アリババ株価の今後を予想|AI・クラウド拡大で再上昇はあるのか
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アリババ株価の今後を予想|AI・クラウド拡大で再上昇はあるのか

著者: 高橋健司

公開日: 2026-03-07

アリババ株価の今後は、AIとクラウド事業の成長が中長期の最大の追い風になる一方、短期的には利益低下や中国経済の不透明感による変動が続く可能性が高いとみられています。


最近の業績では、クラウド事業の売上が前年比約34%増と大きく成長し、AI関連サービスも外部顧客からの需要拡大によって複数四半期連続で高成長を維持しています。


さらに、同社はAIモデル「Qwen」などの開発を進め、AIクラウド市場で大きなシェアを持つなど、AI分野での成長期待が株価の中長期的な上昇要因とされています。


一方で、AIインフラ投資や競争激化の影響により、利益は前年より大幅に減少する局面もあり、2026年は利益成長より投資フェーズの色合いが強いと指摘されています。


また、中国の消費減速や規制リスクなどの外部要因も株価の短期的な変動要因となっています。


そのため、アリババ株はAI需要の拡大を背景に中長期では強気の見方が多い一方、短期的には業績や市場環境によってボラティリティが高くなる可能性がある銘柄と考えられています。

アリババの杭州本社

アリババの最新株価と現状

1. 株価データ

アリババ(NYSE: BABA)の株価は、2026年初め時点でおおむね150ドル前後で推移しており、世界の大型テック企業の一つとして高い時価総額を維持しています。2026年2月時点の時価総額は約3.400億〜3.800億ドル規模で、世界でも上位クラスのIT企業に位置しています。


過去1年間の株価レンジを見ると、52週高値は約192.67ドル、安値は約95ドル前後となっており、AIや中国テック株の期待によって大きな値動きが続いています。平均株価は約140ドル前後で、現在の株価はその平均付近に位置しています。


また、同社株の平均出来高は1日あたり約1.600万株とされ、米国市場でも流動性の高い中国企業銘柄の一つです。


2. 最近の株価動向

最近の株価はやや調整局面にあり、2025年10月につけた約192ドルの高値から約25%前後下落する場面が見られました。2026年2月の取引では約144ドル前後まで下落し、数日連続で下げるなど短期的なボラティリティが高まっています。


さらに、直近1か月では株価が約10%近く下落し、2025年9月以来の安値水準を記録したとの報道もあります。こうした値動きは、中国経済の減速懸念や決算前の警戒感などが背景にあると指摘されています。


それでも、2025年はAI関連期待などを背景に株価が大きく上昇した年でもあり、長期的には依然として市場の関心が高い中国テック銘柄の一つとされています。

直近のアリババ株価推移

アリババ株価の今後が上昇トレンドにある要因

① AI事業の急成長

アリババでは、近年AI事業が新たな成長エンジンとなっており、その中心となっているのが独自の生成AIモデル「Qwen」シリーズです。Qwenは2025年以降に急速に進化しており、テキストだけでなく画像・音声・動画にも対応するマルチモーダルAIとして開発が進められています。2026年には「Qwen3.5」など新モデルも公開され、AIプラットフォームとしての機能がさらに強化されています。


このAI戦略により、同社のクラウド事業であるAlibaba Cloudの需要が急拡大しています。企業や開発者がAIモデルの開発・運用にクラウドインフラを利用するケースが増えたことで、AI関連サービスの利用が急増しています。実際に、AI関連プロダクトの売上は複数四半期にわたり3桁成長を続けており、AIがクラウド事業の成長を大きく牽引しています。


その結果、直近の決算ではクラウド事業の売上が前年同期比34%増の約398億元(約56億ドル)と大きく伸び、市場予想を上回る成長となりました。AI需要の拡大により、計算能力やデータ処理などのクラウドサービス利用が急増していることが背景にあります。


このように、アリババは「AI+クラウド」を中核戦略として位置づけており、AIインフラやデータセンターへの投資も拡大しています。AI市場の成長が続けば、同社のクラウド事業は今後も拡大し、株価の中長期的な上昇要因になる可能性が高いと期待されています。


② クラウド市場の拡大

近年、アリババの成長を支える最大の分野の一つがクラウド事業(Alibaba Cloud)です。特に生成AIの普及により、企業がAIモデルの開発やデータ処理にクラウドインフラを利用するケースが急増しており、クラウド市場そのものが急速に拡大しています。


最新の決算では、アリババのクラウド事業の売上は前年同期比34%増の約398億元(約56億ドル)と大きく伸び、同社の主要事業の中で最も高い成長率を記録しました。AI関連サービスの需要拡大が主な要因で、AI関連プロダクトの売上は9四半期連続で3桁成長を維持しています。


また、AIの普及によって企業のクラウド利用は急増しており、アリババの経営陣も「AIアプリケーションの拡大に伴い、計算能力・ストレージなどクラウドサービスの需要が大幅に増えている」と説明しています。こうしたAI需要の拡大により、Alibaba Cloudは現在中国最大級のクラウドサービス企業として市場で大きな存在感を持っています。


さらに、米投資銀行の分析でもクラウド事業の成長は高く評価されています。たとえば、Goldman SachsはAlibaba Cloudの売上成長率が2025年末に約38%、2026年初めに約37%に達する可能性があると予測しており、AIインフラ需要の拡大が成長を支えると指摘しています。


アリババは今後もAIインフラやデータセンターへの投資を拡大する計画で、数年間で数百億ドル規模のAI・クラウド投資を行う方針を示しています。こうした積極投資によってクラウド事業の成長が続けば、同社の収益構造はEC中心から「AI+クラウド企業」へと大きく転換する可能性があり、株価の中長期的な上昇要因として注目されています。


③ アナリストの強気評価

ウォール街のアナリストの多くは、アリババ株に対して比較的強気の見方を維持しています。複数の証券会社のコンセンサスデータによると、アリババ株の平均目標株価は約198〜205ドル前後とされており、現在の株価水準から約20〜35%程度の上昇余地があると予想されています。


例えば、LSEGのデータではアリババの長期コンセンサス目標株価は約198ドルで、これは当時の株価と比べて約19%の上昇余地を示しています。


また、別の市場データでは、平均目標株価は約205ドルとされ、約30〜35%の上昇余地があるという分析もあります。


アナリストの投資判断を見ると、アリババ株は「Strong Buy(強い買い)」の評価が多く、40人以上のアナリストのうち大半が「買い」を推奨しています。


さらに、目標株価のレンジを見ると

  • 強気予想:約230〜260ドル

  • 平均予想:約198〜205ドル

  • 弱気予想:約126〜172ドル

と幅がありますが、全体としてはAI・クラウド事業の成長が株価の上昇要因になるとの見方が主流です。


このように、短期的には中国経済や規制リスクなどの不確実性があるものの、ウォール街ではアリババをAI時代の中国テック大手として中長期的に評価する声が多い状況となっています。


アリババ株価が下がるリスク

① 利益の大幅減少

アリババでは近年、AIやクラウド、即時配送(クイックコマース)などの新規事業への積極投資が続いており、その影響で短期的な利益が大きく圧迫されています。


最新の決算(2025年後半〜2026年初めにかけてのデータ)では、売上は増加しているものの、利益は大幅に減少する結果となりました。例えば2026年会計年度第2四半期では、売上高は2478億元(約348億ドル)と市場予想を上回った一方、利益は前年同期比で約71%減少しました。主な原因はAIインフラやマーケティングへの投資拡大です。


また、別の分析では、同時期の調整後EBITA(営業利益ベースの指標)が前年から78%減少したと報告されています。これは、AI開発やクイックコマース拡大などの戦略投資が増えたことが要因とされています。


さらに、営業利益の落ち込みはより顕著で、ある四半期では営業利益が前年比で約85%減少し、AI関連投資の影響でフリーキャッシュフローがマイナスに転じたとの分析もあります。


ただし、この利益減少は必ずしも業績悪化だけを意味するものではありません。アリババは今後の成長を見据え、AI・クラウドインフラに3年間で約3800億元(約530億ドル)以上を投資する計画を掲げており、短期的な利益よりも長期的な技術競争力の強化を優先しています。


このため、現在のアリババは「利益より成長投資を優先するフェーズ」にあると多くのアナリストが指摘しています。AI事業が本格的に収益化すれば利益率が回復する可能性がありますが、短期的には利益の変動が大きくなる可能性が高いと見られています。


② 中国テック規制

アリババの株価を考えるうえで大きなリスクの一つが、中国政府によるテック企業への規制強化です。中国では巨大IT企業の影響力が非常に大きいため、政府は独占防止やデータ管理の観点から監督を強めており、これが企業の経営や株価に影響する可能性があります。


まず、中国政府はプラットフォーム企業の競争や価格戦略を厳しく監視しています。2026年には中国の市場規制当局がアリババなどの大手インターネット企業を呼び出し、過度な値引き競争や不公正な販売手法を是正するよう指導しました。こうした規制は市場の秩序を守る目的ですが、企業にとってはマーケティング戦略や価格戦略の自由度が制限される要因になります。


また、中国ではデータやインターネット事業に関する法律も厳格化されています。例えばサイバーセキュリティ法やデータセキュリティ法では、企業に対してデータ管理や国内保存、政府の監査対応などを義務付けています。これらの規制は国家安全保障や個人情報保護を目的としていますが、企業にとってはコンプライアンスコストの増加につながる可能性があります。


さらに、中国政府はEC市場やデリバリー市場の価格競争にも介入しており、アリババやMeituanなどのプラットフォーム企業を対象に競争調査を実施しています。政府は極端な価格競争が企業の利益を圧迫し、経済全体に悪影響を与える可能性があるとして監視を強めています。


このように、中国ではテック企業への規制が「新しい常態」となりつつあり、アリババにとっては成長の機会と同時に重要な政策リスクでもあります。規制が強化されれば事業拡大のスピードが鈍る可能性があり、株価にも短期的な影響を与える要因になると考えられています。


③ EC競争激化

アリババの株価に影響するもう一つの重要な要因が、中国EC市場での競争激化です。近年は特に

  • PDD Holdings(拼多多・Temu)

  • JD.com

といった競合企業の台頭によって、アリババの市場シェアや利益率にプレッシャーがかかっています。


まず、PDD Holdingsは中国のディスカウント型EC「Pinduoduo」や越境EC「Temu」を運営しており、低価格戦略で急速にユーザーを拡大しています。2026年前後のデータでは、中国EC市場のシェアはアリババが約32%、PDDが約23%とされ、PDDは急速にシェアを伸ばしています。


また、Temuの世界的な成長もあり、同社は一時期アリババを上回る時価総額のEC企業となるなど、投資家の注目を集めました。


一方、JD.comは物流ネットワークを強みに、特に家電や電子機器など高価格帯商品の分野で強い競争力を持っています。自社物流による高速配送や品質保証が評価されており、プレミアム市場ではアリババと異なるポジションを確立しています。さらに近年は値引きキャンペーンや新規サービスへの投資を拡大しており、アリババとの価格競争も激しくなっています。


実際、中国のEC市場では消費低迷の影響もあり、各社が顧客獲得のために大規模な値引き競争(価格戦争)を展開しています。こうした競争は売上拡大につながる一方、利益率を圧迫する要因となり、アリババの業績にも影響を与えています。


アリババ株価の今後【シナリオ予想】

1. 強気シナリオ

AI成長が加速 → 株価:180〜220ドル


強気シナリオでは、AIとクラウド事業の成長が想定以上に加速し、アリババの業績が大きく改善するケースが想定されます。特に同社のクラウド事業はAI需要の拡大によって急成長しており、投資銀行の分析ではAlibaba Cloudの売上が2025年後半〜2026年にかけて約37〜38%成長する可能性が指摘されています。


また、生成AIの普及によって企業のクラウド利用は世界的に急増しており、アリババは中国最大級のクラウドサービス企業としてその恩恵を受けるとみられています。実際、アナリストの予測ではアリババの売上は2026年に約5%、2027年には約12%の成長が見込まれており、AI関連サービスが成長の中心になるとされています。


株価面でも、ウォール街の多くのアナリストは強気の見方を維持しています。市場コンセンサスではアリババの平均目標株価は約195〜205ドルとされ、強気予想では230ドル前後まで上昇する可能性も指摘されています。


こうした状況から、

  • AIクラウド需要の急拡大

  • クラウド事業の高成長

  • 利益率の改善

といった条件がそろえば、アリババ株は180〜220ドル程度まで上昇する可能性がある強気シナリオが考えられます。


2. 中立シナリオ

利益成長は緩やか → 株価:150〜180ドル


中立シナリオでは、アリババの事業は安定的に成長するものの、急激な成長には至らず、株価も比較的緩やかな上昇にとどまるケースが想定されます。


ウォール街のアナリスト予想を見ると、アリババ株は現在も比較的強気評価ですが、短期的には利益成長が大きく加速するとは限らないとの見方もあります。2026年前後のアナリストコンセンサスでは、アリババ株の平均目標株価は約188ドル前後とされており、現在の株価から約20%程度の上昇余地と見込まれています。


また、売上成長率についても急成長というよりは中程度の成長が予想されています。アナリスト予測では、アリババの売上は

  • 2026年:約6%前後の成長

  • 2027年:約11%前後の成長

と見込まれており、安定した成長企業として評価される可能性があります。


ただし、中国経済の成長鈍化はアリババのEC事業に影響する可能性があります。2026年の中国政府のGDP成長目標は約4.5〜5%と、近年では比較的低い水準に設定されており、これが消費の伸びを抑える要因になるとの指摘もあります。


このような状況では、

  • EC事業は安定成長

  • クラウド・AI事業が徐々に拡大

  • 利益率は徐々に改善

といったバランス型の成長シナリオが現実的と考えられます。


その場合、アリババ株は大きく上昇するというより、150〜180ドル程度のレンジで推移する可能性がある中立シナリオが想定されます。


3. 弱気シナリオ

弱気シナリオでは、中国経済の減速や規制リスク、競争激化などが重なり、アリババの成長が想定よりも鈍化するケースが考えられます。


まず、中国経済の成長鈍化はアリババのEC事業に直接影響します。中国政府は2026年のGDP成長目標を4.5〜5%程度と設定しており、これは近年で最も低い水準の一つです。消費の回復が遅れれば、EC市場の成長も鈍化する可能性があります。


さらに、アリババは中国政府の規制や米中関係の影響を受けやすい企業でもあります。米国によるAI半導体の輸出規制や地政学リスクが強まると、同社のAI開発やクラウドインフラ投資に影響する可能性があり、株価が短期間で5〜10%動くこともあると指摘されています。


加えて、中国EC市場では競争が非常に激しくなっています。PDD HoldingsやJD.comなどの競合企業が価格競争を強めており、アリババはマーケティング費用や補助金を増やして市場シェアを守る必要があります。その結果、利益率が大きく低下する可能性があります。実際、近年の決算では競争激化と投資増加によって利益率が圧迫されていると指摘されています。


さらに、AI・クラウド分野では巨額の投資が必要であり、短期的には利益の回復が遅れる可能性もあります。2026年前後の決算分析では、AI投資の影響で営業利益が大きく減少し、フリーキャッシュフローが弱くなる可能性も指摘されています。


これらのリスクが同時に発生した場合、

  • 中国経済の成長鈍化

  • 政府規制・米中対立

  • EC市場の価格競争

  • AI投資による利益圧迫

といった要因が重なり、アリババ株は100〜140ドル程度まで下落する可能性がある弱気シナリオも想定されています。


よくある質問(FAQ)

Q1. アリババ株価の今後は上昇トレンドか?

アリババの株価は、AI・クラウド事業の成長が続くかどうかによって大きく左右されると考えられています。近年、同社はクラウドや生成AIへの投資を強化しており、これらの事業が本格的に収益化すれば株価上昇の余地は大きいとみられています。


実際、ウォール街のアナリストのコンセンサスでは、アリババ株の平均目標株価はおよそ190〜205ドル前後とされており、現在の株価水準から一定の上昇余地があると分析されています。ただし、中国経済の成長や政府規制、米中関係などの影響を受けやすいため、短期的には株価の変動が大きくなる可能性もあります。


Q2. アリババはAI銘柄?

はい、近年のアリババはAI銘柄としても注目されている企業です。


同社は独自の大規模言語モデル「Qwen」を開発し、クラウドサービスやECプラットフォームにAI機能を組み込んでいます。また、中国最大級のクラウドサービスであるAlibaba Cloudを通じて、企業向けAIインフラを提供している点も特徴です。


AI市場の拡大により、クラウド需要が増えればアリババのAI関連事業も成長すると期待されており、投資家の間では「中国版AIプラットフォーム企業」として評価する声も増えています。


Q3. アリババ株の適正株価はいくら?

アナリストの予想を見ると、アリババ株の適正株価には一定の幅があります。


一般的なコンセンサス予想では

  • 弱気予想:約130ドル前後

  • 平均予想:約190〜200ドル

  • 強気予想:230ドル以上

といったレンジが提示されています。


この差は、主に

  • 中国EC市場の成長

  • クラウド事業の収益化

  • AI投資の成果

などの見通しによって評価が分かれているためです。AI・クラウド事業が順調に拡大すれば、株価は平均予想以上に上昇する可能性もあります。


Q4. アリババ株は長期投資向き?

アリババ株は、中長期で成長を狙う投資家に向いている銘柄といわれています。


同社は

  • 中国最大級のECプラットフォーム

  • アジア最大級のクラウド企業

  • AI開発企業

という複数の成長分野を持つテクノロジー企業です。


ただし、中国企業特有のリスクとして

  • 政府規制

  • 米中関係

  • 中国経済の影響

などが株価に影響する可能性があります。そのため、長期投資を考える場合は分散投資や中長期視点での保有を前提に検討することが重要とされています。


まとめ

まとめとして、アリババ株価の今後は、AIやクラウド事業の成長が続くかどうかが大きなポイントになります。特にクラウドや生成AIへの投資が成功すれば、中長期的に企業価値が高まり、株価上昇の余地もあると考えられています。一方で、中国経済の動向や政府規制、EC市場の競争激化などのリスクも存在するため、これらの要因を注視しながら投資判断を行うことが重要です。


免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。