公開日: 2026-03-15
含み損益とは、保有している株式や投資信託などの金融商品を現在の市場価格で売却した場合に発生すると想定される損益のことを指します。まだ実際に売却していないため、利益や損失は確定しておらず、「評価損益」と呼ばれることもあります。
投資において含み損益は、現在の投資状況を把握するための重要な指標です。購入した価格よりも現在の価格が高ければ「含み益」、低ければ「含み損」となり、自分の投資がどの程度プラスまたはマイナスの状態にあるかを確認できます。
また、多くの投資家が含み損益を注目する理由は、売却のタイミングや投資判断に大きく関わるためです。含み益が出ている場合は利益確定を検討する材料になり、含み損が出ている場合は損切りや長期保有などの判断を考えるきっかけになります。つまり、含み損益は投資の状況を把握し、今後の戦略を考えるうえで欠かせない指標といえます。
含み損益の計算方法

含み損益とは、投資している金融商品の購入価格と現在の市場価格の差によって計算されます。株式投資や投資信託、FXなど多くの金融商品で共通して使われる基本的な考え方で、現在の投資状況を把握するための重要な指標です。計算自体は非常にシンプルで、現在の価格と購入価格の差額を求めることで確認できます。
1. 含み損益の基本計算式
含み損益は、次の計算式で求めることができます。
含み損益 =(現在の価格 − 購入価格)× 保有数量
この計算によって、現在の市場価格で売却した場合にどの程度の利益または損失が出る可能性があるかを把握できます。
例えば、ある株式を1株1.000円で購入し、現在の株価が1.200円まで上昇している場合を考えてみましょう。
例
購入価格:1.000円
現在価格:1.200円
この場合、1株あたりの差額は200円となります。1株だけ保有している場合は含み益200円、もし100株保有していれば含み益は20.000円になります。
反対に、現在価格が800円まで下がっている場合は、1株あたり200円の損失となり、これが含み損として表示されます。このように、含み損益は株価の変動によって常に変化するのが特徴です。
2. 含み益と含み損の違い
含み損益は大きく分けて「含み益」と「含み損」の2種類があります。それぞれの意味を理解しておくことは、投資判断を行ううえで非常に重要です。
含み益とは、購入した価格よりも現在の市場価格が高い状態のことを指します。つまり、もしその時点で売却すれば利益が出る可能性がある状態です。ただし、実際に売却していないため、利益はまだ確定していません。市場価格が下がれば含み益が減少したり、含み損に転じたりする可能性もあります。
一方、含み損とは、購入した価格よりも現在の市場価格が低い状態を意味します。この場合、現時点で売却すると損失が発生します。ただし、こちらもまだ確定した損失ではなく、株価が再び上昇すれば含み損が解消される可能性があります。
このように、含み益と含み損はどちらも未確定の損益であり、市場価格の変動によって常に変わる点が特徴です。投資家はこれらの状況を確認しながら、利益確定や損切りのタイミングを検討していきます。
3. 含み損益と実現損益の違い
投資を行ううえでは、「含み損益」と「実現損益」の違いを理解しておくことが非常に重要です。どちらも投資の利益や損失を示す言葉ですが、損益が確定しているかどうかという点で大きく異なります。投資家はこの違いを理解することで、より適切な売買判断を行うことができます。
実現損益とは
実現損益とは、保有している金融商品を実際に売却した時点で確定する利益または損失のことを指します。株式や投資信託などは、売却することで初めて損益が確定し、その結果が実現損益として記録されます。
例えば、1株1.000円で購入した株式を1.300円で売却した場合、1株あたり300円の利益が確定します。この利益が実現損益となります。逆に、800円で売却した場合は200円の損失が確定し、これも実現損益として計上されます。
実現損益はすでに取引が完了しているため、その後株価が変動しても金額が変わることはありません。また、株式投資では実現した利益に対して税金が課される場合があるため、投資家にとって重要な指標となります。
含み損益との違い
含み損益と実現損益の大きな違いは、損益が確定しているかどうかです。含み損益は現在の市場価格を基準にした「仮の損益」であり、実際に売却しない限り確定しません。一方、実現損益は売却によって確定した損益であり、その後の価格変動の影響を受けません。
株式投資での含み損益の見方
株式投資では、含み損益は主に証券会社の取引画面や口座管理画面で確認できます。投資家はこれらの情報を参考にしながら、自分の投資が現在どのような状態にあるのかを把握し、売買のタイミングを判断します。特に「評価損益」や「評価額」といった表示項目を理解しておくことが重要です。
1. 証券口座での表示方法
多くの証券会社では、保有している株式の状況が口座画面に一覧で表示されます。その中で、含み損益に関係する主な項目が評価損益と評価額です。
評価損益とは、現在の株価を基準に計算された含み損益のことです。購入した価格と現在の株価の差によって算出され、プラスであれば含み益、マイナスであれば含み損を意味します。この数値を見ることで、現在の投資がどの程度利益または損失の状態にあるのかを簡単に確認できます。
一方、評価額とは、保有している株式を現在の市場価格で計算したときの総額を指します。たとえば、現在株価が1.500円の銘柄を100株保有している場合、評価額は150.000円となります。この評価額は株価の変動によって日々変化するため、資産全体の状況を把握するうえで重要な指標となります。
2. 投資判断にどう影響するか
含み損益とは、投資家が売買の判断を行う際の重要な材料になります。特に「利益確定」と「損切り」の判断に大きく関係します。
利益確定とは、含み益が出ている状態で株式を売却し、利益を確定させることです。株価は常に変動しているため、含み益が出ているうちに売却して利益を確定させることで、確実に利益を得ることができます。投資家の中には、あらかじめ目標となる利益率を決めておき、その水準に達したら売却するという戦略を取る人もいます。
一方、損切りとは、含み損が出ている状態で株式を売却し、損失を確定させることを指します。一見すると不利な行動に思えるかもしれませんが、損失がさらに拡大するのを防ぐために重要な判断となる場合があります。多くの投資家は、あらかじめ許容できる損失の範囲を決めておき、そのラインを超えた場合には売却するというルールを設けています。
含み損益を見るときの注意点
含み損益は投資の状況を把握するうえで重要な指標ですが、数値だけに注目しすぎると誤った投資判断につながる可能性があります。特に初心者の投資家は、含み益や含み損の数字に感情的に反応してしまいがちです。そのため、含み損益を見る際にはいくつかの注意点を理解しておくことが大切です。
1. 含み益は利益ではない
含み益が出ている場合でも、それはまだ確定した利益ではありません。実際に株式や金融商品を売却して初めて利益が確定します。
例えば、購入した株の価格が上昇して大きな含み益が出ていても、その後株価が下落すれば利益は減少したり、場合によっては含み損に変わることもあります。そのため、含み益はあくまで「現在の価格で売却した場合に得られる可能性のある利益」であり、確定した利益とは異なる点を理解しておく必要があります。
2. 含み損にこだわりすぎない
含み損が発生すると不安になる投資家も多いですが、短期的な価格変動だけで過度に判断するのは避けるべきです。株式市場では日々価格が変動するため、一時的に含み損が出ることは珍しくありません。
特に長期投資を前提としている場合は、短期的な含み損だけで売却を判断するのではなく、企業の成長性や市場環境などを総合的に考えることが重要です。場合によっては、時間の経過とともに株価が回復し、含み損が解消される可能性もあります。
3. 市場の変動で大きく変わる
含み損益は市場価格の変動によって常に変化するという特徴があります。株価は経済状況や企業業績、金利動向、世界情勢などさまざまな要因の影響を受けるため、短期間で大きく変動することもあります。
そのため、含み損益の数字は一時的なものであり、日々変わる可能性があることを理解しておくことが大切です。投資判断を行う際には、含み損益だけでなく、企業の業績や市場のトレンドなども含めて総合的に判断することが望ましいでしょう。
含み損益を活用した投資戦略
含み損益は単に現在の損益状況を確認するための指標だけでなく、投資戦略を考えるうえでも重要な情報となります。投資家は含み損益の状況を参考にしながら、利益確定のタイミングや損切りの判断、資産の分散などを検討します。ここでは、含み損益を活用した代表的な投資戦略について解説します。
1. 利益確定のタイミング
投資で利益を得るためには、適切なタイミングで利益を確定させることが重要です。株価が上昇して含み益が出ている場合でも、市場は常に変動しているため、利益を確定しないまま保有し続けると株価が下落して利益が減少する可能性があります。
そのため、多くの投資家はあらかじめ目標となる利益率や価格を設定しておき、その水準に達した時点で売却するという方法を取ります。例えば「購入価格から20%上昇したら売却する」といったルールを決めておくことで、感情に左右されず冷静に利益確定を行うことができます。
2. 損切りラインの設定
投資では利益を伸ばすことだけでなく、損失をコントロールすることも非常に重要です。そのため、多くの投資家は含み損が一定の水準に達した場合に売却する「損切りライン」をあらかじめ設定しています。
例えば「購入価格から10%下落したら売却する」といったルールを決めておくことで、損失の拡大を防ぐことができます。損切りは心理的に難しい判断ですが、大きな損失を避けるためには重要なリスク管理の方法とされています。
3. 分散投資
含み損益を安定させるためには、分散投資を行うことも有効な戦略です。特定の銘柄や業種に資金を集中させると、その銘柄の株価が下落した場合に大きな含み損が発生する可能性があります。
そのため、複数の銘柄や異なる業種、さらには株式だけでなく投資信託やETFなどさまざまな金融商品に資金を分散させることで、リスクを抑えることができます。分散投資によって、一部の資産が値下がりしても他の資産の上昇でカバーできる可能性があり、全体の含み損益を安定させる効果が期待できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 含み損益と評価損益は同じ?
基本的に、含み損益と評価損益はほぼ同じ意味で使われる言葉です。どちらも、保有している株式や投資信託などの金融商品を現在の市場価格で評価した場合に発生する損益を指します。
証券会社の取引画面では「評価損益」と表示されることが多く、これは購入価格と現在の価格の差から計算された未確定の損益を意味します。つまり、実際に売却するまでは利益や損失は確定しておらず、市場価格の変動によって日々変わるのが特徴です。
Q2. 含み益に税金はかかる?
含み益の段階では、通常は税金はかかりません。
税金が発生するのは、株式などを売却して利益が確定したときです。このように確定した利益は「実現益」と呼ばれ、課税対象となります。
例えば、購入価格より株価が上昇して含み益が出ていても、売却しない限りは課税されません。ただし、売却して利益が確定すると、その利益に対して税金が課される仕組みになっています。
Q3. 含み損はいつ確定する?
含み損は、保有している金融商品を売却した時点で確定します。
購入価格よりも低い価格で売却した場合、その差額が実際の損失として確定します。
ただし、売却するまではあくまで未確定の損失であり、株価が回復すれば含み損が減少したり、含み益に転じる可能性もあります。そのため、多くの投資家は株価の動きや企業の将来性を考慮しながら、売却するかどうかを判断します。
Q4. 含み損益はどこで確認できる?
含み損益は、証券会社の取引口座や投資アプリの資産管理画面で確認できます。多くの場合、「評価損益」や「評価額」といった項目として表示されています。
結論
含み損益とは、保有している株式などを現在の価格で売却した場合に発生する未確定の損益のことです。実際に売却するまでは利益や損失は確定せず、株価の変動によって金額は常に変わります。
そのため投資判断を行う際には、含み損益の数字だけに注目するのではなく、市場環境や企業の成長性、自分の投資目的なども総合的に考えて判断することが重要です。適切に状況を見極めることで、より冷静で長期的な投資判断につながります。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。