2025-07-18
TSMCの株価は、好調な第2四半期決算と2025年の売上高見通しの大幅な上方修正を受け、時間外取引で4%以上急騰した。この決算は市場予想を上回り、NVIDIAやAMDといった主要顧客からの先進AIチップへの需要急増を背景に、TSMCの世界的な半導体サプライチェーンにおける優位性をさらに強化した。
第2四半期の好調な業績
7月17日、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)は第2四半期の売上高が300億7000万ドルとなり、前年同期比44%増となったと発表した。ADR(米国預託証券)1株当たり利益は2.47ドルで、前年同期比68%増となった。1ADRは普通株式5株に相当する。
これらの業績はアナリストの予想を大きく上回った。TSMCの営業利益率は49.6%となり、自社ガイダンスの上限を上回った。また、粗利益率も58.6%となり、こちらも予想の上限に達した。この好調な業績は、特に先端プロセス技術における同社の事業の強さを反映している。
高度なプロセス技術が成長を牽引
予想を上回る業績は、主に先端半導体ノードの急速な普及によるものである。第2四半期には、3nmおよび5nm技術で製造されたチップが、ウェーハ売上高全体の60%を占めた。これらの先端プロセスは、ハイエンドAIチップや最先端の民生用電子機器の性能と効率に不可欠である。
TSMCはこれらの技術を大規模に提供できる能力により、競合他社に対して大きな優位性を築いている。世界中のテクノロジー企業がより高速で強力なAIアプリケーションの開発を競う中、TSMCの最も高度なプロセスに対する需要は高まり続けている。
AI需要の高まりが長期見通しを押し上げる
TSMCは、通期売上高見通しの引き上げを決定した主な要因として、AIアプリケーションへの需要の加速を強調した。同社は現在、2025年の売上高成長率を米ドルベースで30%と予想しており、これは以前の約25%から引き上げられた。
この修正は、AIに重点を置く顧客からの持続的な需要に対する強い自信を示している。NVIDIA、AMD、さらにはIntelといった大手企業が高性能チップの製造においてTSMCのファウンドリサービスへの依存度を高めていることから、同社はAIを軸とした世界のテクノロジー市場の変革から恩恵を受ける好位置にいると考えられる。
第3四半期のガイダンスは予想を上回る
TSMCは、堅調な第2四半期決算に加え、第3四半期についても楽観的なガイダンスを発表した。同社は売上高を318億ドルから330億ドルと予想しており、これもコンセンサス予想を上回る。この見通しは、TSMCの成長軌道が下半期も継続するという市場の見方を強固なものにしている。
アナリストは、TSMCの財務実績の一貫性と、業界で最も要求が厳しく価値の高いチップ開発会社を含む顧客基盤の質に注目している。
TSMC株価は上昇傾向を継続
決算発表後、TSMCの株価は米国の時間外取引で4%以上上昇し、1株当たり248ドルに達した。2025年初頭以降、TSMCの株価は21%上昇しており、急成長するAIおよび高性能コンピューティング市場から価値を獲得する能力に対する投資家の信頼の高まりを反映している。
この株価上昇は、TSMC が製造業者としてだけでなく、クラウド コンピューティング、自動車、民生用電子機器、産業用 AI など、さまざまな分野にわたる次世代テクノロジーの重要な推進役として市場から認められていることを強調している。
結論:AI時代の戦略的リーダー
TSMCの第2四半期の好調な業績、先進的なチップ能力、そして2025年に向けた上方修正は、グローバルなテクノロジーエコシステムにおける重要なプレーヤーとしての同社の評価をさらに強固なものにしている。TSMCの株価の継続的な上昇は、AI革命の渦中における同社の長期的な見通しに対する信頼を反映している。高性能半導体への需要が加速する中、TSMCは今後もイノベーションと成長の最前線に立ち続ける態勢が整っているようである。
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