公開日: 2026-01-06
マクドナルドは世界100カ国以上で展開する外食チェーンで、圧倒的なブランド力と安定した集客力を持っています。景気が悪化しても比較的売上が落ちにくく、ディフェンシブ銘柄として評価される点が特徴です。また、長年にわたり配当を重視した株主還元を行っており、安定収益を求める長期投資家から高い人気を集めています。
マクドナルドの企業概要とビジネスモデル
マクドナルドは、直営店よりもフランチャイズを中心としたビジネスモデルを採用しており、安定したロイヤルティ収入を得ています。店舗用不動産を自社で保有・管理するケースも多く、賃料収入による収益の安定性が強みです。さらに世界各国に展開しているため、特定の国や地域の景気に左右されにくい点も特徴です。

マクドナルド株の株価推移と現在の評価
1.株価トレンド(米国株)
米国のマクドナルド(ティッカー:MCD)は直近1年で概ね堅調に推移しており、2025年末時点で株価は約300ドル前後で推移しています。52週の範囲では約276ドル〜326ドルのレンジでした。
過去5年間のトータルリターンは約67%と長期でもプラスのパフォーマンスとなっています。
2.バリュエーション指標(米国)
米国株のPER(株価収益率)は約25〜26倍と、過去10年の平均PER(約25.9倍)とほぼ同水準です。これは過去の平均並みの評価と言えます。
配当利回り(直近12か月)はおおよそ2.4%前後で、S&P 500平均を上回ることもあり、配当狙いの投資家からの注目度が高い水準です。
3.株価トレンドの位置づけ
株価は歴史的な高値圏にあり、割高感を指摘する評価も存在しますが、PER水準は平均的で、割高か割安かは分析により意見が分かれます。
アナリストの評価コンセンサスは「Hold(現状維持)」が多く、極端な買い推奨ではない状況です。
4.日本株(日本マクドナルドホールディングス 2702) の参考情報
日本のマクドナルド株は約6.300円前後で推移しており、直近52週では約5.420円〜6.710円の範囲です。
PERは約26〜28倍、PBRは約3.3倍前後で、国内でも比較的高めの評価水準です。
配当利回りは約0.8〜0.9%程度と、日本市場では控えめな水準です(こちらは国内配当政策による違いが影響しています)。

業績・成長性のポイント(最新の状況)
1.既存店売上の動向
マクドナルドでは、既存店売上高(いわゆる Same-Store Sales)が世界的に堅調な伸びを維持しています。たとえば、米国を含むグローバル既存店売上高は2025年第2四半期に 約3.8%増加 と、市場予想を上回る成長を見せました。これは 低価格帯メニューの導入やキャンペーンが集客に寄与したため と報じられています。
また、日本マクドナルドでも既存店売上高が前年を上回る成長が続き、35四半期連続プラス成長という実績も報告されています。これらは客数だけでなく、客単価の上昇にも支えられている点が特徴です。
2.デジタル化(モバイル注文・デリバリー)の効果
マクドナルドはデジタル化に積極的で、モバイルアプリやデリバリー注文が売上の重要な柱になっています。
米国などの主要市場において、デジタル経由の売上が全体の約40%以上を占めるという報告もあります。これにより、顧客の利便性が上がり、来店頻度・注文頻度の向上につながっています。
また、グローバルでは loyalty(ロイヤルティ)プログラムの利用者数が増え続け、アクティブユーザー数が1億7500万人以上に達しており、リピート顧客の育成にも寄与しています。
3.新メニュー・価格戦略の影響
マクドナルドは定番商品に加えて、期間限定メニューや話題性の高い商品を定期的に投入しています。日本でも「チキンタツタ」や「てりやきマックバーガー」など人気メニューの再投入が売上増加に貢献しています。
一方、米国では「$5ミール」など 低価格のバリューメニュー戦略 が顧客を呼び戻し、結果として 平均支出額(客単価)の底上げにつながるケースが報告されています。
一部では、デリバリー料金や価格上昇に対する消費者の不満も指摘されていますが、同社としては価格のバランスを取りながら価値提供を進めていく方針です。
配当・株主還元の魅力(最新の状況)
1.配当実績と連続増配の状況
a.米国マクドナルド(MCD)
マクドナルドは四半期ごとに配当を支払い、直近では1株あたり約$1.86(約260円前後)の配当が支払われています。2025年12月の支払いも同額でした。
同社は2025年10月に配当を約5%引き上げし、年間ベースで約$7.44に増配しました。これは49年連続の年間配当増加という長い歴史を持ち、安定的な株主還元が続いています。
現在の配当利回りは約2.3〜2.4%と、S&P 500平均より高い水準で推移しています。
長期の成長率(CAGR)でも配当はしっかり増加しており、過去5〜10年で平均的に成長しています。
評価ポイント:世界的なブランド力と長期的なキャッシュ創出力を背景に、歴史的な「連続増配銘柄」として安定性が高い配当株と見なされています。
b.日本マクドナルドホールディングス(2702)
日本株も企業予想で年間配当56円と発表されています(2025年度予想)。
配当利回りは約0.8%前後と、米国株と比べるとやや控えめです。
配当性向は約20〜24%程度で、利益を確保しつつ配当を維持するという方針がうかがえます。
日本株では配当だけで大きな収益を狙うより、株主優待や価格上昇と合わせたトータルリターン重視の投資判断がしばしば検討されます。
評価ポイント:安定配当を維持しているものの、日本株では利回りが低めのため、インカム目的のみでの積極買いはやや弱い面があります。
2.自社株買いの状況
米国マクドナルドは配当だけでなく自社株買いも積極的に実施しており、2025年9月までの期間で約5億ドル超の自社株買いが行われています。これにより1株当たり利益や株主還元の質が高まる効果が期待されています。
評価ポイント:配当+自社株買いという二本柱の株主還元策 により、株主価値の向上につながる可能性があります。
3.インカム投資としての評価
安定性の高い配当実績
マクドナルド(米国)は50年近い連続増配という安定性が最大の魅力で、景気変動時でも配当が維持されやすい構造です。
割安ではないが堅実
配当利回りは高配当株と比べると中程度(約2.3〜2.4%)ですが、事業の長期的安定性やブランド価値を考えると インカム投資の候補として評価されます。
日本株との違い
日本株(2702)の配当利回りは低めですが、株主優待と組み合わせた戦略が検討されます。

マクドナルド株のリスク要因
① 原材料価格・人件費の上昇
コスト上昇は利益率の圧迫につながる可能性があります。
世界的に原材料価格や物流費、人件費の上昇が続いており、特に肉類や小麦価格などの変動がマクドナルドの収益を左右する要因として挙げられています。また、最低賃金の引き上げなど労働コストの上昇は、利益率を圧迫する重要なリスクです。価格転嫁を進める一方で、高価格設定が消費者の購買意欲を低下させる懸念もあります。これらは利益改善の重荷となる可能性があります。
② 為替変動の影響
為替レートの変動が収益に影響するリスクがあります。
マクドナルドは世界各国で売上を上げているため、ドルやユーロ、円など為替の影響を受けやすい構造です。特に海外での売上をドル換算する際、為替がドル安・円高方向に動くと、利益や売上高が減少して見えるリスクがあります。また、原材料の輸入コストも為替変動で膨らむ可能性があり、収益面での不確実性要因となります。
③ 消費者嗜好の変化・競争激化
消費者の志向変化や競合他社との競争が強まっています。
健康志向の高まりやファストカジュアルレストランの人気拡大といった消費者の価値観の変化は、従来のハンバーガービジネスにとって逆風です。若年層を中心にヘルシーやサステナブル重視のメニューを求める動きがあり、マクドナルドはこれに対応する必要に迫られています。
また、バーガーキングやウェンディーズ、チキン専門店(例:チック-フィレイ等)といったライバル企業がメニューの多様化やデジタルサービスを強化しており、価格競争やマーケットシェアを巡る競争が激化しています。こうした競争環境が利益成長やブランド力に影響する可能性があります。
マクドナルド株はどんな人に向いているか
● 長期保有を前提とした投資家
マクドナルド株は、短期間で大きな値上がり益を狙う銘柄というより、時間をかけて安定的に資産を増やしたい長期投資家向けの銘柄です。世界的なブランド力とフランチャイズ中心の収益構造により、景気循環の影響を受けにくく、長期で見れば比較的安定した株価推移が期待できます。頻繁な売買を行わず、数年単位で保有したい人に向いています。
● 配当と安定性を重視する人
マクドナルドは長年にわたり配当を重視した株主還元を行っており、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家に適しています。特に米国株では連続増配の実績があり、株価の値動きよりも「安定した配当を受け取りたい」という人にとって魅力的な選択肢です。高配当ではないものの、継続性を重視する人に向いています。
● 景気変動リスクを抑えたい人
外食産業の中でもマクドナルドは価格帯が比較的低く、景気後退局面でも一定の需要が見込めるディフェンシブ性があります。そのため、景気敏感株や成長株への投資に不安を感じる人や、ポートフォリオ全体のリスクを抑えたい人に適しています。相場が不安定な局面でも、比較的安心して保有しやすい銘柄といえます。
よくある質問(FAQ)
Q1. マクドナルド株は少額から買える?
はい、米国マクドナルド(MCD)は米国株のため、証券会社によっては1株単位から購入できます。ただし株価は比較的高めのため、数万円〜数十万円の資金が必要になるケースがあります。
一方、日本マクドナルドホールディングス(2702)は通常100株単位での購入となるため、まとまった資金が必要です。少額で始めたい場合は、米国株や単元未満株サービスの活用が検討されます。
Q2. 日本マクドナルドと米国マクドナルドの違いは?
運営主体と投資の性質が異なります。
米国マクドナルドは世界全体のフランチャイズを統括する本体企業で、安定した配当と長期成長が特徴です。一方、日本マクドナルドは日本国内事業に特化しており、業績は国内消費や為替の影響を受けやすい傾向があります。
また、米国株は配当重視、日本株は株主優待を含めた総合評価で検討されることが多い点も違いです。
Q3. 配当目的でも買う価値はある?
米国マクドナルド株は配当目的の投資先として評価されています。
長年にわたる連続増配の実績があり、配当の安定性を重視する投資家には向いています。ただし、利回りは極端に高いわけではないため、「高配当狙い」よりも「安定配当狙い」の投資に適しています。
日本株の場合は配当利回りが低めなため、配当単独よりも株主優待や値上がり益を含めた判断が必要です。
結論:今、マクドナルド株は買うべきか
短期目線では、株価は高値圏で推移しているため、大きな上昇余地は限定的と見られます。短期売買を目的とする場合は、無理に追いかけて買う局面ではないでしょう。
中長期目線では、安定した収益基盤と配当実績があり、長期保有には向いた銘柄といえます。多少の株価変動があっても、時間を味方につけた投資が期待できます。
投資戦略別では、長期投資家は少額ずつ買い進める方法が現実的で、慎重派の投資家は相場調整時の押し目買いを待つ選択が適しています。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。