日本の貿易赤字は三ヶ月連続、原油高で輸入額が過去最高に
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日本の貿易赤字は三ヶ月連続、原油高で輸入額が過去最高に

著者: 高橋健司

公開日: 2026-08-20   
更新日: 2026-08-20

2026年7月の日本の貿易赤字は6,345億円となり、3カ月連続の赤字となりました。前年同月の1,563億円から赤字幅は約4倍に拡大しています。


輸出は前年同月比23.2%増の11兆5,118億円と過去最高を更新した一方、輸入は27.8%増の12兆1,463億円と、輸出を上回る伸びを記録しました。特に原油輸入額が87.8%増加したことが、赤字拡大の主因となっています。


つまり、今回の日本の貿易赤字は輸出不振よりも、原油高や中東情勢を背景とした輸入コストの上昇が大きく影響したとみられます。今後は原油価格と円相場の動向が、貿易収支を左右する重要なポイントになりそうです。

日本の貿易赤字は三ヶ月連続、原油高で輸入額が過去最高に

7月の輸出・輸入はともに過去最高

2026年7月の日本の輸出額は前年同月比23.2%増の11兆5,118億円、輸入額は27.8%増の12兆1,463億円となり、いずれも過去最高を更新しました。輸出は11カ月連続、輸入は6カ月連続で前年同月を上回っています。


輸出では、自動車や半導体関連製品の需要が強く、特にAIデータセンター向けの半導体関連需要が追い風となりました。米国向け輸出は22.0%増、中国向けは25.8%増と、主要市場への輸出も堅調でした。


一方、輸入は輸出を上回る27.8%増となりました。原油価格の上昇やエネルギーコストの増加を背景に、原油輸入額が87.8%増と大幅に膨らんだことが主因です。その結果、輸出が好調にもかかわらず、7月の貿易収支は6,345億円の赤字となりました。


つまり、今回の特徴は「輸出が弱いから赤字になった」のではなく、輸出・輸入とも過去最高となる中、エネルギーを中心に輸入の伸びが輸出を上回ったことにあります。今後は原油価格と円相場の動向が、貿易収支を左右する重要なポイントとなりそうです。


なぜ日本の貿易赤字が拡大したのか

今回の日本の貿易赤字拡大では、原油価格の上昇とエネルギー輸入コストの増加が大きな要因となりました。7月の輸入額は前年同月比27.8%増の12兆1,463億円と過去最高を更新しています。


特に原油を含む石油関連の輸入額は87.8%増の約1兆4,100億円まで拡大しました。原油輸入量も前年同月比5.5%増となっており、価格上昇だけでなく調達量の増加も輸入額を押し上げています。


背景には中東情勢の緊迫化による供給不安があります。日本の原油輸入は中東依存度が高く、供給ルートの混乱を受けて米国産などへの代替調達も進みました。実際、国内精製会社による米国産原油の購入も確認されています。


このため、7月は半導体関連や自動車を中心に輸出が23.2%増と好調だったにもかかわらず、輸入の伸びがそれを上回り、6,345億円の貿易赤字につながりました。今後は原油価格と中東情勢、さらに代替調達に伴う輸送コストの動向が、日本の貿易収支を左右する重要なポイントとなりそうです。


半導体・自動車が輸出を押し上げ

2026年7月の日本の輸出は前年同月比23.2%増の11兆5,118億円と過去最高を更新しました。特に、AIデータセンター向け需要の拡大を背景に、半導体関連製品や半導体製造装置の輸出が伸びたほか、自動車輸出も全体を押し上げました。輸出はこれで11カ月連続の増加となっています。


地域別では、対米輸出が22.0%増、対中輸出が25.8%増と、主要市場への輸出がともに大きく増加しました。対米では自動車や医薬品の伸びが目立ち、対中輸出も堅調でした。


また、円安も日本製品の海外での価格競争力を高め、輸出を支える要因となっています。一方で、円安は原油など輸入品の円換算価格を押し上げるため、輸出が好調でも貿易赤字が拡大するという現在の構図には注意が必要です。


つまり、今回の貿易統計は「日本の輸出が弱い」という状況ではなく、半導体・自動車を中心に輸出は非常に強いものの、原油高による輸入増加がそれを上回っていることがポイントです。


日本の貿易赤字が円相場に与える影響

2026年7月の日本の貿易赤字は6,345億円となり、前年同月の約4倍に拡大しました。輸入額が輸出額を上回ったことで、外貨を調達するための円売り圧力が意識されやすくなっています。実際、8月20日の東京市場では、貿易統計発表後にドル円が一時158円57銭前後まで上昇しました。


ただし、ドル円の動きは貿易収支だけで決まるわけではありません。8月20日は米長期金利や米財務省の国債買い戻し方針なども材料となり、ドル円はその後158円73銭前後まで上昇したものの、夕方には158円40~50銭程度まで伸び悩みました。


一方、輸出は過去最高を更新しており、円安は日本企業の海外販売を後押しする面もあります。今後の円相場を見る際は、貿易収支だけでなく、原油価格、日米金利差、サービス収支や第一次所得収支も合わせて確認することが重要です。特に原油高が続けば輸入額がさらに膨らみ、円安圧力につながる可能性があります。


日銀の金融政策への影響

7月の日本の貿易赤字は6,345億円まで拡大し、原油高による輸入コストの上昇が国内物価への新たな上昇圧力となっています。実際、原油輸入額は前年同月比87.8%増加しており、円安が続けば輸入物価をさらに押し上げる可能性があります。


一方、日銀は7月31日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度に据え置きました。ただし、海外発の物価上振れリスクなどを背景に、委員からは1.25%への利上げ提案も出ています。次回会合は9月17~18日に予定されています。


今後、円安と原油高が同時に進めばインフレ圧力が長期化し、日銀の追加利上げ観測を強める可能性があります。一方で、輸入コストの上昇は企業の仕入れ負担や家計の実質購買力を圧迫するため、日銀は貿易赤字だけでなく、物価・賃金・個人消費などを総合的に判断するとみられます。


また、8月20日のドル円は158円台後半で推移しており、円安が続いています。今後は「原油高→輸入コスト上昇→物価上昇→日銀の利上げ観測」という流れが形成されるかが、金融市場の重要な焦点となりそうです。


今後の日本の貿易赤字はどうなる?

今後の日本の貿易赤字を左右する最大のポイントは、原油価格と中東情勢です。2026年7月は原油輸入額が前年同月比87.8%増となり、輸入全体を大きく押し上げました。中東情勢が長期化して原油価格が高止まりすれば、貿易赤字も拡大しやすくなります。


一方、7月の輸出は23.2%増の11兆5,118億円と過去最高を更新しました。AIデータセンター需要を背景とした半導体関連製品や自動車の輸出が好調で、今後も世界的なAI投資が続けば、日本の輸出を下支えする材料となりそうです。


また、円安も輸出企業にとっては追い風となる一方、原油など輸入品の円換算コストを押し上げる要因です。7月の税関公示レートの平均は1ドル=161円台で、前年より円安水準でした。


したがって、今後の日本の貿易赤字は、「原油高が続くか」対「半導体・自動車輸出の伸びが続くか」という構図で見ることが重要です。原油価格が落ち着けば赤字縮小が期待できる一方、中東情勢の長期化と円安が続けば、輸入コストの高止まりによって赤字が続く可能性があります。


よくある質問

Q1. 日本の貿易赤字はなぜ3カ月連続になったのですか?

主な要因は原油などエネルギー輸入コストの上昇です。2026年7月は輸入額が前年同月比27.8%増の12兆1,463億円となり、輸出の伸び率23.2%を上回りました。特に原油輸入額は87.8%増加し、貿易赤字を押し広げました。


Q2. 7月の日本の貿易赤字はいくらですか?

2026年7月の貿易収支は6,345億円の赤字でした。前年同月の1,563億円の赤字と比べると、赤字幅は約4倍に拡大しています。


Q3. 輸出は好調なのになぜ赤字なのですか?

7月の輸出額は11兆5.118億円と過去最高を更新しました。自動車や半導体関連製品などが輸出を押し上げましたが、輸入額はそれを上回る12兆1.463億円となりました。つまり、輸出不振ではなく、輸入の伸びがより大きかったことが赤字の主因です。


Q4. 日本の貿易赤字は円相場に影響しますか?

影響する可能性があります。貿易赤字が拡大すると、輸入代金の支払いなどを通じて円売り要因として意識されることがあります。実際、8月20日の東京市場では貿易統計発表後にドル円が一時158円57銭前後まで上昇しました。ただし、為替は日米金利差や原油価格などにも左右されるため、貿易収支だけで判断するのは適切ではありません。


Q5. 日本の貿易赤字は今後も続くのでしょうか?

今後は原油価格と中東情勢が大きなポイントになります。原油価格が高止まりすれば輸入額が膨らみ、赤字が続く可能性があります。一方、半導体や自動車などの輸出が好調に推移すれば、赤字幅が縮小する可能性もあります。


Q6. 日本の貿易赤字は日銀の金融政策に影響しますか?

貿易赤字そのものが直接的に政策金利を決めるわけではありません。ただし、原油高や円安によって輸入物価が上昇し、国内のインフレ圧力が強まれば、日銀の追加利上げ観測を強める材料になる可能性があります。今回の貿易統計でも、原油高による輸入コスト上昇が注目されています。


まとめ:日本の貿易赤字は三ヶ月連続、円相場にも注目

2026年7月の日本の貿易赤字は6,345億円となり、3カ月連続の赤字となりました。輸出は23.2%増と過去最高を更新した一方、輸入は27.8%増とさらに大きく伸び、原油輸入額の87.8%増が赤字を押し広げました。


今後は、原油価格や中東情勢に加え、半導体・自動車などの輸出がどこまで伸びるかが焦点です。貿易赤字が続けば、円相場や日銀の金融政策、日本株への影響にも注目が集まりそうです。


市場分析ツールを活用すれば、日本の貿易赤字とドル円、原油価格、日経平均などの値動きを横断的に確認でき、市場への影響をより効率的に分析できます。

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