近年、株式市場の変動が激しい中で、安定した資産運用を考える投資家の間で「日本国債ETF」が注目されています。日本国債ETFとは、国が発行する日本国債に投資する上場投資信託(ETF)のことで、少額から手軽に国債投資ができる点が特徴です。
低リスク資産として人気が高まっている背景には、株式市場の不安定さや金利動向の影響を受けにくい安定性があります。特に初心者や年金・退職資金などの長期運用を考える人に向いています。
この記事では、
日本国債ETFの仕組み
投資のメリット・デメリット
購入方法や選び方
などを初心者でもわかりやすく解説し、安心して投資を始められる知識を提供します。

日本国債ETFの基本
1. 定義
日本国債ETFとは、上場投資信託(ETF)の一種で、主に日本政府が発行する国債に投資する金融商品です。ETFなので株式のように証券取引所で売買でき、少額から国債に投資できる点が特徴です。個別の国債を買うより手軽で、初心者でもアクセスしやすい投資方法です。
2. 仕組み
日本国債ETFは、複数の日本国債を組み合わせて一つのファンドにまとめています。投資家はETFを購入することで、そのファンドが保有する国債全体に間接的に投資することになります。この仕組みにより、一つの国債に集中投資するリスクを避け、分散効果によって安定した運用が可能になります。
3. 特徴
低リスク:国債自体が元本保証に近く、国の信用力に支えられているため、株式や社債に比べて価格変動が小さいです。
流動性がある:ETFなので証券取引所でいつでも売買でき、現金化もしやすいです。
手軽に購入可能:証券口座があれば個人でも簡単に購入でき、少額から分散投資ができる点が魅力です。
日本国債ETFのメリットとデメリット
日本国債ETFには、低リスクで安定した投資先としてのメリットがあります。まず大きな特徴は元本の安全性です。国債自体が日本政府の信用力に支えられているため、株式や社債に比べて価格変動が小さく、安定した資産運用が可能です。また、ETFは複数の国債に分散投資しているため、一部の国債の利回りや価格が変動してもリスクが分散され、投資全体の安定性が高まります。
さらに、日本国債ETFは配当や利息収入が手軽に得られる点も魅力です。ETFを保有するだけで定期的に利息収入を受け取ることができ、証券口座を通じて簡単に売買できるため、現金化もしやすく、少額から始められる投資としても便利です。
一方で注意すべき点もあります。まず、利回りは低めで、株式などのリスク資産に比べて大きな利益は期待できません。また、金利変動リスクも存在します。市場金利が上昇すると、既存の国債価格は下落するため、ETFの価格も影響を受ける可能性があります。なお、基本的に日本国債ETFは為替リスクがありませんが、外国資産を含むETFの場合は為替リスクが生じることもあります。
総じて、日本国債ETFは「安定性重視」「リスクを抑えた運用」を目的とする投資家に適した商品ですが、リターンや市場動向の影響も理解した上で活用することが重要です。
日本国債ETFの選び方
日本国債ETFを選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえることで、より自分に合った投資が可能になります。
1. 信託報酬の比較
ETFには運用管理費用として「信託報酬」がかかります。信託報酬は保有期間中ずっと発生するコストで、利回りに直接影響します。なるべく低コストのETFを選ぶことで、長期運用でも手元に残る利益を最大化できます。同じ国債を対象にしたETFでも、信託報酬は銘柄によって異なるため、必ず比較しましょう。
2. 保有期間・運用方針の確認
ETFごとに運用方針や対象とする国債の種類(短期・中期・長期)が異なります。自分の投資目的や保有期間に合ったETFを選ぶことが大切です。たとえば、短期の安定収入を重視する場合は短期国債中心のETF、長期的な利回りを狙う場合は長期国債中心のETFが適しています。
3. 流動性(出来高・取引量)のチェック
ETFは証券取引所で売買されますが、取引量が少ないと希望のタイミングで売買しにくく、価格にも影響が出やすくなります。購入前には出来高や取引量を確認し、流動性が高いETFを選ぶことが安心です。
日本国債ETF の具体的な銘柄例
① iシェアーズ・コア 日本国債 ETF(コード:2561)
日本国債(償還残存期間1年以上)への投資を通じて、指数への連動を目指すETFです。
日本国債全体(1年以上)の市場動向を反映するため、分散投資と長期資産形成に適しています。
東京証券取引所に上場しており、株式と同じように売買可能です。
② iシェアーズ・日本国債7–10年 ETF(コード:236A)
満期7年以上10年未満の日本国債を対象としたETFです。
比較的中期の債券にフォーカスして投資したい人向けで、投資目的に合わせて期間を選びたい場合の選択肢になります。
こちらも東証上場で、NISAの成長投資枠で購入可能です。
③ One ETFシリーズ(アセットマネジメントOne)
2026年1月に複数の日本国債ETFが新規設定・上場予定(予定)は以下の通りです:
One ETF 日本国債 高クーポン(平均残存10年未満)(コード:492A)
One ETF 日本国債 1–3年(コード:493A)
One ETF 日本国債 3–7年(コード:494A)
One ETF 日本国債 7–10年(コード:495A)
One ETF 日本国債 17–20年(コード:496A)
これらはアクティブ運用型の国債ETFで、対象期間や戦略が細かく分かれているため、自分の運用方針に合わせた銘柄選択がしやすいという特徴があります。
日本国債ETFの購入方法
日本国債ETFは、株式と同じように証券口座を通じて簡単に購入できます。基本的な流れは以下の通りです。
1. 証券口座でのETF購入手順
まず、証券会社に口座を開設します。口座があれば、株式を買うのと同じ手順でETFを購入できます。証券会社の取引画面で「銘柄コード」や「ETF名」を検索し、購入数量と価格を設定して注文するだけです。購入後は口座で保有状況を確認でき、必要に応じて売却も可能です。
2. NISAやiDeCoでの活用例
日本国債ETFは、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)でも購入できます。これらの制度を活用すると、利息や売却益にかかる税金が非課税になるため、長期投資で利益を最大化しやすくなります。特に年金資金や長期的な安定収入を目指す場合は、税制優遇制度を活用することが有効です。
3. 少額から始められる投資戦略
ETFは1口単位で購入できるため、少額から投資を始めることができます。最初は少額で分散投資を試し、慣れてきたら徐々に投資額を増やす「ステップアップ型」の戦略もおすすめです。これにより、投資のリスクを抑えながら経験を積むことができます。
活用シーン・ポートフォリオへの組み込み
日本国債ETFは、単独で投資するだけでなく、ポートフォリオの安定性を高めるためのツールとしても活用できます。具体的には以下のような場面で役立ちます。
1. 株式投資のリスクヘッジとして
株式市場は日々の値動きが激しく、短期的に大きな損失が出るリスクがあります。日本国債ETFは価格変動が比較的小さいため、株式と組み合わせることでポートフォリオ全体のリスクを抑える効果があります。特に株式比率が高い投資家にとって、安定資産として国債ETFを組み入れることは、リスク管理の基本戦略の一つです。
2. 定期的な安定収入を目指す長期投資
日本国債ETFは利息収入が定期的に得られるため、長期的な安定収入源としても活用できます。年金資金や将来の生活資金を目的とした長期投資に適しており、利回りは低めでも「安定した現金フロー」を重視する投資家にとって魅力的です。
3. 金利上昇局面での戦略
市場金利が上昇すると、既存の国債の価格は下がる傾向があります。そのため、金利の動向を注視しながら、短期国債中心のETFを選んだり、利回りの変化に応じて保有割合を調整したりする戦略が考えられます。金利環境に応じて柔軟に対応することで、リスクを抑えながら投資の安定性を維持できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 日本国債ETFはどれくらいの金額から買えますか?
ETFは1口単位で購入できるため、数千円~数万円の少額から始められます。株式と同じ感覚で購入できるので、初心者でも手軽に投資可能です。
Q2. 利回りはどれくらいですか?
日本国債ETFの利回りは低めで、株式などのリスク資産に比べると大きな利益は期待できません。ただし、安定した利息収入が得られるため、リスクを抑えた運用には向いています。
Q3. 売却はいつでもできますか?
はい、ETFは証券取引所で売買されるため、株式と同じようにいつでも売却可能です。ただし、取引量が少ない銘柄は希望価格で売れない場合があるため、流動性の確認が重要です。
Q4. 金利上昇の影響はありますか?
はい、市場金利が上昇すると、既存の国債価格は下落する傾向があります。そのため、ETFの価格も影響を受ける可能性があります。短期国債中心のETFや分散投資でリスクを抑えることが可能です。
Q5. NISAやiDeCoで購入できますか?
可能です。これらの制度を利用すると、利息や売却益にかかる税金が非課税になるため、長期運用での資産形成に有利です。
Q6. 株式との組み合わせはどうすればいいですか?
株式投資のリスクヘッジとして、ポートフォリオの一部に日本国債ETFを組み込むと、価格変動リスクを抑えながら安定性を高めることができます。投資目的に応じて比率を調整しましょう。
まとめ
日本国債ETFは、国の信用力に支えられた低リスク資産で、少額から手軽に投資できる点が大きな特徴です。メリットとしては安定性が高く、分散投資によるリスク軽減や定期的な利息収入が得られることが挙げられます。一方、利回りが低いことや金利変動による価格リスクには注意が必要です。
初心者が安心して投資を始めるには、コストや運用方針、流動性を確認し、少額から試すことがポイントです。また、ポートフォリオの中で株式のリスクヘッジや安定収入の確保など、自分の投資目的に応じて活用することで、日本国債ETFは効率的な資産運用の一部として役立ちます。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。