公開日: 2026-08-26
更新日: 2026-08-26
三菱マテリアルの株価が上昇しています。2026年8月26日11時30分時点で6,022円と、前日比394円高(+7.00%)となっています。直近でも8月20日から上昇基調が続いており、8月24日には5,772円まで上昇しました。
今回の上昇で注目されているのが、2027年3月期の業績予想を大幅に上方修正したことです。経常利益予想は1,800億円へ引き上げられ、金属価格の上昇や円安、AI関連需要などが収益を押し上げる要因となっています。
そこで本記事では、「三菱マテリアル株価の上昇理由」をテーマに、最新の株価動向や業績上方修正の背景、銅・金・タングステンなどの資源価格、今後の株価見通しまで詳しく分析します。

最大の材料は、8月6日に発表された2027年3月期の業績予想の大幅な上方修正です。三菱マテリアルは通期の営業利益予想を360億円から1,300億円へ引き上げ、前期比2.1倍を見込んでいます。純利益も490億円から1,400億円へ大幅に引き上げられました。これを受け、投資家の業績改善期待が一気に高まりました。
経常利益についても、従来予想から大きく上方修正され、1,800億円が見込まれています。第1四半期の経常利益は519億円と、前年同期の約1.4億円から大幅な黒字に転換しました。通期計画に対する進捗の速さも、株価を押し上げる材料となっています。
今回の上方修正によって、営業利益は過去最高を更新する見通しとなりました。単なる一時的な増益ではなく、金属価格や需要環境の改善によって収益力そのものが高まるとの期待が、株価の評価を押し上げています。実際、8月7日には上方修正を好感して700円高の5,157円とストップ高になりました。
金属価格の上昇も重要な要因です。会社側は今回の上方修正について、タングステン、銅、金などの価格上昇が収益を押し上げていると説明しています。特にタングステン価格の上昇は市場で強く意識されており、8月7日のストップ高にもつながりました。
為替市場での円安も追い風です。三菱マテリアルは海外の資源・金属関連事業を展開しているため、円安は海外収益の円換算額を押し上げる要因になります。2026年3月期も、為替差益に加えて持分法による投資利益や鉱山からの受取配当金の増加が経常利益を押し上げており、資源価格と為替の組み合わせが収益改善に寄与しています。
資源価格だけでなく、鉱山関連の収益も注目されています。2026年3月期は、持分法による投資利益と鉱山からの受取配当金が増加し、経常利益は前年比62.0%増の975億56百万円となりました。三菱マテリアルは中期経営戦略でも銅資源の安定調達や既存権益の収益性向上を掲げており、資源事業が収益基盤として評価されていることも株価上昇の背景です。
三菱マテリアルは、従来の天然資源を中心とした一次原料製錬から、E-Scrapなどを活用する二次原料製錬への転換を進めています。中期経営戦略では、二次原料の集荷・処理量を拡大し、海外にも資源循環ネットワークを展開する方針です。2035年度にはE-Scrap処理量を2025年度比で2倍にする目標を掲げており、資源価格に左右されにくい収益基盤の構築が期待されます。
タングステンは重要鉱物として注目されており、同社は7月31日、ドイツのH.C. Starckで約5,000万ユーロを投じ、タングステンスクラップ処理能力を年間約5,000トンから7,000トンへ約5割増強すると発表しました。2026年中に設備建設を開始し、2028年中の完成を予定しています。供給網の安定化とリサイクル事業の拡大が、中長期的な成長材料となりそうです。
銅はAIデータセンターや電力インフラなどの需要拡大が期待される重要素材です。三菱マテリアルは、銅精鉱への依存を抑えながらE-Scrapなどの二次原料処理を拡大する方針で、資源循環ループの構築を進めています。さらに伸銅品では、高付加価値の銅合金やデータセンター向けなど新分野の開拓も成長戦略に含まれています。
現在の三菱マテリアルの成長戦略で特に重要なのが、単純な「資源価格上昇」に依存する事業モデルから、資源を回収して再利用する循環型ビジネスへの転換です。同社は2026~2028年度の中期経営戦略で「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げています。8月24日にも、資源循環・脱炭素分野の産学共同研究費上限を年間200万円から300万円へ拡充し、研究開発を強化しています。
これらの取り組みは、2026~2028年度の中期経営戦略と一致しています。特に「資源循環ビジネスのグローバル展開」「E-Scrap処理量倍増」「タングステンリサイクル率100%」「銅精鉱の共同購買」が重要施策として位置付けられています。

| 項目 | 最新データ |
| 株価(8月25日終値) | 5,628円 |
| 時価総額 | 約7,400億円 |
| PER | 18.1倍 |
| PBR | 1.0倍前後 |
| 配当利回り | 1.78% |
| 年初来高値 | 6,126円(2026年3月2日) |
| 年初来安値 | 3,690円(2026年1月5日) |
| 信用倍率 | 24.47倍 |
三菱マテリアルは2026年3月2日に6.126円の年初来高値を記録しています。
| 比較項目 | 株価 |
| 年初来高値 | 6,126円 |
| 8月25日終値 | 5,628円 |
| 高値までの差 | ▲498円 |
| 高値までの上昇余地 | 約8.8% |
現在の株価は年初来高値まであと1割弱の水準にあり、投資家の視線はまず6,000円台の定着、その後の高値更新に向かっています。
| 指標 | 三菱マテリアル |
| PER | 18.1倍 |
| PBR | 1.00倍 |
| PSR | 0.41倍 |
| 配当利回り | 1.78% |
株価急騰前の8月初旬はPBR0.74倍程度でしたが、現在は1倍近くまで上昇しています。一方で、依然として純資産水準とほぼ同等の評価であり、資源関連株として極端な割高感は見られません。
8月6日の大幅上方修正後、株価は急騰しました。
| 日付 | 終値 |
| 8月4日 | 4,144円 |
| 8月6日 | 4,457円 |
| 8月7日 | 5,157円(ストップ高) |
| 8月25日 | 5,628円 |
わずか3週間で約36%上昇しています。
市場はすでに業績改善のかなりの部分を織り込み始めていますが、銅・金・タングステン価格が高値圏を維持できれば追加評価の余地も残されています。
| 価格帯 | 意味 |
| 6,000円 | 心理的節目 |
| 6,126円 | 年初来高値 |
| 6,300円前後 | PER基準の理論上値 |
| 7,600円前後 | 強気シナリオ時の理論上値 |
株予報ProのPER基準では、上値目途は7,687円と試算されています。一方、PBR基準では6,028円付近が上値目途とされており、6,000円近辺が当面の重要な攻防ラインになりそうです。
現在のアナリスト予想は「中立」が優勢で、平均目標株価は5,133~5,280円程度となっています。ただし、今回の業績上方修正後は目標株価の見直しが進む可能性があります。
三菱マテリアルは銅・金・タングステンなどの金属価格の影響を受けます。今回の業績上方修正も金属価格の上昇が大きな要因となっているため、価格が反落すれば利益予想の下振れ要因になります。
2027年3月期の業績予想では、金属価格に加えて円安も収益を押し上げる要因となっています。そのため、急速な円高に転じた場合は海外事業の円換算収益などにマイナスの影響が出る可能性があります。
金属価格の上昇局面では在庫評価による利益押し上げが発生することがあります。こうした要因は継続的な収益力とは区別する必要があり、今後の決算では営業利益の中身を確認することが重要です。
第1四半期は前年同期の赤字から大幅な黒字へ転換しており、金属価格上昇や円安、AI需要などが業績を押し上げました。反対に市況が悪化すれば、利益が大きく変動する可能性があります。
8月26日の株価は6,022円、前日比+7.00%、出来高約366万株と大きく上昇しています。8月20日から26日まででも5,345円から6,022円へ上昇しており、短期間の上昇が急だったため、利益確定売りによる一時的な調整には注意が必要です。
8月6日の業績予想上方修正後、8月7日には700円高の5,157円まで買われる場面があり、その後も株価は上昇しています。現在は業績改善への期待がかなり株価に反映されている可能性があるため、今後は「上方修正そのもの」よりも、実際の決算進捗や金属市況が重要になります。
主な理由は、2027年3月期の業績予想が大幅に上方修正されたことです。金属価格の上昇や円安、資源事業の収益改善なども株価を押し上げる材料となっています。
業績が会社予想に沿って推移し、銅やタングステンなどの価格が高値を維持すれば、さらなる株価上昇の可能性があります。ただし、短期間で大きく上昇しているため、利益確定売りには注意が必要です。
金属価格、為替レート、決算進捗、出来高、PER・PBRなどが重要です。特に資源価格は業績に影響しやすいため、銅・金・タングステンの市況を確認するとよいでしょう。
金属価格の下落や円高への転換、資源需要の減速などが主なリスクです。また、株価が急上昇した後は、好材料がすでに織り込まれている可能性にも注意が必要です。
短期的には6,000円台の定着や年初来高値の更新が焦点となります。ただし、具体的な上値水準は金属価格や業績の進捗によって変わるため、株価だけでなくファンダメンタルズも合わせて判断することが重要です。
三菱マテリアル株価の上昇理由は、2027年3月期の業績予想を大幅に上方修正したことを軸に、銅・タングステンなどの金属価格上昇や円安、AI関連需要の拡大が重なった点にあります。会社予想では営業利益1,300億円、経常利益1,800億円、純利益1,400億円と、大幅な増益が見込まれています。
一方、短期間で株価が大きく上昇しているため、今後は金属価格や為替の動向、決算の進捗を確認することが重要です。市場分析ツールを活用して株価チャートや出来高、テクニカル指標などを継続的にチェックすれば、上昇トレンドの強さや過熱感を把握しやすくなります。