公開日: 2026-05-22
宇宙関連株として注目されるアストロスケールは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去技術を強みに成長を続けています。特に商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」は、実際の宇宙デブリへ約15mまで接近し撮影に成功しており、世界初レベルの技術実証として市場の期待を集めました。
また、2025年には日本の防衛省から約72.7億円規模の衛星試作契約を受注し、防衛・安全保障分野へ本格参入したことも材料視されています。宇宙監視や衛星防護ニーズの拡大を背景に、防衛関連株としての注目度も高まっています。
さらに、宇宙デブリ除去市場そのものが拡大傾向にあり、各国政府や宇宙機関が宇宙インフラ保護を重視している点も追い風です。アストロスケールはJAXAや欧州案件など大型プロジェクトを複数抱えており、将来的な収益拡大期待から「アストロスケール株価の今後」に投資家の関心が集まっています。
アストロスケールとはどんな会社?
1. 宇宙デブリ除去を主力とする宇宙ベンチャー
アストロスケール は、宇宙空間のゴミ「スペースデブリ」の除去を主力事業とする企業です。人工衛星の増加によって宇宙ゴミ問題が深刻化する中、デブリ除去(ADR)や衛星寿命延長サービス、軌道上点検などの「軌道上サービス」を展開しています。宇宙インフラの維持需要が拡大しており、将来的な成長市場として注目されています。

2. 主要プロジェクトと技術力
同社の代表的なプロジェクトが「ADRAS-J」です。2026年には実際の宇宙デブリへ約15mまで接近し、近距離撮影に成功しました。これは世界初レベルの成果として評価され、防衛大臣賞も受賞しています。
また、次世代計画「ADRAS-J2」では、単なる観測だけでなく、実際にデブリを捕獲・除去する実証が予定されています。2027年度打ち上げ予定とされており、商業デブリ除去実現への重要な段階とみられています。
さらに、アストロスケールの強みは「RPO技術(ランデブ・近傍運用)」です。これは高速で移動する対象物へ安全に接近する技術で、デブリ除去だけでなく、衛星点検・燃料補給・防衛用途にも応用可能とされています。
3. 政府・防衛関連との連携
アストロスケールは、JAXAや欧州宇宙機関(ESA)との連携に加え、防衛分野でも存在感を高めています。2026年には防衛省から約10億円規模の契約を受注し、衛星監視や防護技術に必要な把持機構の研究開発を進めています。
加えて、防衛関連の協議案件は1000億円規模へ拡大していると説明されており、宇宙安全保障市場の成長が「アストロスケール株価の今後」を左右する重要材料として注目されています。
アストロスケール株価の今後を左右する最新材料

1. 最新決算で売上が大幅成長
アストロスケールの2026年4月期第3四半期決算では、売上収益が前年同期比194.5%増の約44億円まで拡大しました。大型政府案件や防衛関連プロジェクトの進展が寄与し、宇宙関連企業としては高い成長率を維持しています。営業損失も前年同期の約157億円から約71億円へ縮小し、赤字幅改善が進んでいます。
また、受注残高(内定含む)は約411億円に到達しており、将来売上の積み上がり期待も強まっています。JAXA案件、防衛省案件、米空軍関連案件など大型契約が増えている点が注目されています。
2. 防衛関連需要の拡大
近年は宇宙安全保障分野への投資拡大が続いており、アストロスケールにも追い風となっています。2026年には防衛省から「衛星監視・防護技術」に関する新規契約を受注し、把持機構の研究開発を進めています。これは宇宙空間で衛星を安全に制御・保護する技術で、防衛用途として期待されています。
さらに、米国・欧州でも宇宙防衛戦略の強化が進んでおり、NASA、ESA、米空軍研究所(AFRL)などとの連携拡大も材料視されています。政府・防衛案件が安定収益源になり始めている点は、「アストロスケール株価の今後」を考える上で重要なポイントです。
3. 宇宙関連市場の成長期待
人工衛星の打ち上げ数増加により、宇宙デブリ問題は世界的な課題になっています。アストロスケールは、世界初となる実際のデブリへの15m接近・撮影に成功した「ADRAS-J」を通じて、デブリ除去技術の実用化を大きく前進させました。
今後は各国政府による宇宙予算拡大や、衛星保守・寿命延長サービス需要の増加も期待されています。宇宙インフラを維持する「軌道上サービス」は新たな成長市場として注目されており、アストロスケールはその中心企業の一社として期待を集めています。
アストロスケール株価の今後における強み
1. 世界的にも珍しい専業企業
アストロスケール の最大の強みは、「宇宙デブリ除去」を専業で手掛ける世界でも数少ない企業である点です。現在はJAXA、ESA、米宇宙軍など世界の主要宇宙機関・防衛機関と契約を持ち、軌道上サービス(OOS)分野で先行ポジションを築いています。特に高速移動する物体へ接近する「RPO技術」は参入障壁が高く、簡単に模倣できない技術として評価されています。
さらに、実際の宇宙デブリへ15mまで接近・撮影に成功した「ADRAS-J」は世界初レベルの成果とされ、技術力の高さを証明しました。宇宙インフラ保守市場が拡大する中、先行企業としての優位性が「アストロスケール株価の今後」を支える重要材料になっています。
2. 大型受注による将来成長期待
アストロスケールは近年、防衛・政府案件を中心に大型受注を増やしています。2026年Q3時点では、5つの主要宇宙機関と5つの防衛機関との契約実績を公表しており、グローバルでの信頼性向上が進んでいます。
そして、会社側はFY2026のプロジェクト収益見通しを110億〜130億円としており、現在の受注残高だけをベースに算出している点も注目されています。今後新規契約が加われば、上方修正余地もあるとみられています。
加えて、防衛関連案件や衛星寿命延長サービスは複数年契約になりやすく、安定収益化につながる可能性があります。宇宙安全保障市場の拡大が続けば、中長期での成長期待はさらに高まると考えられています。
3. 宇宙関連テーマ株としての注目度
近年の株式市場では、「AI」「防衛」「宇宙」が成長テーマとして注目されており、アストロスケールもその代表的な宇宙関連株として物色される場面が増えています。特に各国の宇宙安全保障予算拡大や衛星需要増加は、同社への期待材料となっています。
また、IPO後は個人投資家からの関心も高く、宇宙ベンチャー特有の成長期待から値動きが大きくなりやすい特徴があります。一方で赤字継続や増資リスクもあるため、テーマ性だけでなく受注状況や技術実証の進展を確認しながら判断することが重要です。
リスク
1. 赤字継続リスク
アストロスケール は成長企業として高い期待を集める一方、依然として大幅赤字が続いています。2026年4月期第3四半期では売上収益が前年同期比194.5%増の約44億円まで拡大したものの、営業損失は約71億円となっており、研究開発費や人材投資の負担が重い状況です。
特に宇宙事業は、打ち上げ前の開発期間が長く、収益化まで数年単位の時間が必要です。会社側も「継続受注獲得フェーズ」と説明しており、本格黒字化にはなお時間がかかるとの見方があります。補助金計上タイミングや為替変動によって業績がぶれやすい点も短期リスクとして意識されています。
2. 増資による希薄化懸念
アストロスケール株価の今後で特に警戒されているのが、追加資金調達による株式希薄化です。2026年5月には、スカパーJSATとの資本業務提携に加え、海外募集やCB(転換社債)を含む約306億円規模の資金調達を発表しました。市場では成長資金確保として評価する声がある一方、既存株主の持株価値が薄まる懸念から株価は一時反落しています。
宇宙関連企業は大型開発資金が必要になりやすく、黒字化前に追加増資を行うケースも少なくありません。アストロスケールも今後の大型ミッションや海外展開次第では、さらなる資金調達が必要になる可能性があります。そのため、投資家は受注拡大だけでなく、キャッシュ残高や資金繰りも確認する必要があります。
3. ミッション遅延リスク
宇宙開発では、打ち上げ延期や技術実証失敗が株価へ大きく影響する点も無視できません。アストロスケールも「ELSA-M」や「REFLEX-J」など複数の大型プロジェクトを進めていますが、宇宙機器開発では部品調達遅延やロケット打ち上げスケジュール変更が発生しやすい業界です。
実際、宇宙業界全体では近年もロケット打ち上げ失敗や飛行中断が発生しており、市場では技術リスクへの警戒感が根強くあります。アストロスケールは現在まで重要ミッションで成果を上げているものの、今後のデブリ捕獲実証や衛星サービスで想定外のトラブルが起きれば、株価変動要因になる可能性があります。
テクニカル面から分析
1. 直近株価推移
アストロスケール株価は2026年5月にかけて急騰局面が続いています。5月初旬には1,300円台だった株価が、5月19日には一時2,170円まで上昇し、短期間で大幅高となりました。一方で、増資やCB(転換社債)発行発表後には利益確定売りも入り、5月20日は前日比約9%安となるなど、非常に値動きの大きい展開となっています。
また、5月22日には一時2,352円まで上昇し、上場来高値圏を更新しました。宇宙関連・防衛関連テーマへの資金流入が強く、個人投資家を中心に短期資金が集中している状況です。直近では1日あたり1,000万株超の出来高が続いており、ボラティリティの高い銘柄として市場で注目されています。
2. 注目される価格帯
テクニカル面では、まず2,100〜2,350円付近が短期的な上値抵抗線として意識されています。5月19日と22日に高値を付けた水準であり、短期筋の利益確定売りが出やすい価格帯とみられています。特に急騰後は値幅調整が入りやすく、短期的には乱高下に注意が必要です。
一方、下値支持線としては1,800円前後が重要視されています。5月中旬以降、複数回この水準で反発しており、押し目買いが入りやすい価格帯になっています。さらに、25日移動平均線は約1,566円付近に位置しており、中期的なトレンド維持の分岐点として注目されています。
もし今後、好材料によって2,350円を明確に突破した場合は、テーマ株特有の上昇加速が起きる可能性もあります。一方で、1,800円を割り込むと短期資金の撤退が進み、調整色が強まる可能性があります。
3. 出来高・信用倍率の動向
現在のアストロスケール株は、需給面でも非常に活発です。5月21日の出来高は約1,463万株に達し、通常時を大きく上回る商いとなりました。市場では宇宙関連テーマ株としての注目度が高く、短期トレーダーや個人投資家の売買が集中しています。
信用取引では、信用買残が約622万株、信用倍率は3.59倍となっており、買いポジションが優勢な状態です。これは上昇期待の強さを示す一方、地合い悪化時には信用買いの投げ売りが株価下落を加速させるリスクも意味しています。
さらに、掲示板や個人投資家予想では「強気」意見が多く、短期資金流入が続いています。ただし、テーマ株では市場心理が急変しやすいため、IR発表や増資関連ニュースによる急落リスクにも注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. アストロスケールは黒字化できる?
結論から言うと、黒字化の可能性はあるものの、時期はまだ不透明です。アストロスケールは現在、売上が急成長している一方で研究開発費や人件費の負担が大きく、赤字が続いています。ただし受注残高は400億円規模まで積み上がっており、プロジェクトが順調に進めば数年単位で黒字化が視野に入ると見られています。特に防衛案件や衛星サービスの商業化が進めば、収益基盤は大きく改善する可能性があります。
Q2. 宇宙デブリ市場は本当に成長する?
宇宙デブリ市場は中長期で高い成長が期待されています。理由は、人工衛星の急増により衝突リスクが深刻化しているためです。各国政府や宇宙機関は規制や予算を拡大しており、「デブリ除去」や「衛星寿命延長」は必須インフラになりつつあります。現時点ではまだ黎明期ですが、今後は商業化が進み、宇宙版インフラビジネスとして確立される可能性が高いと考えられています。
Q3. 防衛関連銘柄として期待できる?
期待できる銘柄の一つといえます。近年は宇宙が安全保障の重要領域となり、各国が宇宙監視・衛星防護に巨額投資を行っています。アストロスケールはすでに防衛省や海外機関と契約実績があり、今後も案件拡大が見込まれています。特に「衛星の接近・制御技術」は軍事用途でも重要なため、防衛関連テーマの中でも独自性の高いポジションにあります。
Q4. 長期投資向きの銘柄?
ハイリスク・ハイリターンの長期投資向き銘柄です。宇宙市場という成長分野に属し、技術優位性や先行ポジションを持つ点は魅力ですが、赤字継続や増資リスク、技術実証の不確実性も大きいのが実情です。そのため、短期の値動きに左右されるよりも、「数年単位での市場成長と事業進展」を前提に投資判断をする必要があります。成長株としてポートフォリオの一部で保有する戦略が現実的といえるでしょう。
まとめ
アストロスケール株価の今後は、主に「宇宙市場の拡大」と「防衛需要の伸び」によって左右されます。宇宙デブリ除去や衛星サービスの需要は世界的に増えており、同社にとって追い風の環境が続いています。
一方で、まだ赤字経営が続いているため、追加の資金調達や増資による株式の希薄化リスクには注意が必要です。
今後の株価を大きく動かすポイントは、受注残高の拡大や「ADRAS-J」などの技術実証がどこまで順調に進むかという点になります。
全体としては成長期待が大きい一方で値動きも激しいため、材料次第で大きく上下しやすい銘柄といえます。