  • 安定した配当利回り(直近約3.4〜3.5%)が魅力として評価されやすい。

  • キャッシュフローが堅調で、株主還元(配当・自社株買い)を維持している点は支持を受けています。


短期〜中期の株価は「穏やかな上昇傾向」または「現状維持」と見るのが一般的で、急騰よりも安定した成長を重視する投資家に向いています。


2. 長期(2030年以降)

長期的な戦略が株価を押し上げる可能性

2025年末に発表された長期戦略では、2030年までに以下のような業績成長が計画されています:

  • 収益とキャッシュフローの拡大:2030年までに約25〜35億ドルの増益・増キャッシュフローを見込み、年間利益成長率は約 13%と予想されています。

  • 生産能力の拡大:上流(探査・生産)では2030年に約550万バレル/日程度まで生産量を伸ばす見込みで、安定成長の基盤が整いつつあります。

  • 高収益資産(パーミアン盆地・ガイアナ・LNGポートフォリオ)からの生産比率を高める計画です。


これらの計画が実際に実行され、収益が想定通りに増加した場合、2028〜2030年ごろには企業価値の向上が株価にも反映される可能性があります。


3.長期予想モデルの例)

一部の価格予想モデルでは、2030年ごろの株価が現在から約20〜30%上昇するシナリオも示されています(数値モデルによる予測例として2030年に約172ドルまで上昇するという推計もありますが、これはあくまでモデル予測であり確実性はありません)。


長期を左右する要因

  • 世界のエネルギー需要は2030年以降も大きく変わらず、天然ガスや石油の需要が残るという見通しも存在します(天然ガス需要は2050年まで増加を予測)。

  • 同時にエネルギー市場の変化(脱炭素化の進展や代替エネルギー競争)をどう乗り越えるかが鍵になります。

長期では「戦略実行とマクロ環境次第」で株価が大きく動く可能性があり、戦略が成功すれば株価上昇余地が大きくなるシナリオもあります。


よくある質問(FAQ)

Q1. エクソンモービル株は長期投資に向いていますか?

はい、向いていると考えられます。理由は、安定したキャッシュフロー、連続増配の実績、世界規模の事業基盤を持っているためです。特に配当重視の長期投資家からは「守りながら増やせる銘柄」として評価されています。


Q2. 今後の株価上昇のカギは何ですか?

主な要因は、原油価格の動向、LNG需要の拡大、新規油田開発の成功、そしてコスト削減による利益率改善です。これらが好調であれば株価は上昇しやすくなります。


Q3. 原油価格が下がると株価も下がりますか?

基本的には連動しやすいです。エネルギー企業の収益は原油価格に大きく左右されるため、原油が下落すると利益見通しが悪化し、株価も下押しされる傾向があります。ただし、精製部門や化学部門が利益を補う場合もあります。


Q4. 配当利回りは高いですか?

エクソンモービルは米国株の中でも配当利回りが比較的高い銘柄として知られています。特にエネルギー価格が高い局面では配当余力が増し、投資家にとって魅力が高まります。


Q5. 今から買うのは遅いですか?

一概に遅いとは言えません。エネルギー株は景気循環株の側面があるため、タイミングよりも投資期間の長さが重要です。短期売買よりも、配当を受け取りながら長期保有する戦略の方が適しているとされています。


結論 — エクソンモービルの将来性評価

エクソンモービルは、安定した利益・配当・キャッシュフローを持つ世界最大級のエネルギー企業であり、財務基盤の強さが大きな強みです。2030年に向けた成長戦略や高収益事業への投資は、今後の株価上昇要因として期待されています。


一方で、原油価格の変動や脱炭素化の流れといった外部要因の影響は避けられません。そのため市場評価は「強い買い」ではなく、中立〜やや強気(長期保有向き)という見方が一般的です。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。