公開日: 2026-01-31
おすすめのEV株とは、電気自動車(EV)の普及・拡大によって成長が期待される企業の株式を指します。EV株というと自動車メーカーを思い浮かべがちですが、実際にはそれだけに限りません。
EVは多くの技術や部品で成り立っているため、完成車メーカーに加え、バッテリー(電池)メーカー、半導体企業、モーターや電子部品を手がける企業もEV関連株として注目されています。
近年EV株が注目されている背景には、脱炭素社会の実現に向けた各国の環境規制強化やEV購入補助金、さらに電池性能や生産技術の進化によるコスト低下があります。こうした流れから、EV市場は中長期的な成長が期待されており、将来性のある投資テーマとして多くの投資家の関心を集めています。
EV市場の現状と今後の成長性

EV(電気自動車)市場は、世界的な脱炭素化の流れを背景に、長期的な成長産業として位置づけられています。各国政府が温室効果ガス削減を重要政策に掲げる中で、ガソリン車からEVへの転換は不可逆的なトレンドになりつつあります。
まず世界全体を見ると、環境規制の強化がEV普及を後押ししています。内燃機関車の販売制限や排出規制の厳格化により、自動車メーカーはEV開発・生産への投資を加速させています。これによりEVの車種は増え、価格帯も広がり、消費者がEVを選びやすい環境が整いつつあります。
地域別に見ると、
米国ではEV購入に対する税額控除や国内生産重視の政策が進み、テスラを中心にEV市場が拡大しています。
中国は世界最大のEV市場であり、政府主導の補助金政策やインフラ整備により、EVの普及率が非常に高い水準にあります。
欧州では環境意識の高さと厳しい排出規制を背景に、EV・PHEVの販売比率が着実に上昇しています。
日本は普及スピードでは出遅れているものの、EVや次世代電池への技術開発投資が進んでおり、中長期的な巻き返しが期待されています。
中長期でEV市場が拡大すると考えられる理由としては、バッテリーコストの低下、航続距離の改善、充電インフラの整備が挙げられます。これらの課題が徐々に解消されることで、EVは一部の先進層向けから、一般消費者にとって現実的な選択肢へと変化しています。
このようにEV市場は短期的な景気変動や株価の上下はあるものの、構造的な成長トレンドに支えられており、EV株が中長期投資テーマとして注目され続ける理由となっています。
おすすめのEV株【完成車メーカー】
EV株投資でまず押さえたいのが、完成車メーカーの株式です。EV販売台数やブランド力が株価評価に直結するため、市場全体の成長を取り込みやすい銘柄群です。ここでは主要な企業とその特徴を紹介します。

1.テスラ(Tesla, Inc. / TSLA)
世界的なEVリーダーとして最も知名度が高い銘柄です。
強み:高いブランド力と技術力、充電ネットワークや自動運転ソフトなど総合力が強い。
EV販売では依然として世界トップクラスの存在であり、自動運転技術やエネルギー事業の将来性も評価ポイントです。
ただし、競合激化や高い株価評価(バリュエーション)には注意が必要です。
2.BYD Company Ltd.(BYD / 1211.HK / BYDDY)
近年、テスラを上回る実績を見せる中国EV大手です。
BYDはEVとプラグインハイブリッドを含む総合的な販売力で成長。2025年には世界最大のEV販売台数となった報道もあります。
中国を中心に巨大な内需を背景に高い成長が続き、海外展開も進んでいます。
世界市場でのシェア争いが激しくなる中、価格競争・政策リスクなども株価に影響します。
3.Rivian Automotive, Inc.(RIVN)
米国の新興EVメーカーで、SUVやピックアップトラックに特化。
Amazonなど大手投資家の支援を受け、ニッチ市場で独自ポジションを確立しています。
生産規模はテスラやBYDより小さいですが、アウトドア系EVとしての人気があり将来性が注目されています。
一方で利益が出にくい段階であり、資金繰りや拡大戦略が株価リスクの要因です。
4.Nio Inc.(NIO)
中国のEVメーカーで、特に高級モデルやバッテリー交換(Battery-as-a-Service)サービスに特徴があります。
Nioは中国市場でのブランドを強化しつつ、ヨーロッパ進出も進行中です。
高級EVへの需要が拡大すると評価されていますが、競争激化による利益率の変動には注意が必要です。
5.その他の完成車系EV株の候補
世界的な自動車メーカーはEVシフトを進めており、ハイブリッドからEVへの転換力が評価の中心です(以下はETFや総合株として注目される例):
トヨタ自動車(Toyota Motor Corporation):ハイブリッド技術を強みとしつつEVへ本格参入。
フォード(Ford Motor Co.)やゼネラルモーターズ(General Motors):米国の伝統メーカーとしてEVラインアップ拡大。
欧州のBMWやVWなど:多ブランド戦略で電動化を推進。
おすすめのEV株【電池・バッテリー関連】
EV市場の成長で重要性が増しているのが、車載用バッテリー・電池関連の企業株です。電気自動車の性能やコスト競争力はバッテリー技術・供給体制に大きく左右されるため、中核部品を供給する企業はEVの普及恩恵を受けやすいテーマ株となっています。ここでは実際に注目される主な銘柄を紹介します。
主な電池・バッテリー関連銘柄
1.Contemporary Amperex Technology Co. Ltd. (CATL)
世界最大級のEVバッテリーメーカーで、テスラやBMW、トヨタなどにも供給している中国企業です。2025年のIPOで株価が強い反応を見せたように、グローバルな供給力と高シェアが魅力です。
特徴
世界のEV用リチウム電池市場で大きなシェアを保持。
生産規模と技術力を背景に中長期的な需要拡大が期待されます。
2.LG Energy Solution (373220.KQ)
韓国の大手電池メーカーで、フォードやGM、トヨタ向けにも供給する大手サプライヤーです。2020年代に入りEV電池の生産拡大を進めており、世界的な需要増を取り込むポジションにあります。
特徴
全球トップレベルのリチウム電池生産力。
トヨタ向けの供給契約拡大など、需要基盤が広いです(製造提携など報道あり)。
3.Panasonic Holdings (PCRFY)
日本の総合電機大手で、長年テスラの主要バッテリー・サプライヤーとして知られる企業です。高い技術力を基盤に、EVバッテリー事業の競争力を維持しています。
特徴
EV電池の主要サプライヤーとして世界シェアに貢献。
技術力と生産実績が評価ポイント。
4.Albemarle Corporation (ALB)
直接バッテリーを製造する企業ではありませんが、リチウム原料(電池材料)の世界的大手供給企業です。リチウムはEV電池の核心材料であり、価格や供給の変動がバッテリー市場全体に影響を与えます。
特徴
世界有数のリチウム生産企業として、EVバッテリー需要追い風を受けやすい。
原材料供給側からEVバッテリー成長を取り込む方法として注目されます。
5.QuantumScape (QS)
次世代バッテリー技術として注目される全固体電池(solid-state battery)の開発企業です。固体電池は安全性やエネルギー密度の向上が期待され、実用化が進めばEV性能を大きく向上させる潜在力があります。
特徴
Volkswagenなどの大手企業と提携して技術実証を進行中。
実用化の進展によっては成長ポテンシャルが非常に高い点が評価されています。
おすすめのEV株【半導体・部品関連】
EV(電気自動車)は内燃機関車と比べて搭載される電子部品・半導体の量が大幅に増えます。特に電力変換(パワー半導体)、モーター制御用IC、センサー・ADAS(自動運転支援)関連のチップは自動車の“頭脳と心臓”に相当し、これらを手がける企業の株式もEVテーマ株として注目されます。
以下は、投資対象として注目される代表的な半導体・部品関連企業の例です。
注目の半導体・部品関連銘柄

1.Infineon Technologies AG (IFNNY)
ドイツの大手半導体企業で、パワー半導体(SiC/Si)や電力制御チップのトッププレーヤーです。EVの電動機制御・バッテリー管理・充電システム向けの部品を幅広く供給しており、EV・電動化の進展で需要が拡大しています。
2.STMicroelectronics (STM)
スイス拠点の半導体大手で、モータ制御用マイクロコントローラー(MCU)、パワーIC、センサー類を提供しています。ADAS(先進運転支援システム)やソフトウェア定義車向けの製品開発も進めており、次世代EVに対応したポートフォリオを強化しています。
3.NXP Semiconductors (NXPI)
オランダの半導体大手で、車載向けプロセッサーやレーダー/センサー用チップ、通信系ICを強みとしています。電動パワートレインだけでなく、ADASやネットワーク機能にも強く、「スマートEV」時代の中核技術を支える企業です。
4.Texas Instruments Incorporated (TXN)
米国の大手半導体企業。アナログIC・電源管理IC・センサー類など、自動車電装品で幅広く採用されています。特にパワーマネジメント回路やモータ制御向けICはEV市場でも重要な役割を果たします。
5.Renesas Electronics Corporation (6723 / RNECY)
日本を代表する半導体企業で、マイクロコントローラーやアナログ・パワーデバイスを自動車向けに供給しています。電動パワートレイン制御やバッテリー管理システム(BMS)用ICはEVで不可欠な部品であり、国内外のEV部品需要の拡大を追い風にしています。
6.Aptiv PLC (APTV)
自動車電子部品サプライヤーで、電動化・コネクティビティ・ADAS向けのシステムモジュールを提供しています。EVにおける高電圧電装品や安全・制御モジュールの需要増加を享受できる企業として注目されています。
7.Johnson Electric Holdings Ltd.
モーター・アクチュエーター(電動アクチュエータ)などを手がける企業で、EV用駆動モーター・電動部品は車両の基本性能に直結する要素です。モーター関連の本質的需要に支えられる部品株として注目されます。
EV株に投資する際のポイントとリスク
EV株に投資する際は、成長性だけでなくリスク要因を同時に理解することが重要です。EVは中長期の成長テーマとして注目される一方、短期的には株価変動が大きくなりやすいため、投資スタンスに応じた判断が求められます。
まず意識したいのが、短期視点と長期視点の違いです。短期では、販売台数、決算内容、政策ニュース、競合の値下げなどが株価に強く影響します。一方で長期投資の場合は、EV市場そのものの拡大や企業の技術力・競争力がより重要になります。そのため、短期の値動きに一喜一憂せず、中長期での成長シナリオが描けるかを確認することがポイントです。
次に注目すべきなのが、技術力・生産能力・政府支援です。EV分野では、電池技術、パワー半導体、ソフトウェアなどの技術力が企業価値を左右します。また、量産体制を構築できているかどうかは、コスト競争力や収益性に直結します。加えて、EV補助金やインフラ整備など、各国政府の支援政策も業績や株価に大きな影響を与えるため、政策動向のチェックは欠かせません。
一方で、EV株特有のリスク要因にも注意が必要です。EV市場は参入企業が多く、価格競争が激化しやすい分野です。完成車メーカーでは値下げ競争による利益率の低下、部品・電池メーカーでは受注単価の下落が起こる可能性があります。
また、原材料価格の変動も大きなリスクです。リチウムやニッケルなどの電池材料価格は市況の影響を受けやすく、コスト増加は企業収益を圧迫します。特にバッテリー関連株では、この影響が株価に反映されやすい点に注意が必要です。
さらに、EV株は成長期待が先行しやすいため、株価のボラティリティ(変動幅)が大きい傾向があります。好材料が出れば急騰する一方で、市場環境の悪化や業績見通しの下方修正によって大きく下落するケースもあります。
このように、EV株投資では「成長性(技術・市場拡大)」と「リスク(競争・政策・価格変動)」をセットで考えることが重要です。分散投資や投資期間の明確化を意識しながら、自分のリスク許容度に合った形でEV株を取り入れることが、安定した投資判断につながります。
どんな人にEV株投資がおすすめか
EV株投資は、すべての投資家に向いているわけではありませんが、投資目的やスタンスが合致する人にとっては魅力的なテーマとなります。以下のようなタイプの投資家には、EV株投資が特におすすめです。
まず、成長テーマに投資したい人です。EV市場は脱炭素や環境規制を背景に、今後も中長期で拡大が見込まれる分野です。短期的な業績変動はあっても、社会構造の変化に沿ったテーマであるため、「将来の成長産業に早めに投資したい」という考えを持つ投資家に向いています。新技術や産業トレンドに関心がある人ほど、EV株投資の魅力を感じやすいでしょう。
次に、中長期目線で保有できる投資家です。EV株は、政策変更や競争激化などの影響で株価が大きく上下する場面があります。そのため、短期の値動きに振り回されず、数年単位で成長を待てる投資姿勢が重要になります。EV市場全体の拡大や企業の技術進展を信じて、腰を据えて保有できる人に適した投資対象です。
また、分散投資としてEV関連を組み込みたい人にも向いています。EV株は、自動車メーカーだけでなく、電池、半導体、部品、素材など幅広い業種にまたがるため、ポートフォリオの一部として組み込むことで成長要素を加えることができます。特定の銘柄に集中するのではなく、複数のEV関連分野に分散させることで、リスクを抑えながら成長機会を狙うことが可能です。
このように、EV株投資は「将来性のある分野に投資したい」「中長期で資産形成を考えている」「成長テーマをポートフォリオに取り入れたい」と考える投資家に適した選択肢といえます。一方で、短期の安定収益を重視する人や値動きの大きさに耐えられない人には、慎重な判断が必要となるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. EV株は今からでも遅くない?
EV株はすでに注目されて久しいテーマですが、「今からでは遅い」と一概には言えません。EV市場はまだ成長途中にあり、世界全体で見るとEVの普及率はガソリン車・ハイブリッド車に比べて限定的です。
今後も環境規制の強化、電池コストの低下、充電インフラの整備が進むことで、中長期的な市場拡大余地は残されていると考えられます。
ただし、すべてのEV株が同じように成長するわけではありません。競争が激化する中で、勝ち残る企業と淘汰される企業が分かれていく可能性があります。そのため、「EVというテーマ」だけでなく、企業ごとの技術力・財務状況・戦略を見極めることが重要です。
Q2. 個別株とETFはどちらが良い?
EV株投資では、個別株とETFのどちらを選ぶかは投資スタイルによって異なります。
個別株は、特定企業の成長を大きく享受できる反面、業績悪化や競争敗北による株価下落リスクも高くなります。銘柄分析ができ、リスクを取ってリターンを狙いたい人に向いています。
EV関連ETFは、自動車メーカー、電池、半導体、素材など複数のEV関連企業に分散投資できるため、リスクを抑えながらEV市場全体の成長を取り込みたい人に適しています。
「EV市場そのものの成長を信じたい」場合はETF、「特定の有望企業に賭けたい」場合は個別株、という考え方が基本になります。
Q3. 短期投資と長期投資、どちらに向いている?
EV株は、基本的には中長期投資に向いているテーマといえます。EV市場は政策・技術・インフラ整備など複数の要素が絡み合って成長していくため、成果が出るまでに時間がかかるケースが多いからです。
一方で、決算発表、新モデル発表、補助金政策の変更などをきっかけに、短期的に株価が大きく動く場面もあります。そのため、短期売買で値幅を狙う投資家にとってもチャンスがないわけではありません。
ただし、値動きは不安定になりやすいため、初心者の場合は「長期目線で少額から」「分散投資を意識して」取り組む方が、EV株投資の特徴に合ったスタイルといえるでしょう。
まとめ|おすすめのEV株の考え方
おすすめのEV株を考える際は、完成車メーカーだけでなく、電池・半導体・部品などの周辺産業も含めて捉えることが重要です。EV市場は多くの企業が関わるエコシステムで成り立っており、どの分野が成長するかは時期によって異なります。
また、EV株は将来の成長が期待される一方で、競争激化や政策変更によるリスクも大きい分野です。そのため、成長性だけに目を向けるのではなく、リスクを理解した上で自分の投資スタンスに合った判断を行うことが大切です。
さらに、EV市場は技術革新や各国の政策動向によって環境が変わりやすいため、市場ニュースや企業戦略を定期的にチェックする姿勢が、EV株投資で後悔しないためのポイントとなります。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。