公開日: 2025-11-25
値動きが激しい株は、短期間で大きく価格が動くため、短期トレーダーにとって利益を狙いやすい特徴があります。特にデイトレードやスイングトレードでは、この変動幅がチャンスとなり、多くの投資家が注目します。
しかしその反面、株価の方向性が急に変わることも多く、想定外の損失につながるリスクも高いジャンルです。だからこそ、適切なリスク管理や売買ルールの理解が欠かせません。
値動きが激しい株とは?

「値動きが激しい株」とは、短期間で株価が大きく上下する銘柄のことを指します。明確な数値基準はありませんが、一般的にはボラティリティ(価格変動幅)が大きい銘柄が該当します。
これらの株は、ニュースや市場テーマの影響を受けやすく、投資家の売買が集中することで、通常よりも強い値動きを見せる傾向があります。
特徴としては次のような要素が挙げられます:
日中平均ボラティリティが高い
1日の中で数%以上動くことが珍しくなく、短期取引に向いています。
出来高が急増している
投資家の注目が増え、売買が活発になることで、価格変動がさらに大きくなります。
ニュースやテーマ株化しやすい銘柄
新製品発表、決算、政策関連、SNS拡散などで急騰・急落することがあります。
値幅制限に近づきやすい銘柄
上下どちらかに強く動きすぎ、ストップ高(またはストップ安)まで到達するケースもあり、相場が過熱している状態といえます。
まとめると、値動きが激しい株は「短期間で大きく儲かる可能性がある一方、急落リスクも伴う」ハイリスク・ハイリターン型の銘柄と言えます。
値動きが激しい株の特徴
値動きが激しい株には、いくつか共通した特徴があります。これらを理解することで、「なぜその株が急騰・急落しやすいのか」を判断しやすくなります。
■業績より「材料・ニュース」で動くことが多い
通常、株価は企業の業績や長期的な成長性によって動きますが、値動きが激しい株は違います。
新商品や提携ニュース
政策や規制変更
SNSやメディアの話題化
といった短期的な材料の影響を強く受ける傾向があります。
そのため、内容が実態以上に期待されると急騰し、期待外れと判断されると急落するという、極端な値動きを見せやすい特徴があります。
■流動性が高い/または低くて大きく動く
流動性の違いによって動き方も変わります。
出来高が多い場合:
大量の注文が入り価格が活発に動くため、大きな上下が生まれやすい。
出来高が少ない場合:
板が薄いため、少量の買い・売りでも株価が大きく動く。
特に後者はリスクが高く、想定以上に大きく滑る(価格が飛ぶ)ことがあります。
■個人投資家や機関投資家の投機資金が集まりやすい
短期間で利益を狙う投資家が多く参入するため、需給が偏りやすく、急上昇→急失速といった極端な動きが発生します。
海外ヘッジファンドが短期売買に参加すると、さらにボラティリティが増し、「異常な動き」に見える場面も出てきます。
■価格形成が安定しない
値動きが一定ではなく、チャートがギザギザし、方向性が定まりにくいのが特徴です。
トレンドが急転換しやすい
支持線が効きにくい
価格が飛びやすい
といった点から、長期投資には向かず、短期取引向けの性質を持っています。
まとめると、値動きが激しい株は、感情・ニュース・出来高・投機資金によって価格が左右される「不安定だがチャンスもある銘柄」といえます。
現在値動きが激しい株のTop5
| 順位 | 銘柄名(銘柄コード) | 前日比 | 市場 |
| 1 | 大黒屋ホールディングス(6993) | +33.33% | 東証STD |
| 2 | レッティ(7356) | +27.58% | 東証GRT |
| 3 | メディア総研(9242) | +22.63% | 東証GRT |
| 4 | 免疫生物研究所(4570) | +21.14% | 東証GRT |
| 5 | ハンワホームズ(275A) | +19.80% | 名証NXT |
①大黒屋ホールディングス(6993)
大黒屋は、金券ショップやブランド品買取・販売を手がける企業です。最近はインバウンド需要や中古ブランド市場の拡大で注目され、投機資金が集まりやすい銘柄となっています。株価はニュースやテーマ性で大きく動く傾向があります。
②レッティ(7356)
Rettyは、飲食店評価・検索サイト「Retty(レッティ)」を運営するIT企業です。実名制レビューが特徴で、予約サービス拡大やDX関連テーマと相性が良いことから、材料次第で株価が動きやすい傾向があります。
③メディア総研(9242)
メディア総研は、主に企業向けイベント企画や採用支援サービスを提供しています。特に人材採用市場やBtoBマーケティング需要が業績に影響しやすく、テーマ株として相場で注目されるタイミングがあります。
④免疫生物研究所(4570)
免疫生物研究所は、抗体・研究試薬の製造販売を手がけるバイオ企業です。バイオ株は治験結果・政府政策・医療ニュースなど材料の影響を受けやすく、株価が急騰・急落しやすい典型的なセクターです。
⑤ハンワホームズ(275A)
ハンワホームズは、不動産開発・建設分譲事業を行う企業です。地方市場中心ながら、新規プロジェクト・土地取得・自治体政策ニュースなどで株価が上下しやすく、出来高が薄い時期には大きく値が動きやすい特徴があります。
値動きが激しい株のメリットとリスク
値動きが激しい株(ハイボラティリティ株)には、大きな利益チャンスがある一方で、それに伴うリスクも高いのが特徴です。
■メリット(利点)
短期間で利益を狙いやすい
株価が大きく動くため、デイトレードやスイングトレードで短期利益を狙うことが可能です。
売買ポイントが明確になりやすい
ボラティリティが高いため、チャート上で上昇・下落のタイミングが比較的見えやすく、戦略を立てやすい傾向があります。
相場全体が弱くてもチャンスがある
市場全体が停滞していても、個別銘柄のニュースやテーマ性で株価が急騰することがあり、局所的に利益を狙えます。
■デメリット・リスク(注意点)
損失も急激に発生する
価格変動が大きいため、予想に反した動きをすると短時間で大きな損失が出る可能性があります。
感情が揺さぶられやすい(メンタル負担)
株価の上下が激しいため、心理的ストレスが大きく、冷静な判断を維持するのが難しくなります。
大量保有が難しい場合がある
出来高が少ない銘柄では、大きく買うと株価が急上昇または急落するため、まとまった資金での取引が難しいケースがあります。
投資戦略:値動きが激しい株の扱い方
値動きが激しい株は、利益のチャンスが大きい反面、損失リスクも高いため、戦略的に取引することが重要です。
1.損切りラインの事前設定(損切り注文)
株価が想定外に下落した場合、損失を最小限に抑えるために、あらかじめ損切り価格を決めて注文しておくことが重要です。
例えば「購入価格から5〜10%下落したら自動で売る」といったルールを設定することで、感情に左右されず取引できます。
2.テクニカル分析重視
値動きが激しい株では、チャートの指標を使った売買判断が有効です。
ボリンジャーバンド
株価の変動範囲を把握し、上限・下限付近で反転する可能性を確認。
RSI(Relative Strength Index)
過熱感や売られ過ぎを判断するオシレーター。70以上で過熱、30以下で売られ過ぎの目安。
VWAP(出来高加重平均価格)
大口取引や平均的な取引価格を把握し、売買タイミングを判断する指標。
出来高分析
株価の動きと取引量を比較して、トレンドの信頼性を確認。急騰・急落の裏付けに使えます。
3.資金管理
投資額を小さく
値動きが激しい株は短期間で大きく動くため、1銘柄あたりの投資額は控えめにしてリスクを分散します。
レバレッジに注意
値動きが激しい株でレバレッジをかけると、損失も大きくなるため注意が必要です。無理な追加入金や過度な信用取引は避けることです。
よくある質問(FAQ)
Q1.値動きが激しい株は誰でも簡単に利益を出せますか?
いいえ。短期間で大きく儲けられる可能性はありますが、逆に大きな損失を被るリスクも高いです。知識や経験、リスク管理が不可欠です。
Q2.どのような銘柄が「値動きが激しい株」に該当しますか?
一般的には次のような株が該当します。
IPO銘柄(新規上場株)
バイオ・ハイテクなどテーマ株
SNSで注目されるミーム株
低時価総額・出来高の少ないスモールキャップ株
これらはニュースや材料で価格が大きく動きやすい傾向があります。
Q3.値動きが激しい株を安全に取引する方法はありますか?
完全に安全ということはありませんが、次の対策でリスクを管理できます。
損切りラインをあらかじめ設定する
テクニカル指標で売買タイミングを判断する
投資額を小さく分散する
レバレッジを控えめにする
Q4.長期保有でも利益は狙えますか?
値動きが激しい株は短期変動に左右されやすいため、長期保有はリスクが高い傾向があります。長期で保有する場合は、業績や成長性を十分に確認する必要があります。
Q5.ニュースやSNSの影響は本当に大きいですか?
はい。特にテーマ株やミーム株は材料や話題性によって株価が急騰・急落することが多く、短期トレードでは重要な判断材料になります。
結論
値動きが激しい株は、短期間で大きく儲かる可能性がある反面、損失も大きくなるハイリスク・ハイリターン型の銘柄です。
短期投資では魅力的ですが、株の仕組みやチャート分析、損切りルールなどの知識と管理力が必須です。
そのため、利益を狙うには安全に売買できる仕組みを前提に取引することが重要です。
免責事項:この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。