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通貨ペアの取引量ランキング|取引量・特徴・おすすめ分析

公開日: 2025-11-09

FX(外国為替)取引は、常に「通貨ペア」で売買が行われます。例えば「ドル/円(USD/JPY)」のように、一方の通貨を買い、もう一方を売る形で取引が成立します。


このとき重要なのが「流動性」、つまり市場でどれだけ多く取引されているかという点です。流動性の高い通貨ペアほど、スプレッド(売値と買値の差)が狭く、スムーズに売買できるメリットがあります。


さらに、通貨ペアの取引量ランキングを見ることで、どの国や地域に資金が集まっているのか、世界経済の動向を知る手がかりにもなります。


通貨ペアの取引量ランキング

順位 通貨ペア 取引シェア(%) 主な市場時間帯 特徴
1位 EUR/USD 約22.7% 欧州・米国 世界で最も取引されるペア、流動性が非常に高い
2位 USD/JPY 約13.5% アジア・米国 日本の投資家や輸出入関連で人気、ドル主導の構図に入る
3位 GBP/USD 約9.5%   欧州・米国 英ポンドと米ドルの組み合わせで、ボラティリティが比較的高め
4位 USD/CNY 約6.6%   アジア(中国本土・香港)・米国 新興国通貨(人民元)とのペア。ドル絡みでシェア増加傾向
5位 USD/CAD 約5.5%   北米(カナダ)・米国 資源国通貨(カナダドル)とのペア、コモディティ価格の影響を受けやすい
6位 AUD/USD 約5.1%   オセアニア(豪州)・米国 コモディティ通貨代表の豪ドル、ドルとのペアで取引量あり

取引量が多い通貨ペアの特徴と理由

1位:EUR/USD(ユーロ/米ドル)|取引シェア 約22.7%

ユーロドルは圧倒的な取引量を誇る、世界の基軸ペアです。


欧州とアメリカの両経済圏は世界貿易の中心であり、取引参加者が非常に多いことが特徴です。


値動きが比較的スムーズで、スプレッド(売買差)が極めて狭く、テクニカル分析も機能しやすい傾向にあります。


主要な影響要因は、FRB(米連邦準備制度)とECB(欧州中央銀行)の金利政策差および、米・欧経済指標(雇用統計、CPI、GDPなど)です。


2位:USD/JPY(ドル/円)|取引シェア 約13.5%

ドル円はアジア市場で最も取引されるペアであり、日本の機関投資家・輸出企業を中心に根強い人気があります。


円は「安全通貨」としての特性を持ち、リスク回避局面では円高に、リスク選好局面では円安に動く傾向があります。


また、日銀とFRBの金利差によって方向性が大きく左右されるため、キャリートレードの主要通貨ペアとしても知られています。


取引時間は東京市場から米国市場まで連続して活発で、流動性が非常に高い点が特徴です。


3位:GBP/USD(ポンド/米ドル)|取引シェア 約9.5%

「ケーブル(Cable)」の愛称で知られるこのペアは、値動きが大きく、短期トレーダーに人気です。


英国は世界金融の中心地・ロンドンを抱えており、欧州時間帯での取引量が特に多いです。


政治リスク(例:Brexit)や英中銀(BOE)の政策が価格変動に直結しやすく、ボラティリティが高い一方で、流動性も安定しています。


4位:USD/CNY(ドル/人民元)|取引シェア 約6.6%

人民元は、過去10年間で急速に国際化が進んだ通貨です。


中国の経済規模が拡大し、米中間の貿易量が世界の中心的存在になったことが背景です。


ただし、中国人民銀行が為替レートを一定範囲で管理しているため、完全な自由取引ペアではないという特徴もあります。


それでも、取引量ランキングで4位に位置することは、人民元の国際的な存在感の高まりを示しています。


5位:USD/CAD(ドル/カナダドル)|取引シェア 約5.5%

カナダは資源輸出国であり、特に原油価格と強い相関関係を持つ通貨です。


WTI原油の価格変動がカナダドルに影響しやすく、エネルギー市場の動向を読むことで取引チャンスが増えます。


また、北米市場(ニューヨーク・トロント)が重なる時間帯に取引が集中し、安定した流動性を維持しています。


6位:AUD/USD(豪ドル/米ドル)|取引シェア 約5.1%

オーストラリアドルは「コモディティ通貨」として知られ、鉄鉱石や金、石炭などの資源価格と密接に連動します。


特に中国がオーストラリアの最大貿易相手国であるため、中国経済指標の影響を強く受ける点が特徴です。


アジア・オセアニア市場での取引が多く、スプレッドが比較的狭いため、中級者トレーダーにも人気があります。

複数の通貨シグナルを持つ女

通貨ペアの取引量ランキングから見るFX市場の傾向

1.ドル中心の構造:米ドルがFX市場を支配

最新のBIS(国際決済銀行)の調査によると、全世界のFX取引のうち約88%に米ドルが関与しています。


つまり、ほぼすべての通貨ペア取引で米ドルが片側に存在しており、ドルは依然として「世界の基軸通貨」としての地位を維持しています。


このドル中心の構造は、アメリカ経済の規模と国際貿易・金融決済におけるドル利用の多さに起因します。


たとえば、原油や金といった主要なコモディティの取引はドル建てで行われ、国際的な資金移動も多くがドル経由です。


そのため、ドルに関連するペア(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USDなど)は流動性が高く、スプレッドが狭い傾向があります。


また、FRB(米連邦準備制度)の金利政策が市場全体に大きな影響を与えるため、ドルの動向を読むことがFX市場分析の基礎とも言えます。


2.地政学的リスクや金利動向が通貨ペア選択に与える影響

取引量の多い通貨ペアは、世界情勢や金利変化に対して特に敏感です。


例えば、戦争・紛争・経済制裁などの地政学的リスクが発生すると、投資家は安全通貨である円やスイスフラン(CHF)に資金を移す傾向があります。


その結果、ドル円(USD/JPY)やユーロスイス(EUR/CHF)などの通貨ペアが大きく変動することがあります。


また、金利差は通貨ペアの方向性を決定づける重要な要因です。


  • 高金利通貨(例:USD、AUD、NZD)は買われやすい

  • 低金利通貨(例:JPY、CHF)は売られやすい


この仕組みにより、金利差を利用した「キャリートレード(高金利通貨の買い持ち)」が盛んに行われます。


特に、FRBやECB、日銀などの政策金利発表は、取引量の多い通貨ペアの値動きを瞬時に変化させます。


3.新興国通貨ペアの台頭:人民元やインドルピーの存在感

近年の取引量ランキングでは、USD/CNY(米ドル/人民元)が上位に入り、新興国通貨ペアの台頭が顕著になっています。


中国は世界第2位の経済大国であり、人民元の国際化が進んでいることから、グローバル金融市場での取引需要が増加しています。


さらに、インド経済の成長に伴い、USD/INR(米ドル/インドルピー)やUSD/BRL(米ドル/ブラジルレアル)といった新興国ペアの流動性も年々向上しています。


ただし、これらの通貨は依然として資本規制やボラティリティの高さといったリスクも伴うため、主要ペアほど安定していません。


とはいえ、世界経済の重心がアジアや南米へと広がる中で、今後は新興国通貨の取引量がさらに増える可能性があります。


今後のFX市場では、ドル・ユーロ・円といった主要通貨に加え、人民元やインドルピーなど「次世代の取引通貨」が徐々に存在感を高めていくと見られます。


初心者におすすめの通貨ペア

FX初心者には、取引量が多くスプレッドが狭い主要通貨ペアを選ぶのがおすすめです。流動性が高いほど、売買がスムーズで価格の急変リスクも小さくなります。


特に「EUR/USD(ユーロ/ドル)」「USD/JPY(ドル/円)」「GBP/USD(ポンド/ドル)」は、世界的に取引が活発で、情報も豊富に入手できます。


一方で、「TRY/JPY(トルコリラ/円)」や「USD/ZAR(ドル/南アフリカランド)」などの新興国通貨ペアは値動きが激しくリスクが高いため、初心者には不向きです。


まずは主要ペアで為替の仕組みや市場の動きを学び、慣れてから徐々に他のペアに挑戦するのが安全なステップです。


よくある質問(FAQ)

Q1. 通貨ペアの取引量はどこで確認できる?

通貨ペアの取引量は、主にFXブローカーの取引プラットフォームや金融情報サイト(例:TradingViewなど)で確認できます。また、主要な市場(ロンドン・ニューヨーク・東京)の取引時間帯を意識することで、流動性が高まる時間帯を把握することも可能です。


Q2. 取引量が多い通貨ペアの方がスプレッドが狭いのはなぜ?

取引量が多いということは、売り手と買い手が多く存在するということです。その結果、価格差(スプレッド)が競争によって自然と狭くなります。特に「EUR/USD」や「USD/JPY」などのメジャー通貨ペアは、取引量が多いためにスプレッドが非常に低く、コストを抑えて取引できるのが特徴です。


Q3. マイナー通貨ペアは利益チャンスが少ない?

マイナー通貨ペア(例:EUR/GBP、AUD/JPYなど)は、メジャー通貨ペアに比べて取引量が少なく、スプレッドも広がりやすいですが、必ずしも利益チャンスが少ないわけではありません。特定の経済ニュースや金利差、資源価格の変動などによって大きく動くことがあり、相場を的確に分析すれば高いリターンを狙うことも可能です。


結論

通貨ペアの取引量は、流動性と信頼性を判断する重要な目安です。ランキングを参考に、自分の取引スタイルに合うペアを選びましょう。さらに、市場の動きを定期的に確認することで、より良いタイミングで取引を行うことができます。


免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。