公開日: 2025-12-25
ソニー(6758.T)は、エレクトロニクスだけでなく、ゲーム、音楽、映画、半導体など幅広い分野を手がける世界的な成長企業です。近年は業績の安定感が高まり、株価の成長性に加えて、配当金を通じた株主還元にも注目が集まっています。
本記事では、最新のソニー配当金情報をもとに、現在の配当水準や特徴をわかりやすく解説します。あわせて、ソニー株を100株保有した場合に、年間いくらの配当金が受け取れるのかを具体的にシミュレーションし、配当目的での投資判断に役立つ情報を整理します。
最新の配当金情報まとめ(2025–2026年度予想)

1.ソニー配当金(国内基準)
ソニーグループが公表している会社予想によると、2026年3月期の年間配当金は1株あたり22.42円とされています。これは東京証券取引所に上場している国内株式を基準とした数値です。
内訳を見ると、
中間配当:12.50円
期末配当:12.50円
となっており、年間を通じて安定した配当を実施する方針がうかがえます。中間・期末ともに同額である点からも、ソニーが業績のブレを抑えつつ、計画的な株主還元を意識していることが分かります。
なお、配当金は最終的な業績や取締役会の決定によって変更される可能性があるため、あくまで「現時点での予想」である点には注意が必要です。
2.ソニー配当金の推移
過去数年の配当実績を振り返ると、ソニー配当金は大きな増減を繰り返すタイプではなく、比較的安定した推移を示しています。
2025年3月期:
中間配当50円、期末配当10円(合計60円)
※株式分割を考慮した調整後では20円相当
2024年3月期:
年間配当85円
※調整後では17円相当
このように、株式分割の影響を除いた「調整後配当額」で比較すると、年間配当は20円前後で安定していることが分かります。ソニーは高配当株というよりも、成長投資と配当のバランスを重視する企業であり、急激な増配よりも持続性を重視している点が特徴です。
ソニー配当金の背景と方針
1.株主還元方針
ソニーは、成長投資を重視しつつも、株主への還元を重要な経営テーマの一つとして位置づけています。公式に示されている中期経営計画では、配当金と自社株買いを含めた「総還元性向」を高めていく方針が明記されています。
これは、単に配当金を毎年大きく増やすという意味ではなく、事業環境や業績を踏まえながら、安定的かつ持続可能な形で株主に利益を還元するという考え方です。実際、ソニーはエンタテインメントや半導体など成長分野への投資を続けながら、無理のない水準で配当を継続しています。
そのため、ソニー配当金は「高配当を狙う銘柄」というよりも、企業価値の成長と株主還元を両立させるタイプだといえるでしょう。
2.配当性向・配当利回り
ソニーの配当性向は、おおむね10%台と比較的低い水準で推移しています。配当性向とは、利益のうちどれくらいを配当として支払っているかを示す指標ですが、この水準からは、利益の多くを事業投資や成長分野への再投資に回していることが読み取れます。
また、配当利回りはおおよそ0.5〜0.6%程度で推移しており、日本株全体で見ても高い部類ではありません。そのため、配当収入を主目的とする投資家にとっては、やや物足りなく感じる可能性があります。
一方で、
業績拡大による株価上昇
将来的な増配余地
安定した事業基盤
といった点を考慮すると、長期保有を前提とした成長+配当のバランス型投資として評価されるケースが多い銘柄です。
配当利回りとは?
配当利回りとは、株式を保有することで、投資金額に対してどれくらいの配当収入が得られるかを示す指標です。一般的には、次の計算式で求められます。
配当利回り=(1株あたりの年間配当金 ÷ 株価)×100
この数値を見ることで、株価に対して配当金が多いのか少ないのかを客観的に判断できます。
1.ソニーの配当利回り水準
現在のソニー株の配当利回りは、おおよそ0.5〜0.6%前後が目安とされています。この水準は、日本株の中では高配当銘柄とは言えない一方で、成長企業としては標準的な水準です。
ソニーは、利益を積極的に配当に回すよりも、
ゲーム・音楽・映画などのエンタテインメント事業
イメージセンサーを中心とした半導体分野
といった成長領域への投資を優先しているため、配当利回りは控えめになっています。
2.配当利回りを見るときの注意点
配当利回りは固定された数字ではありません。株価が変動すれば、同じ配当金でも利回りは上下します。
例えば、
株価が下がれば → 利回りは高く見える
株価が上がれば → 利回りは低く見える
そのため、利回りの数字だけを見て「お得」「割安」と判断するのは注意が必要です。特にソニーのようなグロース株の場合、株価上昇によって利回りが低く見えるケースも多くあります。
3.ソニー株は利回り重視か?
結論として、ソニー株は
配当利回り重視の投資家向けというより
成長性+安定配当を重視する長期投資家向け
の銘柄だといえます。配当はあくまで「プラス要素」として考え、企業の成長力や将来の株主還元余地とあわせて評価することが重要です。
100株保有した場合の配当額シミュレーション
では、実際にソニー株を購入した場合、配当金はいくら受け取れるのかを具体的に見てみましょう。ここでは、2026年3月期の会社予想配当(1株あたり22.42円)をもとに計算します。
1.年間配当額の計算方法
配当金は、次のように計算できます。
1株あたりの配当金 × 保有株数
今回のケースでは、
22.42円 × 100株 = 2.242円
となり、100株保有していると年間で約2.200円前後の配当金を受け取れる計算です。
2.実際の受取タイミング
ソニーは通常、
中間配当
期末配当
の年2回に分けて配当金を支払います。そのため、100株保有している場合は、年に2回に分けて配当金が振り込まれるイメージです。家計や投資収益の中で、定期的なインカム収入として意識しやすい点も特徴です。
3.税金を考慮した実際の手取り額
なお、国内株式の配当金には、約20.315%(所得税+住民税)の税金がかかります。これを考慮すると、2.242円の配当金から税金が差し引かれ、実際の手取り額は約1.800円前後となります。
※NISA口座で保有している場合は、配当金が非課税となるため、満額を受け取ることが可能です。
4.このシミュレーションを見る際の注意点
ここで示した配当額は、あくまで会社予想をもとにした試算です。
業績の変動
配当方針の変更
株式分割や制度変更
などによって、実際の配当金は増減する可能性があります。そのため、確定額ではなく「目安」として捉えることが重要です。

配当金を受け取るための権利確定日・注意点
ソニー配当金を受け取るためには、配当額だけでなく「いつ株を保有していればよいのか」を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、国内株式を前提に基本的な仕組みを解説します。
1.権利確定日とは?
権利確定日とは、その時点で株主名簿に名前が記載されている投資家が、配当金を受け取る権利を得られる日のことです。
ソニーの場合、配当は年2回のため、
中間配当の権利確定日
期末配当の権利確定日
がそれぞれ設定されています(通常は9月末・3月末)。
2.配当をもらうために重要な「権利付き最終日」
日本株では、株の売買が成立して株主として登録されるまでに2営業日かかります。この仕組みを踏まえると、配当を受け取るには、 権利確定日の2営業日前(=権利付き最終日)までに株を保有していることが必要になります。
権利付き最終日:この日までに株を保有していれば配当を受け取れる
権利落ち日:この日以降に買っても、その回の配当は受け取れない
権利落ち日には、理論上は配当金相当分だけ株価が下落する傾向がある点も、あわせて理解しておくとよいでしょう。
3.配当目的での売買時の注意点
配当金を受け取ることだけを目的に、
権利付き最終日の直前に購入
権利落ち日にすぐ売却
という取引を考える人もいますが、必ずしも利益になるとは限りません。株価の下落幅が配当金以上になるケースもあるため、短期売買には注意が必要です。
ソニーのようなグロース株の場合は、配当だけでなく中長期の値動きも含めて判断することが重要です。
4.海外(ADR)配当との違い
ソニーは米国市場でADR(米国預託証券)も上場していますが、国内株式とADRでは配当の扱いが異なります。
主な違いは以下の通りです。
配当金は米ドル建てで支払われる
為替レートの影響を受ける
日本株とは権利確定日・支払日が異なる場合がある
税制上の扱いも異なる可能性がある
そのため、日本の証券口座でソニー株を保有して配当を受け取る場合は、国内株式のルールを基準に考えるのが基本です。
ADR(米国上場)での配当例
ソニーは日本の東京証券取引所だけでなく、米国市場ではADR(米国預託証券)としても取引されています。ADRを通じてソニー株を保有した場合でも、配当金を受け取ることは可能ですが、日本株とは仕組みや条件が大きく異なる点に注意が必要です。
1.ADRの配当金水準(参考例)
過去の支払実績を見ると、ソニーのADRでは、
1回あたり約0.08ドル(9月支払い)
次回は約0.07ドル(2026年3月支払い予定)
といった配当履歴があります。
このように、ADRの配当金は米ドル建てで支払われ、日本株の「1株あたり○円」という感覚とは異なります。また、ADRは1ADR=日本株1株ではない場合もあるため、単純に日本株の配当と金額比較するのは適切ではありません。
2.日本株の配当との主な違い
ADR配当と日本株配当の違いは、主に以下の点にあります。
通貨が米ドル建て
→ 為替レートによって、円換算後の受取額が変動する
税制が異なる
→ 米国での源泉徴収、日本での課税が関係する場合がある
権利確定日・支払日が日本株と異なる
→手数料(ADR管理費用)が差し引かれることがある
そのため、ADRの配当金は「額面通りの金額がそのまま手元に入る」とは限らない点に注意が必要です。
3.配当目的なら国内株が分かりやすい
配当金を目的としてソニー株に投資する場合、
円建てで金額が分かりやすい
税制や権利確定日の仕組みが明確
NISA口座を利用できる
といった理由から、日本株(6758)で保有する方がシンプルです。
一方、ADRは
米国市場での取引利便性
ドル資産としての保有
といった点に魅力を感じる投資家向けの選択肢といえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ソニー配当金は毎年増えていますか?
ソニー配当金は、毎年必ず増配されるわけではありません。業績や投資計画を踏まえながら、安定的に配当を維持する方針が基本です。近年は大きな減配は見られず、株式分割後の調整ベースでもおおむね安定した水準で推移しています。
Q2. ソニー株を100株買うと、配当金はいくらもらえますか?
会社予想ベースでは、100株で年間約2.200円前後の配当金が目安です。
ただし、これはあくまで予想であり、業績や配当方針の変更によって増減する可能性があります。
Q3. 配当金はいつ受け取れますか?
ソニー配当金は通常、
中間配当:12月ごろ
期末配当:6月ごろ
に支払われます。実際の支払日は、その年の決算スケジュールによって前後することがあります。
Q4. 配当金には税金がかかりますか?
はい、特定口座・一般口座で保有している場合は、約20.315%の税金が源泉徴収されます。一方、NISA口座で保有している場合は配当金が非課税となるため、配当目的の投資ではNISAの活用が有効です。
Q5. 配当狙いなら、ソニー株はおすすめですか?
ソニー株は、高配当を目的とした銘柄ではありません。配当利回りは低めですが、事業の成長性や将来的な株主還元の余地を考慮すると、長期投資で配当も受け取りたい人向けの銘柄といえます。
Q6. ADR(米国上場)と日本株では、どちらが配当向きですか?
配当目的であれば、
円建てで分かりやすい
税制や手続きがシンプル
NISAが使える
といった理由から、日本株(6758)での保有が一般的に向いています。ADRはドル建て配当や為替の影響を受けるため、中・上級者向けの選択肢です。
結論:ソニー配当金はどう評価すべきか?
ソニー配当金は、高配当を狙う投資家向けというよりも、安定性と成長性を重視する投資家向けの内容といえます。配当水準は控えめですが、無理のない範囲で継続的に支払われており、長期的な株主還元を意識した姿勢が見られます。
1.強みとして評価できる点
ソニーは、業績や事業環境を踏まえながら、安定した配当を継続する方針を維持しています。また、配当金と自社株買いを含めた総還元性向を高めていく目標を掲げており、今後の株主還元強化にも期待が持てます。
2.注意しておきたい点
一方で、配当利回りそのものは高くなく、配当収入を主目的とする投資には向きにくい点には注意が必要です。また、業績や株価の変動によって、将来の配当水準が変わる可能性もあります。
3.総合評価
ソニー株は、「配当+企業成長による株価上昇」をバランスよく狙いたい長期投資向けの銘柄として評価するのが適切でしょう。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。