公開日: 2025-12-11
近年は株価が比較的安く、5万円以下で買える株主優待銘柄が増えています。特に外食・小売・サービス企業では、個人投資家向けにお得な優待を提供する動きが広がっています。そのため、初めて株を買う人でも、低リスクで生活に役立つ優待を手軽に受け取れるのが大きな魅力です。少額から投資を始められることで、株主優待をきっかけに投資デビューをする人も増えています。
5万円以下で買える株主優待の魅力
5万円以下で買える株主優待の最大の魅力は、低リスクで「投資の楽しさ」を実感できる点です。 まとまった資金を用意しなくても、日常生活で使えるお得な優待を受け取れるため、初心者でも安心して始められます。
まず、少額投資であるため株価が多少上下しても損失が限定され、心理的な負担が小さく済みます。さらに、外食チェーンの食事券やスーパー・ドラッグストアの買い物券、クオカードなど、普段の生活に直結する優待が多いのも魅力のひとつです。家計の節約にもつながるため、「実感しやすいメリット」を得られます。
また、5万円以下で複数銘柄に分散投資できるため、ポートフォリオ全体のリスクを下げながら優待を複数種類楽しむことも可能です。例えば1銘柄10万円以上かかる企業ばかりだと分散は難しいですが、5万円以下なら3〜5銘柄を組み合わせることも容易です。
さらに、単元未満株(ミニ株)では株主優待を受けられないケースがほとんどですが、5万円以下の銘柄なら「1単元」を無理なく取得でき、正式な株主優待を受けられるという強みがあります。少額であっても株主としての特典を確実に享受できる点は、優待投資の大きな魅力と言えます。
選び方のポイント
5万円以下で買える株主優待を選ぶ際は、「お得さ」だけでなく「使いやすさ」や「安心して保有できるか」もしっかり見極めることが大切です。以下のポイントを押さえておくと、失敗しにくい優待選びができます。
1. 優待内容の実用性
株主優待は内容がさまざまですが、特に人気なのは 食事券・クオカード・自社サービス券 など、生活で使いやすいものです。
実際に自分がその優待を使う場面をイメージし、「本当に必要な優待かどうか」を判断することが重要です。
使わない優待 → 結果的に価値が薄い
日常的に使える優待 → 家計の節約に直結する
2. 優待利回り+配当利回りの総合利回り
株主優待は魅力的ですが、株価が下がるリスクもあるため、総合利回りを確認するのが賢い選び方です。
総合利回り = 優待利回り + 配当利回り
優待だけに偏らず、配当もしっかり出している銘柄は長期保有に向きます。
3. 優待の継続性や企業の業績
優待は企業の負担が大きい制度なため、業績の悪化により改悪・廃止が行われることもあります。
そのため、
直近数年の業績
自己資本比率など財務健全性
過去の優待変更の有無
などを確認して、安定して優待を続けられる企業かを見極めることが大切です。
4. 権利確定月が分散されているか
優待を複数保有する場合、権利確定月が偏らないように分散すると、年間を通して効率よく優待を受け取れます。
例えば3月・9月に集中する銘柄が多いため、
6月
12月
なども組み合わせると、年間の楽しみが増えます。
5. 長期優遇制度の有無
最近は、1年以上保有で優待内容がグレードアップする「長期優遇制度」を導入する企業が増えています。
長く持つほどお得になるため、
長期保有を前提に選ぶ
短期売買では得られないメリットがある
という観点で銘柄を選ぶのも有効です。
5万円以下で買えるおすすめ株主優待銘柄
| 銘柄名/コード | ジャンル | 最低投資額の目安* | 優待内容 | 特徴・補足 |
| RIZAPグループ (2928) | サービス系(ジム等) | 約 24,800円〜 | 子会社ジム「chocoZAP」で使える優待利用券(6か月半額、など)/株主優待ポイントなど | 投資額が非常に少なくて済む。ジムやサービスを使う人には実用的。優待利回りが高めで、少額で「体験型」優待を得やすい銘柄 |
| かんなん丸 (7585) | 外食系 | 約 約 41,000円前後(株価 約410円 × 100株) | 100株以上で自社飲食券2,000円分または ジェフグルメカード 500円分 | 年2回優待(6月・12月)があり、頻繁に外食をする人に向いている。飲食券か、使いやすいギフトカードか選べるのも柔軟 |
| ギグワークス (2375) | 小売/サービス系(通販) | 約 25,700円〜 | 日本直販のネット通販で使える割引クーポン(優待) | 家電・アウトドア・日用品など幅広いジャンルが対象で、生活用品を割引で買えるので実用性が高い。少額で優待を試すのに良い銘柄 |
* 最低投資額は、公開情報や記事時点の株価をもとにした目安です。
RIZAPグループ(コード 2928)

株価はおおよそ198〜200円程度で、100株買っても約2万円前後です。少額投資で手軽に買える銘柄です。
同社はヘルスケア・美容事業を展開しており、近年は子会社ジム事業(例:chocoZAP)の効率化により業績を改善。直近決算では営業利益で黒字転換を果たしたとの報告もあります。
少額で株主になりやすく、「優待を試してみる」「株主デビュー」目的の投資には敷居が低い一方で、株価の変動や企業の安定性をよく確認する必要があります。
かんなん丸(コード 7585)

最新株価は約426円前後で、100株で購入すれば約4.2〜4.3万円程度です。
優待内容は、同社が運営する飲食チェーン店で使える「食事券」または、ギフトカード(例:JEFグルメカード)などが選べるそうです。100株以上で2.000円分の食事券/ギフト、300株以上で割増…といった優待をもらえます。
権利確定月が6月・12月の年2回という点も、年に複数回優待をもらえるチャンスがあるという意味で利用価値があります。
ただ、直近の決算や財務状況を見ると、赤字が続いていたり自己資本比率が低めだったりと、経営の安定性には注意が必要、とのデータもあります。
ギグワークス(コード 2375)

株価は最近約220〜274円あたりです。100株でも約 2.2〜2.7万円程度と、こちらも5万円以下で取得可能です。
事業内容は、通信販売・通販、フィールドサポート、BPO(アウトソーシング)サービスなど多岐にわたる。通販部門の割引クーポンなど、優待内容がある銘柄として紹介されることがあります。
ただし、直近の決算では売上が減収となったものの、関係会社売却益で一時的に純利益が黒字に転換との報告も。自己資本比率改善など財務体質の整備も進んでいるようですが、依然収益は不安定との見方もあります。
「少額で優待を試す」「リスクを抑えて投資を始める」という意味では、条件を満たす銘柄のひとつです。
注意点(デメリットも理解)
1. 株価変動リスク
株主優待を目的に株を買っても、株価が下がれば損失が出る可能性があります。
たとえ魅力的な優待があっても、「株価が急落し、優待で得られる価値以上の損をする」ケースは珍しくありません。
特に優待人気で株価が上がっている銘柄ほど、業績が悪化したときの下落も大きくなりがちです。
優待だけで判断せず、企業の業績や財務状況もチェックすることが大切です。
2. 優待廃止・改悪の可能性
株主優待は企業が任意で行っている制度のため、経営方針の変更で突然「廃止」や「縮小」されることがあります。
近年は、コスト削減や海外投資家を意識して優待を廃止し、配当強化に切り替える企業も増えています。
廃止ニュースが出ると株価が大きく下落することも多く、優待目的の投資家は注意が必要です。
3. 優待目的の短期売買リスク
「権利付き最終日だけ保有してすぐ売る」短期取引をする投資家も多いですが、これにはリスクがあります。
権利落ち日には株価が下がりやすく、買値よりも低い価格で売ることになる可能性が高いからです。
また短期売買を繰り返すと手数料もかかり、実質的なリターンが小さくなるので注意が必要です。
優待は長期保有と相性が良いため、短期で稼ぐという発想には向いていません。
4. 手数料や税金の注意点
株を売買するたびに、証券会社の売買手数料が発生します。
また、優待そのものには税金はかかりませんが、株の売却益には20.315%の税金(譲渡所得税)がかかります。
さらに、優待目的の売買を繰り返すと手数料負担が積み重なり、「優待でもらえる価値よりも、コストが上回る」ことも起こりがちです。
優待を狙うなら、売買回数を少なくし、長期スタイルでコストを抑えることが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 本当に5万円以下で買える株主優待があるの?
はい、可能です。外食チェーン、小売、サービス業など、比較的株価が低めの企業には、5万円以下で優待を提供しているところが多くあります。
クオカード、食事券、割引券など「日常使いしやすい優待」が選びやすいのが魅力です。
Q2. 優待をもらうためには、いつまでに株を買えばいい?
優待をもらうには、権利付き最終日(決算月の月末の2営業日前)までに株を保有している必要があります。
この日を過ぎると、優待をもらえなくなるので注意が必要です。
初心者は「権利付き最終日」「権利落ち日」の違いをしっかり理解しておくと安心です。
Q3. 5万円以下の株はリスクが高くない?
低価格株はボラティリティ(値動き)が大きい場合もありますが、必ずしも高リスクというわけではありません。
重要なのは、企業の業績や財務の健全性を確認することです。
優待目的だけで判断するのではなく、長期的に安定している企業かどうかをチェックしましょう。
Q4. 優待と配当、どちらを優先すべき?
どちらが良いかは投資スタイルによって異なります。
日常で使える「お得感」を重視 → 優待重視
収益性や資産形成を重視 → 配当重視
ただし、配当と優待が両方ある銘柄を選べば、バランスよくメリットを得ることも可能です。
Q5. 優待はいつ届くの?
優待は企業によって発送時期が異なります。
一般的には、権利月の2~3か月後に届くケースが多いですが、半年以上かかる企業もあります。
企業のIRページや優待案内に記載されているので確認しておくと安心です。
Q6. NISAでも株主優待は受け取れる?
はい、受け取れます。
NISAで株を保有している場合でも、優待の権利は通常の口座と同じように発生します。
節税しながら優待も受け取れるため、少額から優待投資を始める人にとても相性の良い制度です。
結論:少額でも「お得」に投資を始めよう
5万円以下で買える株主優待の恩恵も十分大きい
少ない資金でも、外食券や買い物割引、クオカードなど実用的な優待を受けられる企業は多くあります。
はじめての株式投資でも負担が小さく、リスクを抑えながら「投資の楽しさ」を実感できる点が大きな魅力です。
自分の生活スタイルに合う優待を選ぶことが成功のポイント
優待投資では「欲しい優待をもらえる銘柄を選ぶ」ことがとても重要です。
よく使うお店、身近なサービス、日常生活で役立つものを基準に選ぶことで、満足度の高い投資ができます。
無理なく続けられる銘柄を選ぶことが、長期でお得を積み重ねるコツです。
免責事項: この資料は一般的な情報提供のみを目的としており、信頼できる財務、投資、その他のアドバイスを意図したものではなく、またそのように見なされるべきではありません。この資料に記載されている意見は、EBCまたは著者が特定の投資、証券、取引、または投資戦略が特定の個人に適していることを推奨するものではありません。