公開日: 2026-01-16
エヌビディア(NVIDIA)は、AI(人工知能)やデータセンター向けGPU分野で世界をリードする半導体企業です。特に生成AIの普及により、エヌビディア製GPUの需要は急増しており、世界の半導体市場全体に大きな影響を与えています。
こうした中で注目されているのが「エヌビディア関連の日本株」です。これは、エヌビディアに直接出資している企業だけでなく、半導体製造装置、材料、電子部品、データセンター関連分野などで、エヌビディアの成長と間接的に関わる日本企業を指します。エヌビディアのGPU生産が増えるほど、これら日本企業の製品やサービスへの需要も高まりやすくなります。
また、米国株であるエヌビディアそのものは株価水準が高く、値動きも大きいため、リスク分散の観点から日本株に注目する投資家が増えている点も特徴です。円安の追い風や日本企業の高い技術力を背景に、エヌビディア関連の日本株はAI時代の成長テーマとして関心を集めています。

なぜ今、エヌビディア関連の日本株が注目されているのか
1. AI・データセンター投資が急拡大
生成AI(ChatGPT など)の普及により、AIモデルを動かすための GPU搭載データセンターへの投資が世界的に急増しています。この需要増は、エヌビディアのGPUがAI用途で不可欠な存在であることを背景にしています。
日本でもクラウド事業者や通信企業がエヌビディアの技術を導入したAIインフラの構築を進めており、関連市場が盛り上がっています。
2. GPU需要増加が半導体装置・素材企業にも波及
エヌビディアのGPU需要が高まると、GPUを製造するための 半導体装置やテスト機器、材料 に対する需要も一緒に増えます。例えば、日本の 半導体検査装置大手のAdvantest は、AI向けチップ製造での需要増によって株価が上昇しています。
こうした企業は、エヌビディアの成長トレンドを背景に市場から注目されるようになっています。
3. 円安・競争力ある日本企業の存在感
世界的なAIインフラ需要の高まりは、光ファイバーや電子部品、半導体材料など日本が強みを持つ分野にも恩恵をもたらしています。日本企業は世界の供給網の中で重要な役割を果たしており、そうした点が投資家から評価されています。
また、円安の影響で海外売上の利益が増える可能性も、日本株の魅力を高める一因になっています。

エヌビディア関連の日本株【主要セクター別】
1.半導体製造装置関連
ポイント
エヌビディアのGPUの生産量が増えるほど、高性能半導体チップを製造するための装置需要も増えます。こうした装置は前工程・後工程ともに精密な装置が必要で、日本企業は世界的にも強い存在感を持っています。
具体例
SCREENホールディングス(株式会社SCREEN Holdings)
半導体製造装置を手がける企業で、製造過程の重要な工程を支えています。
Kokusai Electric
長年にわたり半導体製造装置を提供してきた企業で、AIブームを背景に装置需要の拡大が期待されています。
こうした企業の株は、最先端チップ増産の裾野として恩恵を受ける可能性があります。
2. 半導体材料・部材関連
ポイント
高性能GPUやAIチップの製造には、ウエハー、フォトレジスト、各種化学材料、精密部材が不可欠です。これらは高い品質が求められるため、供給側の技術力が重視されます。
状況・背景
日本企業はフォトレジストや封止材(EMC)、シリコンウエハーなどで世界市場に強いシェアを持ち、AI向けメモリの製造チェーンでも重要な役割を果たしています。
特にAI用メモリ(HBMなど)製造過程では、日本の材料・部材が重要な位置を占めています。
関連銘柄の例
信越化学工業(シリコンウエハー、化学材料)
東京応化工業(フォトレジスト素材)
※専業素材メーカーは細かく分かれるため、用途別の特性を押さえることが大切です。
3. 半導体・電子部品メーカー
ポイント
AI・データセンター向けの需要増は、GPUだけでなく電子部品全般の需要も拡大します。高付加価値部品やテスト装置は、チップ完成後の品質保証にも不可欠です。
具体例
アドバンテスト(Advantest)
ICテスト装置を手がける大手で、半導体製造ラインで最後にチップの品質を検査する重要装置を提供しています。世界中の設備に使われ、AI半導体の増産の恩恵を受けやすい銘柄と見られています。
ディスコ(DISCO)
ウエハーを微細加工する機器を製造する企業で、前工程での高精度加工がAIチップ向けにも求められています。
これらは、製造装置だけでなく電子部品・加工装置を通じて、AI・GPUブームの恩恵を受けられる可能性があります。
4. データセンター・インフラ関連
ポイント
生成AIや大規模モデルが普及するにつれ、世界的に データセンター建設・更新投資が急増しています(人気テーマランキングでもデータセンター関連が上位)。
受注・需要先(周辺)
GPUサーバーの増設によって 電力供給、冷却装置、光ファイバー、通信機器 などのインフラ需要が拡大します。
藤倉(Fujikura) のように光ファイバー関連製品がAIデータセンター投資で急伸した例もあり、日本企業のインフラ関連株にも注目が集まっています。
関連インフラ分野の例
光ファイバー/通信インフラ
データセンターとクラウド接続の増加で需要が増加中。
送配電・電力機器
大量の電力を要するデータセンター向け設備の拡張に対応。

エヌビディア関連株が持つ共通した特徴
1.業績がエヌビディアの成長と連動しやすい企業の共通点
① AI・データセンター需要の恩恵を受ける構造
エヌビディアのGPU需要やAIインフラ投資の拡大は、単にチップ設計会社だけでなく、半導体製造・検査装置、材料、パッケージ基板企業などにも波及しています。例えば、AI用半導体の複雑化で検査工程の需要が増え、検査装置メーカーは成長機会が拡大しています。
② 先端技術・サプライチェーンへの関与
日本企業の多くは、半導体サプライチェーンの素材や装置の分野で世界的な競争力を持っています。フォトレジストやパッケージ基板など、日本企業が強みを持つ部分は、AI半導体の生産裾野で重要な役割を果たしています。
2. 受注残・設備投資・研究開発費の見方
① 受注残・設備投資:需要トレンドの先行指標
半導体や装置メーカーでは、受注残(既に受けた発注の未処理分)や設備投資計画が今後の成長を予測する重要な材料になります。
AI向け半導体の増産はサーバー用設備投資の継続を促し、関連装置や検査機器の受注が拡大しているとの見方もあります。
見るべき点
受注残の増加傾向:GPU増産やAI投資拡大の波が来ているか
設備投資計画の増加:工場拡張や新設備導入の計画があるか
② 研究開発費(R&D):競争力の源泉
AI関連の需要拡大は技術革新のスピードも早く、日本企業は素材・検査装置・精密加工の技術開発に注力しています。競合他社との差別化や次世代技術対応力を見るうえで、R&D投資の動向は重要です。
見るべき点
R&D投資の積極度(新技術や次世代材料・装置への対応)
技術ロードマップの明確性(AI半導体時代に対応可能か)
3. 中長期で評価されやすいポイント
① 世界的なAIインフラ需要の持続性
AI半導体やデータセンター需要は今後も長期的に拡大すると見られており、関連企業の継続的な成長余地が評価されます。特に、検査装置・材料・パッケージ基板といった分野はAIブームが終息しても高度な技術が必要なため、他用途にも展開可能です。
② 汎用性と応用領域の広さ
AI向けサーバー用だけでなく、今後はスマホ・PC等のオンデバイスAIの普及も予想され、関連技術・製品は幅広い市場に応用されます。これにより、特定の用途に依存しない成長の厚みがあることも中長期評価の観点です。
③ 政府支援と産業政策の影響
国内外で半導体産業への支援や補助金政策が進んでおり、設備投資の促進や供給網強化の恩恵を受ける可能性があります。特に日本では産業支援策が進み、長期的な競争力維持につながりやすい面があります。
投資する際の注意点とリスク
エヌビディア関連の日本株は成長テーマとして注目されていますが、一方でいくつかのリスクも理解しておく必要があります。特に、米国株であるエヌビディアの動向や半導体業界特有の性質は、日本株にも大きな影響を与えます。
1.エヌビディア株価調整時の影響
エヌビディアはAI関連銘柄の象徴的存在であり、株価の変動が市場全体のセンチメントに影響を与えやすい銘柄です。そのため、エヌビディア株が決算後などに大きく調整した場合、直接的な取引関係がなくても「関連株」として日本の半導体株が売られるケースがあります。業績が好調であっても、テーマ全体の調整局面では株価が一時的に下落する可能性があります。
2.半導体市況の循環性(シリコンサイクル)
半導体業界は、需要拡大と供給過剰を繰り返す「シリコンサイクル」と呼ばれる循環的な性質を持っています。AI需要が拡大している局面では業績が急成長しますが、設備投資が行き過ぎると、将来的に需給が緩み、装置・材料メーカーの受注が減少する局面が訪れることもあります。短期的な成長だけでなく、業界全体のサイクルを意識することが重要です。
3.期待先行による株価の過熱リスク
AIやエヌビディア関連というテーマ性が強い銘柄は、実際の業績以上に期待が先行し、株価が急上昇することがあります。その結果、PERなどの株価指標が割高になり、少しの材料で利益確定売りが出やすくなる点には注意が必要です。特に短期間で大きく上昇した銘柄は、調整幅も大きくなりやすいため、購入タイミングの見極めが重要になります。
エヌビディア関連の日本株は中長期投資に向いている?
結論から言うと、エヌビディア関連の日本株は「中長期の成長テーマとして意義がある」が、投資には複数の視点で判断が必要です。
① AI・半導体市場の長期成長シナリオ
世界のAI向け半導体需要は中長期でも拡大し続ける可能性が高いと、多くの機関投資家やアナリストが見ています。これは生成AIの普及やデータセンター投資の増加が背景にあり、AIインフラの需要は一過性ではなく継続的な成長テーマと捉えられています。
野村アセットマネジメントの分析でも、半導体産業は長期にわたって成長を続けており、これまでの歴史でもGDPを大きく上回る成長を遂げてきたとされています。今後もAI関連需要による成長余地が期待され、中長期投資の背景となっています。
また、世界最大の受託製造企業(TSMC)がAIチップ需要の増加を受けて巨額の設備投資を計画しているというニュースも出ており、半導体の需要拡大トレンドは他国企業の動きからも裏付けられています。
これらを踏まえると、日本のエヌビディア関連株もAI・半導体という中長期テーマの恩恵を受け得る可能性があると言えます。
② 短期売買と長期保有の考え方の違い
短期売買は材料や決算の影響を受けやすく、特にエヌビディアや半導体関連株は世界市場のセンチメント変化に敏感です。短期では需給や市場心理で株価が大きく動くことがあり、予想外の下落リスクもあります。
一方で、長期保有はAI・半導体という需要拡大をテーマとして捉え、市場成熟や設備投資の循環を見据えた投資戦略になります。長期で見ると市場全体の成長テーマと連動する可能性が高く、短期の値動きとは異なる評価軸が必要です。
③ 分散投資の重要性
エヌビディア関連株は成長テーマとして魅力的ですが、特定セクターへの集中投資はリスク管理の観点から注意が必要です。AI・半導体の成長期待が高まる一方で、需給の循環や市場環境の変化(例えば米中関係や関税懸念など)で全体相場が弱気になることもあります。
分散投資とは、複数のセクターや企業に分けて資産を配分することで、特定の企業・業界のリスクを抑える手法です。エヌビディア関連株に投資する場合でも、装置・材料・部材などサプライチェーン全体を意識したり、ETF・投資信託などでリスク分散を図ることが一般的な戦略になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. エヌビディア関連株は日本にも本当にある?
はい、日本にもエヌビディア関連株は存在します。
ただし、日本企業の多くはエヌビディアのようにGPUを設計・販売しているわけではなく、半導体サプライチェーンの一部を担う「間接的な関連企業」である点が特徴です。
具体的には、エヌビディアのGPUを製造・量産する過程で必要となる
半導体製造装置
検査装置
半導体材料・部材
データセンター向けインフラ
といった分野で、日本企業が世界的に高いシェアを持っています。
そのため、エヌビディアの成長=日本企業の受注増につながりやすい構造があり、これらが「エヌビディア関連の日本株」と呼ばれています。
Q2. 米国株のエヌビディアと日本株、どちらがリスクは低い?
一概にどちらが良いとは言えませんが、リスクの性質は異なります。
エヌビディア(米国株)
AIブームの中心銘柄で成長性は非常に高い
株価水準が高く、値動き(ボラティリティ)が大きい
決算や市場心理で短期間に大きく上下しやすい
エヌビディア関連の日本株
サプライチェーンの一部として間接的に成長の恩恵を受ける
単一企業への依存度が比較的低い
エヌビディア株ほど急激な値動きになりにくい傾向
このため、値動きの大きさを抑えたい場合は、日本株のほうが心理的な負担が小さいと感じる投資家もいます。一方で、リターンの大きさを狙うならエヌビディア株そのものを選ぶ、という考え方もあります。
Q3. 初心者はETFと個別株、どちらが良い?
投資初心者にはETF(上場投資信託)が向いているケースが多いと考えられます。
ETFのメリット
複数の半導体・AI関連企業に自動的に分散投資できる
個別企業の業績悪化リスクを抑えやすい
銘柄選びに時間をかけなくてもテーマ投資が可能
個別株のメリット
成長が当たった場合のリターンが大きい
企業ごとの強みや業績を深く分析できる
AI・半導体テーマは成長性が高い一方で値動きも大きいため、「まずはETFで全体に投資し、慣れてきたら個別株を組み合わせる」という方法は、多くの投資家にとってバランスの良い選択肢です。
まとめ
エヌビディア関連の日本株は、AIやデータセンター向け需要の拡大を背景に、世界的な成長テーマの恩恵を受けやすい点が大きな魅力です。日本企業は半導体製造装置や材料、電子部品などの分野で高い技術力を持ち、エヌビディアのGPU増産を支える重要な役割を担っています。
今後もAIの普及が進むことで、半導体やインフラへの投資は中長期的に続くと見られており、日本企業にとっても成長機会が広がる可能性があります。一方で、半導体市況の循環や株価の変動リスクには注意が必要です。
投資判断では、短期的な話題性だけでなく、業績の持続性や市場全体の流れを見極めることが重要です。分散投資を意識しながら、エヌビディア関連の日本株を中長期視点で検討することが、安定した投資につながります。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。