信用口座とは?仕組み・リスク・開設条件をわかりやすく解説
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信用口座とは?仕組み・リスク・開設条件をわかりやすく解説

著者: 佐藤拓也

公開日: 2026-02-14

信用口座とは、証券会社から資金や株式を借りて取引を行うことができる、証券取引口座の一種です。現物取引のみ可能な「現物口座」とは異なり、「買い」だけでなく「売り」からも取引を開始できるなど、投資戦略の幅を広げる反面、リスクも大きくなるため、その仕組みを正しく理解することが不可欠です。本記事では、信用口座の基本構造から「制度信用」と「一般信用」の違い、具体的な取引の流れ、そして最大の関門である追証(おいしょう)リスクを含む注意点まで、初心者にも分かりやすく解説します。

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「信用口座とは」を理解するための4つの核心ポイント

  • 「借りて取引する」ことが基本: 信用口座とは、証券会社からお金を借りて株式を買う(信用買い)、または株式を借りて売る(信用売り/空売り)ための口座です。自己資金以上の取引が可能ですが、借りたものには金利(信用金利)や貸株料が発生します。

  • 「制度信用」と「一般信用」の2つの枠組み: 制度信用は、証券金融会社が関与する公的な制度で、返済期限が6ヶ月と決まっています。一方、一般信用は各証券会社が独自に提供するもので、返済期限がより柔軟な反面、金利や対象銘柄は証券会社ごとに異なります。

  • 「委託保証金」が生命線: 信用取引には、自己資金から預ける委託保証金が必要です。この保証金に対する取引規模の比率が実質レバレッジとなり、価格変動により保証金が不足すると「追加保証金(追証)」の入金を求められます。

  • 「買い」も「売り」も可能な両刃の剣: 相場が上昇しても下落しても利益を追求する機会を提供しますが、予想と反した場合の損失もレバレッジによって拡大します。リスク管理が最も重要となる取引手段です。


信用口座の詳細な仕組みと取引フロー

1. 信用取引の2つの種類

  • 信用買い(買建): 証券会社から購入資金を借りて株式を購入します。将来、その株を売却して借入金(元本+信用金利)を返済します。株価上昇が予想される場合に利用します。

  • 信用売り(売建/空売り): 証券会社から株式を借り、それを市場で売却します。将来、同数の株式を市場で買い戻して証券会社に返却します。株価下落が予想される場合に利用します。


2. 取引開始から決済までの流れ(例:信用買い)

  • 委託保証金の入金: 取引したい金額の一定率(例:30%)以上の保証金を口座に入金します。

  • 注文発注: 信用口座を通じて買い注文を出します。この際、返済期限(制度信用なら6ヶ月以内)と金利タイプを選択します。

  • 建玉(ポジション)の保有: 注文が約定すると「建玉」が発生します。保有中は、借入金に対して信用金利が日々発生します。

  • 返済(決済): 返済期限までに、反対売買(建玉を売る)を行って決済し、借入金と利息を支払います。差額が利益または損失となります。


「制度信用」と「一般信用」の主な違い比較表

比較項目 

制度信用 

一般信用(証券会社信用) 

根拠 

貸借取引制度に基づく 

各証券会社の独自ルール 

返済期限 

原則6ヶ月(品受日指定有り) 

無期限に近い場合が多い(証券会社による) 

金利(買い) 

日本証券金融(日証金)が公表する貸借金利に基づく 

証券会社が独自に設定(制度信用より高い場合が多い) 

売建(空売り) 

可能(但し、貸株リストに掲載されている銘柄に限定) 

可能な銘柄は制度信用より少ない場合が多い 

主な利用者 

個人・機関を問わず広く利用 

証券会社のルールに同意した投資家 


信用口座のコストと最大のリスク「追証」

  • 主要なコスト:

  1. 信用金利(買方金利): 信用口座で買い建てを行う際にかかる、資金を借りるコストです。

  2. 貸株料(売方金利): 信用口座で売り建てを行う際にかかる、株式を借りるコストです。

  3. 品貸料: 信用売りで借りた株式を、証券会社がさらに他者に貸し出す際に発生する料金です(キャッチボール配当調整含む)。


最大のリスク:追証(追加保証金):

保有する建玉の評価損が拡大し、委託保証金の維持率が証券会社の定める水準(最低保証金維持率)を下回ると、不足額を追加で入金するよう求められます。これが追証です。これに対応できない場合、証券会社は強制的に建玉を決済(ロスカット)します。これは信用口座利用における最大の関門です。


信用口座を安全に利用するための3つの原則

  1. レバレッジは控えめに: 保証金に対して最大限の取引は、少しの価格変動で追証が発生する危険な状態です。余裕を持った資金計画を立てます。

  2. 必ず「損切り」の意思決定を: 信用口座での取引では損失が理論上無限に膨らむ可能性(特に空売り)もあります。あらかじめ損失許容額を決め、ルールに従った決済を心がけます。

  3. 返済期限とコストを常に意識: 特に制度信用は返済期限が迫ると、不利な価格でも決済を迫られる場合があります。金利・貸株料も保有コストとして計画的に管理します。


よくある質問(FAQ)

Q1: 信用口座を開設するにはどのような条件が必要ですか?

A: 一般的に、未成年では開設できず、証券会社によっては取引経験年数や年収・純資産の基準を設けている場合があります。また、リスクを理解していることを確認するために、信用取引に関する適性診断(テスト) に合格する必要があります。


Q2: 信用売り(空売り)で配当金はどうなりますか?

A: 信用口座で売り建てを行い、株式を借りている期間中に配当落ち日が来ると、借りた株式の配当金相当額を支払う義務が生じます。これを「配当調整金」または「品貸料(配当調整分)」と呼び、取引コストの一部となります。


Q3: 追証はどのくらいの値動きで発生しますか?

A: 発生するタイミングは、預けた委託保証金の額、建玉の規模(レバレッジ)、および証券会社が定める最低保証金維持率によって大きく異なります。例えば、保証金維持率が20%とすると、建玉の評価損が保証金の8割に達する前に追証が発生します。証券会社のシミュレーションツールで事前に確認することが可能です。


Q4: 信用取引の利益に対する税金は何ですか?

A: 信用口座で得た売却益は、現物取引と同様に申告分離課税の対象となり、税率は所得税15.315%、住民税5%の合計20.315%です(復興特別所得税を含む)。年間で確定した損益は他の証券売却損益と通算できます。


まとめ:

信用口座とは、機会を拡大する強力な道具であると同時に、自己資金以上の損失リスクを伴う危険性も内在するものです。その本質は「借りる」ことにあり、借りるコストと返済義務、そして相場の逆風による「追証」という重いリスクを正しく認識し、管理できてはじめて有効に活用できます。興味本位や安易な気持ちで始めるのではなく、まずは現物取引で相場感を養い、その後でも少額から始め、その仕組みと自身のメンタルを慎重に検証しながら扱うことが、長期で市場に生存する投資家への道です。


免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。