公開日: 2026-01-24
カジノ関連株とは、カジノ事業やIR(統合型リゾート)を通じて業績への影響が見込まれる企業の株式を指します。カジノそのものを運営する企業だけでなく、周辺産業を含めた幅広い銘柄が対象になります。
カジノ関連株は大きく、直接関連と間接関連に分けられます。
直接関連は、カジノやIR施設を運営し、入場料やゲーム収益、ホテル・娯楽施設の売上から直接利益を得る企業です。一方、間接関連は、IR施設の建設を担う建設会社、設備やシステムを提供する企業、観光・運輸・ホテル関連企業、決済やITインフラを支える企業などが該当します。
また、カジノ関連株は政策・インバウンド・観光需要と強く結びつくため、将来の成長期待が株価に織り込まれやすいテーマ株として注目されやすい点が特徴です。IR計画の進展や訪日外国人客数の増加といったニュースが、短期間で株価を動かす材料になることも少なくありません。
カジノ関連株が注目される背景

カジノ関連株が注目される最大の理由は、政策・観光・世界的な市場成長という複数の追い風が同時に存在している点にあります。
まず、日本ではIR(統合型リゾート)政策の進展が大きな材料となっています。IRはカジノだけでなく、ホテル、展示場、商業施設、エンターテインメント施設を一体化した大型プロジェクトであり、開業や建設段階から長期的な経済効果が期待されます。IR計画の具体化やスケジュールの進展は、関連企業の業績期待を高め、株価の材料になりやすい特徴があります。
次に、インバウンド需要の回復・拡大も重要な要因です。訪日外国人観光客の増加は、カジノ利用だけでなく、宿泊、飲食、交通、娯楽など幅広い消費を押し上げます。その結果、カジノ運営企業だけでなく、観光・運輸・ホテル関連企業にも恩恵が波及し、カジノ関連株全体への注目度が高まります。
さらに、海外では米国・マカオ・シンガポールなどのカジノ市場が安定的に成長しています。特に米国ではカジノとリゾート、エンタメを組み合わせたビジネスモデルが確立しており、海外カジノ企業の好業績が、日本のカジノ関連株への期待感を高める要因にもなっています。
加えて、世界的にエンタメ・観光消費が拡大するトレンドも追い風です。モノ消費からコト消費へと消費行動が変化する中、カジノを含む大型リゾートは「体験型消費」の代表例とされ、長期的な成長テーマとして投資家の関心を集めています。
このように、カジノ関連株は短期的な材料だけでなく、中長期の成長ストーリーを描きやすい点が、注目され続ける背景となっています。
日本のカジノ関連株一覧(具体例とセクター別)

1.カジノ・IR運営関連
※日本企業で直接カジノ運営を行っている上場企業は限定的ですが、大阪IR(夢洲)などの開発・運営計画に出資する企業が関連視されています。
代表銘柄例
オリックス(8591)
大阪IRの事業会社に出資。リゾート開発・施設運営の一角を担う可能性。
関西電力、JR西日本 など(出資企業)
IR推進企業グループの構成メンバーとして注目。直接的な「カジノ株」ではないが、地域IR進展の恩恵期待。
ポイント:
IRの本体(運営権保持会社)や投資グループへの関与が深い企業は、具体的な収益化が見えた段階で関連株として注目されやすいです。
2.建設・不動産関連
カジノ・IR建設や大型施設整備の需要がでると恩恵を受ける可能性のある企業です。
代表銘柄例
イチケン(1847)
商業施設・ホテルなどの建築・内装工事に強み。大型IR建設の需要で関心が集まる場合あり。
鹿島建設(1812)・大成建設・清水建設 等
統合型リゾート施設の建築に携わる可能性があるスーパーゼネコン。基本的にはIR全体の建設需要株。
ポイント:
IRの建設が本格化すると、土木・建築受注が拡大する企業の業績期待が高まる可能性があります。
3.設備・遊技機・ITシステム関連
カジノで使われる機器・システム、周辺遊技機の開発・製造を行っている企業です。
代表銘柄例
日本金銭機械(6418)
カジノ向けビルバリデータ(紙幣識別機)やTITOシステムなどを提供。カジノ施設の稼働で需要増が期待される。
オーイズミ(6428)
遊技機や周辺機器の製造・販売。カジノ関連機器にも展開。
セガサミーホールディングス(6460)
パチンコ・パチスロ機だけでなく、海外ではIRリゾート関連事業もあり、カジノ機器や施設内エンタメ需要の関連株として注目される。
ピクセルカンパニーズ(2743)
カジノゲーム機器の企画・開発。IR参加に向けた提案も。
コナミグループ(9766)
パチンコ・スロット機器、IR向けゲーム機器およびシステムにも関連(関連機器として注目)。
ポイント:
機器・システム分野は「カジノそのものの収益」ではなく、施設運営の基盤需要として恩恵が出やすいセグメントになります。
4.観光・運輸・ホテル関連

IR誘致やカジノ開業により、訪日観光需要が増加すると恩恵を受けるセクターです。
代表銘柄例
ホテル運営企業(例:東横イン、APA等)
観光客増加で稼働率向上・収益改善の期待。
空港関連・交通インフラ企業
観光輸送増で収益拡大条件。
※こうした企業は「直接的なカジノ株」ではありませんが、IRが完成・稼働すると地域観光需給改善株として注目されやすい。
ポイント:
カジノ単体よりインバウンド観光全体の恩恵として、ホテル・交通・観光関連株がテーマと結び付きます。
米国のカジノ関連株(代表的な企業)
海外では特に米国企業が世界的に有名で、カジノ運営のみならずホテルやリゾートといったIR全体を手がける企業が多くあります。
1.主要カジノ運営企業
Las Vegas Sands (LVS)
シンガポールやマカオにも進出し、統合型リゾート運営を行う大手カジノ企業。業績好調時は株価が上昇する例もあります。
Wynn Resorts (WYNN)
ラスベガスとマカオで高級リゾートカジノを運営。マカオの回復が株価の追い風となることがありました。
MGM Resorts International (MGM)
ラスベガスを中心に大規模IRを運営。スポーツベッティング事業も展開。
Penn Entertainment (PENN)
米国各地でカジノ運営やスポーツベッティングも展開するエンターテインメント企業。
Bally’s Corporation
米国内複数州でカジノ運営とオンラインベッティングを行う企業。大型IRへの展開計画も注目されています。
こうした企業は、マカオやラスベガスなど世界の主要市場での収益が株価の材料になるケースがあり、マカオのカジノ収益が好調なときに株価が上昇した例もあります。
2.マカオ・香港市場のカジノ株
マカオに本拠を置くカジノ企業もあります。
SJM Holdings (HKEX: 880)
マカオの代表的カジノ運営企業のひとつで、複数の施設を展開。
Galaxy Entertainment Group (HKEX: 027)
マカオでカジノとリゾート運営を行い、香港市場にも上場。
マカオ市場は中国本土からの観光回復がカジノ株にとって重要な成長要因となっています。
3.カジノ・ゲーミング関連ETF(米国上場)
個別株の選定が難しい場合、ETF(上場投資信託)を通じて複数銘柄に分散投資する選択肢もあります。
代表ETF
VanEck Gaming ETF (BJK)
世界のカジノ・ゲーミング企業や関連機器企業などを包括的にカバーするETF。MVIS Global Gaming指数に連動。
Roundhill Sports Betting & iGaming ETF (BETZ)
スポーツベッティング・オンラインiGaming銘柄を中心に収益機会を捉えるETF。
Pacer BlueStar Digital Entertainment ETF (ODDS)
オンラインギャンブル関連やデジタルエンタメ企業にも投資するETF。
ETFは複数銘柄に分散した投資が可能で、個別株と比べるとリスク分散効果が高い点が特徴です。
カジノ関連株の業績を左右するポイント
カジノ関連株は単なる株式投資とは異なり、政策・市場・施設運営など複数の外部要因に業績が左右されやすいという特徴があります。ここでは主なポイントを詳しく見ていきましょう。
① 規制・法律リスク
カジノ事業は法律や規制に強く依存します。
日本の場合:IR実施法に基づく規制があり、地方自治体や国家の承認が必要。法改正や許認可遅延があると、事業の開始時期が後ろ倒しになり、株価の材料が減少する可能性があります。
海外の場合:州ごとや国ごとのギャンブル規制、オンラインベッティングに関する法律変更が、直接収益に影響を与えます。
投資判断では、規制の安定性や変更の可能性を常にチェックすることが重要です。
② 観光客数・為替動向
カジノの収益は基本的に入場者数・宿泊者数・消費額に依存します。
訪日外国人観光客の増減は、日本のIR関連株にとって直接的な収益変動要因です。観光客が増えれば施設利用が増加し、株価に追い風が吹きます。
為替相場も影響します。例えば、円安になると外国人観光客が増えやすく、収益が上向く可能性があります。逆に円高になると海外からの集客が減り、売上減少リスクが高まります。
特に日本株では、インバウンド回復のタイミングや為替トレンドが株価材料になりやすいです。
③ 景気・消費動向との関係
カジノ関連株は景気敏感株です。
景気が好調な時期は、国内外の観光消費や娯楽支出が増えるため、施設収益も増加します。
景気が低迷すると、カジノやホテルの利用客数が減少し、利益が圧迫されます。
景気サイクルや国内消費動向の把握は、業績予測に直結します。
④ 設備投資・開業スケジュールの影響
カジノ・IR関連企業の業績は、施設建設や運営開始のタイミングによって大きく左右されます。
設備投資が計画通り進まなければ、収益化が遅れ株価の伸び悩みにつながります。
開業時期が前倒しで進めば、株価が上昇することがあります。
また、施設規模や客室数、娯楽施設の充実度なども収益性に直結します。
投資家はIRやカジノ施設の進捗状況、設備投資計画の更新情報を常にチェックする必要があります。
まとめると、カジノ関連株の業績は単独の企業要因だけでなく、政策・観光・景気・開業スケジュールの4つの外部要因が複雑に絡み合って決まります。このため、投資家はマクロ環境の変化と個別企業の進捗状況の両方を把握しておくことが重要です。
ジノ関連株のメリットとリスク
カジノ関連株は、テーマ性の強さと成長期待を背景に注目されやすい一方で、規制や景気に左右されやすいリスクも併せ持つ株です。ここでは具体的にメリットとリスクを詳しく解説します。
メリット
テーマ性が強く、相場材料になりやすい
カジノ関連株は、日本でのIR政策や海外市場の好調、観光客数の増加など、ニュースや政策動向が株価に直接反映されやすい特徴があります。
例えば、IR施設の建設計画が具体化したタイミングや、海外カジノ企業の好業績ニュースが流れると、短期間で株価が上昇するケースがあります。
投資家にとっては、「話題性・ニュース連動型のテーマ株」として動きやすい点が魅力です。
インバウンド回復の恩恵を受けやすい
訪日外国人観光客の増加は、カジノ利用のみならず、ホテル・飲食・交通・娯楽といった関連産業全体にプラス影響を与えます。
特に大阪IRや横浜IRなどの計画が進展すると、施設周辺の関連企業や建設・設備会社も恩恵を受けるため、株価の上昇材料が複数存在します。
インバウンドの回復が加速すると、中長期での成長ストーリーとして投資家の関心が高まる傾向があります。
リスク
政策・規制変更リスク
カジノは法律や行政の許認可に依存しているため、法改正や規制強化、自治体の許認可遅延などがあると、計画が延期され、株価の下落リスクが生じます。
日本のIR関連株は特に、許認可の進捗状況が株価に直結するテーマ株であることがポイントです。
業績の景気敏感性
カジノ関連株は景気に影響されやすいです。景気低迷時には観光客や娯楽消費が減少し、施設の稼働率や収益に直結します。
逆に景気回復時には収益が改善しやすく、株価上昇材料となります。
つまり、景気動向が株価変動の重要な要因になります。
開業遅延・計画変更の影響
IR施設やカジノの開業が計画通り進まない場合、株価にネガティブな影響が出ます。
例えば、建設スケジュールの遅れ、設備投資の遅延、施設規模の縮小などが発表されると、投資家心理が悪化し株価が下落する可能性があります。
開業前の段階では、計画進捗が株価変動の大きな材料となるため、情報収集の精度が重要です。
カジノ関連株の投資戦略
カジノ関連株は、テーマ性の高さとニュース連動性が特徴ですが、その分リスクも大きいため、投資戦略を明確に持つことが重要です。ここでは、中長期投資、短期売買、分散投資の観点から具体的に解説します。
① 中長期投資向けの考え方
IR政策や施設建設の進捗に着目
日本のカジノ関連株の場合、IR施設の建設スケジュールや許認可の進捗が、株価の中長期的な上昇のカギになります。
例:大阪IRの具体的な開業計画が進むと、関連株は中長期的に上昇しやすい。
インバウンド需要や観光トレンドを分析
訪日外国人客数の増加傾向や観光消費拡大の長期的トレンドを踏まえ、関連株を長期保有する戦略です。
財務基盤や事業規模もチェック
大型IR建設に関わる企業は、財務体力や施工能力のある企業を選ぶと、計画遅延リスクを軽減できます。
ポイント:中長期投資は政策・施設計画・観光トレンドを軸に、株価の成長を待つスタンスが基本です。
② テーマ株としての短期売買戦略
ニュースや材料を活かしたトレード
カジノ関連株は、IR許認可の進展、海外カジノの好調ニュース、観光統計の発表などに敏感に反応します。
例:IR開発の入札結果や、外国人観光客数の増加発表時に短期的に株価が動く。
材料出尽くしに注意
短期売買ではニュースで株価が急上昇した後の調整を想定し、損切りラインや利確ラインを明確に設定することが重要です。
ボラティリティの高さを利用
カジノ関連株はニュース次第で株価変動が大きいため、ボラティリティを利用してデイトレードやスイングトレード戦略を組むことも可能です。
ポイント:短期戦略では、材料と株価反応を的確に読み、売買タイミングを明確化することが肝心です。
③ 分散投資・ETF活用の考え方
単一銘柄のリスクを抑える
個別のカジノ関連株は、IRの進捗や規制変更など、特定のイベントに大きく左右されます。
例:開業延期や計画縮小のニュースで株価が急落するリスク。
ETFで関連株をまとめて投資
海外では、カジノ・ゲーミング関連ETF(例:BJK、BETZ)を利用することで、複数の企業に分散投資可能です。
日本株でもセクター分散が有効
建設、設備、ホテル・観光関連株など、カジノ関連株の複数セクターに分散投資すると、単一企業のリスクを軽減できます。
ポイント:テーマ株投資は魅力的ですが、分散によってリスク管理を徹底することが、長期的な安定リターンにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. カジノ関連株はいつ動きやすい?
カジノ関連株は、ニュースや政策、IR進捗に連動して株価が大きく動く傾向があります。
IR許認可や施設建設の進捗発表
例:大阪IRの開業スケジュールや、建設会社の受注決定のニュース
観光統計・インバウンド関連ニュース
例:訪日外国人客数の増加や為替変動(円安による観光客増加)
海外カジノの好業績発表
海外の大手カジノ企業の収益報告や市場動向も日本株に影響することがあります。
投資タイミングのコツ:ニュースやイベント前後で値動きが出やすいため、発表スケジュールをチェックすることが重要です。
Q2. 日本のカジノは本当に成長する?
日本のカジノは、IR法の施行や地方自治体による施設誘致の進展によって、長期的に成長が見込まれるテーマ株とされています。
成長要因
訪日外国人観光客の増加(インバウンド需要)
地域経済の活性化による施設収益の拡大
ホテル・飲食・娯楽など、周辺産業への波及効果
注意点
開業時期や施設規模の変更があると、計画通りの成長が見込めない場合もある
規制や政治リスク(自治体や国の承認状況)によって短期的に株価が振れることがある
結論:中長期的な成長は期待できるが、リスク管理を意識して投資することが重要です。
Q3. 初心者でも投資しやすい銘柄は?
カジノ関連株はニュースやIR進捗に敏感でボラティリティが高いため、初心者はリスクを分散できる銘柄やETFを利用するのがおすすめです。
日本株の場合
オリックス(IR出資関連)や建設会社(鹿島建設、大成建設など)、設備・機器関連(セガサミー、日本金銭機械など)
複数銘柄に分散投資すると、単一ニュースによる株価変動の影響を抑えられる
海外ETFの場合
VanEck Gaming ETF (BJK)
Roundhill Sports Betting & iGaming ETF (BETZ)
複数の海外カジノ・ゲーミング株に分散投資可能で、リスク管理がしやすい
ポイント:初心者は単一株より分散投資やETF活用で安全性を確保しつつ、テーマ株の成長性を取り込む戦略が有効です。
まとめ|カジノ関連株のポイント
市場環境の整理:カジノ関連株は、IR政策の進展や観光客数の増減、海外市場の動向など、外部要因に大きく左右されるテーマ株です。
今後注目すべきポイント:IR施設の建設・開業スケジュール、インバウンド需要、規制や政策変更のニュースが株価材料になります。
投資判断のヒント:中長期的な成長を狙う場合は政策・施設計画を確認、短期売買ではニュース連動を活かす、分散投資やETFの活用でリスク管理を意識すると良いでしょう。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。