住友金属鉱山株価の予想:2026年の強気・弱気シナリオを徹底分析
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住友金属鉱山株価の予想:2026年の強気・弱気シナリオを徹底分析

著者: 高橋健司

公開日: 2026-01-21

住友金属鉱山は、銅・ニッケル・金などの非鉄金属の製錬・資源開発を主力とする、日本を代表する資源関連企業です。鉱山の権益開発から製錬、材料供給までを一貫して手がけており、近年は電池材料や電子材料分野にも注力しています。


同社は東京証券取引所プライム市場に上場しており、資源セクターを代表する銘柄の一つとして、多くの機関投資家から注目されています。特に、世界的な脱炭素化やEV(電気自動車)の普及に伴い、ニッケルなどの需要増加が期待される点が特徴です。


投資テーマとしては、金属価格の動向が業績や株価に直結しやすい点が大きな魅力です。また、安定した配当方針を掲げており、中長期での値上がり益と配当収入の両方を狙う投資家から関心を集めています。


本記事では、住友金属鉱山株価の予想について、最近の株価動向、ファンダメンタルズ面、そして株価の見通しを詳しく解説します。

鉱山関連株

最新株価とマーケットの動き

最新のマーケット動向を見ると、住友金属鉱山(東証:5713)の株価は強い上昇トレンドを見せています。特に2025年末〜2026年初頭にかけて、非鉄金属価格や金価格の上昇を背景に株価の上昇が続いています。


1.株価の値動き

2026年1月6日には、地政学的リスクの高まりと金価格上昇を受けて株価が大幅に上昇。前日比で約7%超高となり、上場来高値を更新する場面も見られました。


同時期には、地政学リスクやリスクオン相場が追い風となり、非鉄市況の上昇を映して株価が強含み。一時8.000円台前後の水準を示す動きもありました。


一方で、過去には金価格の急落に連動して株価調整が入った局面もありましたが、直近では上昇局面が優勢です。


2.マーケット背景

金価格の上昇が株価を強力にサポートしています。金は安全資産として投資マネーが流入しやすく、菱刈鉱山など金鉱山を持つ住友金属鉱山はこれと連動しやすい性質があります。


また、銅や他の非鉄金属価格の上昇も同社の業績期待を支えています。非鉄金属は世界的なインフラ需要やEV・再生エネルギー関連需要の高まりで注目されており、資源セクター全体が買われている状況です。

今日の住友金属鉱山株価.png

ファンダメンタルズ分析

1.業績動向(直近データ)

住友金属鉱山の業績を見ると、売上高はここ数年で増加傾向が続いています。2024年度(2025年3月期)決算では、売上高が約1兆5.933億円と前年から約10%増加しました。これは資源価格の堅調さや製錬・素材事業の好調が背景にあります。


一方で、税引前利益は前年に比べ大きく減少しました。2025年3月期の連結税引前利益は約313億円と、前期比で約67%の大幅減少という厳しい結果になっています。これは金属価格の変動と在庫評価の影響などが重なったためと見られています。


直近の2025年度第1四半期(2025年6月末)決算を見ると、売上高は前年同期比で減少したものの、税引前利益・純利益ともに前年を上回る改善傾向が見られ、EPS(1株当たり利益)も前年同期の80円台から100円程度に伸長しました。


また、みんかぶが集計する進捗データでは、2026年3月期(今期)の経常利益の進捗率は64%程度となっており、前期実績比でも改善ペースが早いことが示されており、通期予想に対する進捗は順調です。


これらのデータから、業績は過去の落ち込みから回復傾向にあり、足元では改善の兆しが見られる一方、変動の激しい資源価格次第で業績が大きく変わる点は引き続きリスクとなります。


2.配当方針(最新の方針変更と予想)

住友金属鉱山は配当政策について、これまで「連結配当性向35%以上かつDOE(株主資本配当率)1.5%以上」を基本としていましたが、**2025年5月にこれを見直し、DOEの基準を「2.5%以上」に引き上げる方針変更を発表しました。これは株主還元の強化を狙ったものです。


配当予想については、2026年3月期(2025年度)の予想配当金額は年間合計131円となっており、増配傾向が続く見込みです。これは前期(2025年3月期)の104円から引き上げられたもので、持続的な利益改善を見込んだものとされています。


なお、配当利回りは株価動向によりますが、一定の水準で投資家に魅力的なインカムを提供する可能性があります。配当性向は高めではありますが、方針変更でDOE基準が強化されたことで配当還元重視の姿勢が明確になっています。


3.中期経営計画(2025〜2027年度)

住友金属鉱山は2025年度から2027年度を対象とした新たな中期経営計画「中期経営計画2027」を策定しました。この計画では、以下のような重点施策が掲げられています。


1) 事業環境変化への対応

  • 主要鉱山(ケブラダ・ブランカ銅鉱山・コテ金鉱山)の戦力化

  • 電池材料事業の再構築・競争力強化

  • 製錬事業の競争力向上


2) 次の成長への準備

  • ニッケル・銅・金の新規開発プロジェクト推進

  • リチウムイオン二次電池のリサイクル事業など新事業領域への参入

  • ROCE(投下資本利益率)重視のポートフォリオ管理


この中期計画は、資源価格変動という外部リスクを見据えつつ、長期的な企業価値向上と「世界の非鉄メタルリーダー」を目指す戦略を強化するものです。特に電池材料やリサイクルといった成長分野への投資が注目されます。


需給・商品市況と株価への影響

鉱物

1.非鉄金属(銅・ニッケル・金)の価格動向

a.銅価格:世界的に高騰

2025〜2026年にかけて銅価格は歴史的な高値圏で推移しています。ロンドン金属取引所(LME)では銅が1トン=13.000ドル前後と過去の高水準に達しており、これは地政学リスクや供給制約が背景です。こうした銅価格の上昇は、非鉄金属株全般、特に住友金属鉱山のような銅製錬・資源ビジネスを持つ企業にとってプラス材料となります。


銅は電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、データセンターなどの需要増で実需が強いほか、地政学的な供給懸念も価格を押し上げています。


一部市場アナリストは「価格は過度に上昇しており、将来調整リスクあり」との見方も示しています。


b.金価格:安全資産として歴史的高値

同じく金価格も上昇が継続しており、4.600ドル/トロイオンス近辺の高値圏で推移しています。これは世界の不透明感(地政学リスク、インフレ懸念など)が高まっているためで、住友金属鉱山の金関連事業への期待につながっています。


c.ニッケル価格:需給バランスはやや緩やか

ニッケル市場については、2025〜2026年も供給過剰の見通しが続くとされています。国際的な非鉄需給データでは、2026年の需給は供給が需要を上回る予測が出ており、価格に下押し圧力を与える可能性があります。


2.価格トレンドと株価への影響

非鉄金属株は一般的に銅価格と連動性が高く、価格上昇局面では株価が買われやすい構図です。例えば、2025年9月には銅価格急騰を背景に住友金属鉱山株が年初来高値を更新し、+11%超の上昇になる場面もありました。これは銅供給不安が背景です。


2025年末〜2026年初頭でも、金属価格の高騰が非鉄株全般を押し上げ、住友金属鉱山も株価の上昇圧力となっています。複数の報道で非鉄価格高騰を材料視した買いが入っている点が確認されています。


3.需給要因・市場環境

  • 銅の需給

    2025年は供給がやや余剰でしたが、2026年は供給逼迫予想もあり、価格を支える材料になっています。


  • ニッケルの需給

    ニッケルについては、2026年も供給過剰予想が続く見通しで、EVバッテリー需要など長期の成長はあるものの、短期的には価格上昇の勢いが抑制されるリスクもあります。


  • 金のドライバー

    地政学リスクやインフレ、中央銀行の金保有動向が金価格上昇を後押ししており、安全資産としての買いが強まっている点が特徴です。


4.地政学リスクと経済イベント

グローバルマクロ環境が不安定な状況は、金の買いと非鉄金属の需給懸念を同時に刺激しています。これが住友金属鉱山の株価に対して正負の両方の影響を与える可能性があります。


  • プラス面:非鉄価格高騰 → 業績改善期待 → 株価上昇

  • リスク面:需給バランスの崩れや市場調整 → 金属価格の急落 → 株価下押し


投資家向けのシナリオ別住友金属鉱山株価の予想

1.強気ケース

想定シナリオ:

金・銅など主要商品価格が高水準を維持し、今後も堅調な動きを続ける場合です。

  • 金価格の上昇が継続し、企業の利益期待が高まると予想されています。実際、ジェフリーズは金価格前提を従来より引き上げ、住友金属鉱山の2026年度の利益予想値を大幅上方修正し、目標株価を5.200円へ引き上げています。これは金価格前提を3.500ドルとした際の利益上積みを織り込んだ結果です。

  • 銅価格が比較的高止まりすれば、非鉄製品部門の利益改善が株価を押し上げる要因になります(銅価格は依然高水準圏で推移)。


予想株価レンジ(強気):

  • 7.500円〜8.500円以上

    ※主要市場・需給が好調でアナリスト強気評価が実現した場合。


根拠・理由:

  • アナリストの強気評価が現実化する(例:ジェフリーズの評価引き上げ)。

  • 商品価格が企業業績を押し上げる方向に働く


2.ベースケース(Base/Consensus Scenario)

想定シナリオ:

市場コンセンサス通りの業績推移や、金属価格が中立的〜やや堅調な範囲で推移する場合。

  • アナリスト予想の平均目標株価は約5.300円〜5.600円程度という水準で推移しています(複数社平均値)。

  • ゴールドマン・サックスも格付けを「中立(Neutral)」に引き上げており、目標株価を約4.400円に改めています。


予想株価レンジ(ベースケース):

  • 4.500円〜6.000円前後


根拠・理由:

  • 現状のコンセンサス予想を反映した平均目標株価エリア。

  • 金属価格がやや堅調だが、バブル的高騰までは至らない場合。


3.弱気ケース(Bearish Scenario)

想定シナリオ:

商品価格の下落や世界景気の減速、利益見通しの修正が発生した場合です。

  • 過去にはゴールドマン・サックスが「売り(Sell)」へ格下げし、目標株価を3.100円台に引き下げた実例があり、製品別利益率低下などを懸念材料としました。

  • ニッケル市場では需給が供給過剰傾向で価格が上昇しにくい見通しとされており、収益性が圧迫される可能性もあります。


予想株価レンジ(弱気):

  • 3.000円〜4.000円台まで下押しリスク


根拠・理由:

  • 主要金属価格が下落し、利益を押し下げる影響が顕在化する場合。

  • 世界景気後退や資源セクター全体の売りが強まる場合。


リスク要因(住友金属鉱山の株価予想で見る重要ポイント)

株価予想をするうえで、住友金属鉱山が直面する主なリスク要因は以下の3つです。これらは株価の変動幅や予想シナリオの実現可能性に大きく影響します。


① 商品価格の変動リスク

住友金属鉱山の業績・株価は、金・銅・ニッケルなどの国際商品価格に強く連動します。これらはロンドン金属取引所(LME)やCOMEXの市場価格が基準で、需給や国際政治、投機資金の動きにより大きく変動します。

  • 金属価格が上昇すると利益改善が期待され株価を押し上げる材料となりますが、急落すると利益が圧迫され株価を大きく下押しする可能性があります。

  • 実際、銅価格の急騰時には株価が年初来高値を更新した反面、価格変動が激しい期間は収益が不安定になる傾向があります。


こうした価格変動は同社の業績に直接影響し、予想レンジ幅も広くなる主要リスクです。


② 世界経済・為替の影響

住友金属鉱山は海外での生産・販売が多く、世界経済の景気循環や為替動向が事業収益に影響します。


a.世界経済

国際的な景気後退・需要減少は、工業用金属の需要を冷え込ませ価格下落に直結します。経済活動が鈍化すると銅・ニッケルなどの需要が減り、利益減少リスクが高まります。


例えば米国や中国など主要市場の成長鈍化は、鉱山会社の売上・利益にマイナス影響を与える可能性があります。


b.為替変動

同社の売上高・製品価格はドル建てが多いため、為替(円ドル)の変動が利益に影響します。


ドル高(円安)の場合は、海外売上高の円換算額が増え利益が押し上げられる可能性があります。


逆に円高になると、ドル建て利益を円換算した際に利益が減少するリスクがあります。


◎公式開示では、例えば銅価格が100ドル変動すると約34億円、為替が1円動くと約11億円の利益変動が見込まれるなど、為替と商品価格は業績・株価に直結する水準であることが示されています。


③ 企業固有のリスク

a.事業投資・資源開発のリスク

住友金属鉱山は鉱山開発や製錬設備への投資が不可欠であり、開発コスト上昇・資源探査リスクが存在します。地政学的な影響や環境規制でコストが膨らんだり、採算性の低い鉱床の開発断念などが起こると、投資回収が遅れ利益を圧迫するリスクがあります。


b.オペレーショナルリスク(事故・災害)

鉱山・製錬所では設備故障、災害、事故などの操業停止リスクが常にあります。


こうしたリスクが発生すると生産量が低下し、収益悪化やコスト増につながる可能性があります。


c.規制・環境・社会リスク

世界各国で環境規制が強化されており、鉱山・製錬事業への対応コストやコンプライアンス費用が増加する可能性があります。


また、特定プロジェクトへの収益依存が高い場合、社会的・環境的な対立や規制強化による事業遅延リスクも考慮が必要です。


d.競争リスク

バッテリー材料や先進材料分野では競争が激しく、他社との競争による価格下落圧力やシェア低下も利益圧迫要因になる可能性があります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 住友金属鉱山の株価は今後上がりますか?

株価は銅・金・ニッケルなどの国際商品価格や世界経済動向、為替変動に強く左右されます。


強気シナリオでは7.500円〜8.500円以上、ベースケースで4.500円〜6.000円、弱気では3.000円〜4.000円台のレンジで推移する可能性があります。


Q2. 配当は安定していますか?

住友金属鉱山はDOE(株主資本配当率)基準を2.5%以上に設定しており、増配傾向が続いています。2026年3月期の予想配当は年間131円で、前期104円から増加予定です。


配当性向は高めですが、株主還元意識は強く、安定したインカム投資も期待できます。


Q3. 株価が大きく変動する要因は何ですか?

主な要因は以下の通りです:

  • 商品価格変動(銅・金・ニッケルなど)

  • 世界経済の景気循環や為替

  • 企業固有リスク(鉱山開発コスト、規制、災害など)


特に銅価格は株価と連動性が高く、需給バランスが崩れると株価が急落することもあります。


Q4. 今買うべきですか?

投資判断はリスク許容度・投資期間・金属価格見通しを考慮する必要があります。


株価は需給・世界経済・為替の影響で変動幅が大きく、短期的には大きな上下動の可能性があります。


長期的には中期経営計画や成長分野(電池材料・リサイクル事業)への投資が期待材料になります。


Q5. 株価予想の根拠は何ですか?

主な根拠は以下です:

  • アナリスト予想・平均目標株価(4.500円〜6.000円)

  • 金属価格や世界景気の想定シナリオ

  • 配当政策や中期経営計画の業績見通し


シナリオ別に株価レンジを設定しており、強気・弱気・ベースケースを踏まえた幅広い予想を提示しています。


Q6. どのような投資家向きですか?

主に以下のような投資家向きです:

  • 金属価格や資源セクターの動向に注目する投資家

  • 配当によるインカム投資を重視する投資家

  • 長期的な成長(電池材料やリサイクル事業など)を狙う投資家


結論:住友金属鉱山株価の予想

1.投資判断のポイント

住友金属鉱山の株価は、金・銅・ニッケル価格、為替、世界経済、企業固有リスクに大きく左右されます。これらを踏まえ、シナリオ別の株価レンジを確認することが重要です。


2.中長期目線の推奨スタンス

  • 強気材料が揃う場合は長期保有で利益拡大を狙える

  • リスク許容度が低い場合は、株価変動リスクに注意しつつベースケースの範囲で分散投資が無難


3.今後注目すべきイベント

  • 金属価格の動向(LME・COMEXなど)

  • 世界経済指標や為替の変動

  • 四半期決算発表や鉱山・製錬事業の新規プロジェクト


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。