公開日: 2026-05-04
アディダス株価は2026年に入り大きく変動しており、直近では好調な決算を受けて株価が約8%上昇するなど強い反応を見せています。一方で、為替や関税など外部要因による利益圧迫も指摘され、市場環境は依然として不安定です。実際、2026年第1四半期は売上が約66億ユーロ、営業利益が約7億ユーロと市場予想を上回る好業績となりましたが、同時に「不安定な市場環境」が強調されています。
こうした状況から、アディダス株価は業績の回復基調と外部リスクが混在する局面にあり、投資家にとっては短期の値動きと中長期の成長性を見極めることが重要となっています。
アディダス株価の現状
アディダスの株価は、2026年4月時点で米ADRベースで約87ドル前後で推移しており、決算発表直後には1日で約7〜8%上昇するなど短期的な変動が大きい状況です。
時価総額は約290億〜310億ドル規模(約240億〜280億ユーロ)となっており、グローバルスポーツブランドとしては依然として大きな市場価値を維持しています。
バリュエーション面では、PER(株価収益率)は約19〜20倍前後で推移しており、消費関連株としては中立水準と評価されます。
また、EPS(1株当たり利益)は約4.2〜4.5ドルとなっており、収益回復が進んでいることが確認できます。
さらに、2026年4月の値動きを見ると、株価は約75ドル〜88ドルのレンジで推移しており、ボラティリティの高さが特徴です。

最新決算と業績動向(最新データ反映)
アディダスは、2025年に売上約248億ユーロ(過去最高)を記録し、営業利益も約20.6億ユーロ(前年比+50%以上)と大幅に回復しました。ブランド再建と値引き抑制戦略が奏功し、収益性が大きく改善しています。
さらに2026年に入っても成長は継続しており、2026年第1四半期(1〜3月)は以下の通りです:
売上高:約65.9億ユーロ(前年比+7%/為替調整後+14%)
営業利益:約7.05億ユーロ(+16%)
純利益:約4.8億ユーロ(+約12%)
営業利益率:10.7%(前年9.9% → 改善)
特に注目点
アパレル部門が+20%以上の高成長
直販(DTC)チャネルが大きく伸長
サッカー・ランニング製品が売上を牽引
ワールドカップ需要の先取りが寄与
株価変動の主な要因
A. ポジティブ要因
1. 業績の上振れ(決算サプライズ)
2026年第1四半期は売上・利益ともに市場予想を上回り、営業利益は約7億ユーロと想定を超過しました。この好決算を受けて株価は約7〜9%上昇し、投資家心理の改善につながっています。
2. スポーツ需要・ブランド力の強化
サッカー(ワールドカップ需要)やランニング分野が売上を牽引し、特にマラソン記録更新などによりブランド露出が大幅に増加しました。これにより販売拡大と市場シェア上昇が進んでいます。
3. 収益性改善(コスト管理+値引き抑制)
粗利益率は為替や関税の影響でやや低下したものの、販管費の抑制や値引き削減により営業利益率は改善しています。
つまり「売上+効率」の両面で改善が進行中です。
B. ネガティブ要因
1. 弱気な利益見通し(ガイダンス)
2026年の営業利益見通しは約23億ユーロとされたものの、市場期待(利益率10%前後)を下回る水準で、これが発表時には株価下落要因となりました。
2. 米国関税の影響(最大約4億ユーロ)
米国の輸入関税により、2026年の利益に最大約4億ユーロ規模の悪影響が見込まれています。これはコスト増加だけでなく、価格上昇→需要減少のリスクも伴います。
3. 為替リスク(ユーロ高・ドル安)
為替変動により売上・利益が圧迫されており、実際に粗利益率は為替要因で低下しています。特にユーロ高は海外売上の目減り要因となります。
4. 地政学リスク・消費不透明感
中東情勢などの影響で一部地域では店舗営業に制約が出ており、また欧州では消費者の慎重姿勢も続いています。
2026年の見通し(ガイダンス分析)

1. 売上見通し:一桁後半成長(+7〜9%前後)
アディダスは2026年について、為替調整後の売上が一桁後半(high single digit)成長になると見込んでいます。これは約20億ユーロ規模の増収に相当し、2025年の過去最高売上(約248億ユーロ)からさらに拡大する想定です。
背景
ワールドカップ需要(サッカー関連)
中国・北米市場の回復
直販(DTC)とブランド力強化
評価
売上は堅調な成長トレンドを維持
市場平均を上回る成長が期待される
2. 営業利益見通し:約23億ユーロ
2026年の営業利益は約23億ユーロと予想されています。これは2025年(約20億ユーロ)からの増益ではあるものの、市場予想(約27億ユーロ前後)を下回る水準です。
ポイント
増益ではあるが期待未達
営業利益率は9%未満の見込み(市場期待は約10%)
3. 利益を圧迫する要因
2026年は外部要因による逆風が明確です
米国関税+為替影響:約▲4億ユーロ
地政学リスク(中東など)
消費環境の不透明感
つまり
本来なら利益率10%到達可能だが、外部要因で押し下げられている構造
4. 中期見通し(2026〜2028年)
アディダスは中期的にはより強気な見通しも提示しています
売上:引き続き一桁後半成長
営業利益:年率中〜高10%成長(CAGR)
意味
短期は慎重
中長期は成長継続シナリオ
5. 総合評価
売上:安定した成長
利益:外部要因で伸び悩み
株価インパクト:ネガティブ寄り
結論
アディダスの2026年見通しは「売上は強いが利益が弱い」という構図であり、これが株価の上値を抑える主因となっています。ただし中期的には成長継続が見込まれており、短期と長期で評価が分かれる局面といえます。
今後の注目イベント
① 次回四半期決算(2026年7月〜8月想定)
アディダスは2026年第1四半期で市場予想を上回る好決算を発表し、株価は約9%上昇するなど強い反応を示しました。
次回の第2四半期決算は2026年7月〜8月頃に発表される見込みで、以下が焦点になります:
売上成長が継続するか(+一桁後半成長の維持)
営業利益率の改善(10%に近づくか)
ガイダンス修正の有無
注目理由
現在の株価は「期待と不安のバランス」で形成
決算次第で大きく上下する局面
② 中国市場の売上動向
中国(大中華圏)はアディダスにとって重要な成長エンジンであり、2025年も増収(+4.7%)を維持しています。
さらに会社側は2026年も中国・北米で二桁成長を見込むとしています。
注目ポイント
中国景気回復の持続性
ローカルブランドとの競争
消費マインドの変化
重要性
中国は「利益成長のカギ」
ここが伸びれば株価上昇要因
③ 為替・関税政策の動向
2026年は外部環境が最大のリスク要因となっています。
米国関税+為替の影響:約▲4億ユーロの利益押し下げ要因
粗利益率も為替の影響で低下(約▲1%)
注目ポイント
米国の貿易政策(関税強化 or 緩和)
ユーロ/ドル為替の方向
サプライチェーンコスト
重要性
業績よりも「外部要因」で株価が動く局面
利益率に直結するためインパクト大
よくある質問(FAQ)
Q1. アディダスの株価は今後上がりますか?
アディダス株価は中長期では上昇余地があると見られています。ブランド力の回復や中国・北米市場の成長が期待される一方、短期的には為替や関税などの外部要因に左右されやすく、値動きは不安定になる可能性があります。
Q2. アディダス株は今は買い時ですか?
現在の株価は業績回復をある程度織り込んだ水準にあり、「割安でも割高でもない中立ゾーン」と評価されます。短期トレードよりも、中長期での成長を前提にした投資が向いている局面といえます。
Q3. 株価が変動する主な理由は何ですか?
主な要因は以下の通りです。
決算内容(売上・利益の上振れ/下振れ)
ガイダンス(将来見通し)
為替や関税などの外部環境
スポーツイベントやブランド動向
特に決算発表時は株価が大きく動きやすい特徴があります。
Q4. 競合と比べてどうですか?
最大の競合はナイキで、依然として市場シェアではリードされています。ただし近年はアディダスの回復が進み、特に欧州やライフスタイル分野では存在感を強めています。
Q5. 配当はありますか?
アディダスは配当を実施していますが、現在は成長投資とのバランスを重視している段階です。そのため高配当銘柄というよりは、成長+安定の中間型銘柄と位置付けられます。
まとめ
アディダス株価は、足元の業績が堅調に推移している一方で、市場の期待とのギャップによって変動しやすい状況にあります。中長期的にはブランド力の回復や市場拡大を背景に成長が続くと見込まれますが、短期的には為替や関税などの外部要因の影響を受けやすく、不安定な値動きが続く可能性があります。